ビジネスでの「受け取る」の敬語の使い方と例文19選、英語表現6選

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ビジネスシーンで頻繁に使用する「受け取る」という動詞ですが、使用する相手や場面によって敬語表現が変わります。
「受け取りました」「受領いたしました」「お受け取りください」「頂戴いたしました」「お納めください」「ご査収ください」等々、どのシーンでどれを使うべきか、注意すべき点などを例文も挙げながらまとめます。

「受け取る」の正しい敬語

一言で敬語と言っても、丁寧語・尊敬語・謙譲語があります。「受け取る」はそれぞれどんな言葉になるのか、まずはおさらいしましょう。

同僚など同じ立場の人に使う「受け取る」 – 「受け取る」の丁寧語

丁寧語は「受け取ります」です。主体はどちらでもなく、話し手が「です」「ます」をつけて丁寧に表現している言葉です。「受け取ります」は、どんな場面でも使用できます。

【例文】
・○○課長宛ての電話伝言を受け取りました。
・取引先の○○会社からの郵便は受け取りましたか?

目上の人や取引先が受け取る場合 – 「受け取る」の尊敬語

自分より目上の人が受け取る場合には、尊敬語の「お受け取りになる」「お納めになる」を使いましょう。 受け取り手に渡す意味で使うのが一般的です。

※「メールをお受け取りいたしました。」
これは、主体が自分で「受け取る」を丁寧にいう場合に使われることがあります。間違いではないとの見方もありますが賛否両論なので、ビジネスシーン、特にメールや書き残す場合には、避けた方がいい表現です。

【例文】
・○○をお受け取りくださって、ありがとうございます。
・ささやかなものですが、どうぞお納めくださいませ。

目上の人や取引先に対して自分が「受け取る」場合 – 「受け取る」の謙譲語

よく使われる「受け取る」の謙譲語は、「いただく」「頂戴する」です
「頂戴しました」は、どのような取引先にも使えます。
付き合いが長い取引先、よくメールのやり取りがある取引先の場合には、堅苦しさがない「いただきました」でも失礼には当たりません。

【例文】
・お忙しい中、ご返答をいただきましてありがとうございます。
・ありがたく頂戴します。(お納めくださいの返答として使用)

「頂戴いたします」という表現は、本来は「頂戴する」+「いたします」の2重敬語になるので、ビジネスシーンでの使用は避けた方が無難でしょう。

「受け取る」の謙譲語Ⅱ

「拝受する」「賜る(たまわる)」は、「謙譲語Ⅱ」に分類されます
謙譲語Ⅱは、相手を特定することなく自分の動作を丁重に言う場合の表現ですが、謙譲語ⅠとⅡの特徴を合わせもつ言葉もあります。

【例文】
・貴社のカタログを拝受します。
・大変貴重なご意見を賜り、ありがとうございます。

「受け取る」の丁寧な動詞「受領する」

「受け取る」よりも丁寧な動詞が、ビジネスシーンで多用される「受領する」です。
「受領する」には、「重要なものを受け取る」という意味があります。

【例文】
・本日、契約書を受領しました。
・本年度の会費を受領いたしました。

「受け取る」のビジネスメールの例文集

ビジネスではメールや書類、物などを受け取るシーンが多いものです。受け取るものがなんであれ、受け取ったことを伝えるのは早いに越したことはありません。マナーとして、24時間以内に伝えることを心がけましょう。

「受け取りました」

メールを確かに受け取りました。

同僚や同じ立場の人だけでなく、長い取引関係で気心の知れた相手であるなら「受け取りました」の表現のほうがいい時もあります。なるべく早く受け取ったことを伝えるべきなので、以下のような文章を使うのもおすすめです。

メールを確かに受け取りました。ありがとうございます。まずは受け取り確認のみにて失礼いたします。

とりあえずのメールですが、丁寧さがあり「受け取った」ということを伝えるには十分です。また、文末の「失礼いたします」が堅苦しすぎると感じる相手への送信であれば、「まずは受け取り確認のみなので、ご返答は不要です。」としてもいいでしょう。

このメールからあまり間をとらず、次は内容に踏みこんだメールをできれば、ビジネスパーソンとして段取りのよさが光ります。

「いただきました」

メールを確かにいただきました

何度もメールをやり取りする関係なら、「受け取りました」同様に堅苦しくならない表現で、ビジネスシーンでは使いやすい表現です。社内で極端に目上でない人であれば、使用しても差し支えありません。また、初めてメールをする相手にも使える丁寧な表現でもあります。
前述の「受け取りました」と同じ使い方です。

「受領しました」

メールを受領しました。

ビジネスシーンでは一番オーソドックスな表現ではないでしょうか。取引先、目上の人にも使える表現であり、ビジネス向けのひな形にもよく使われます。
受領書という言葉があるように、本来は金銭の受け取りに使う表現でした。それが転じて「重要な書類を受け取る」という意味になり、受領印、受領証などの言葉としても使われています。

重要なものを受け取った時に使う表現だからこそ、なるべく早く受け取りを伝えるべきです。

契約書の押印並びに送付いただき、誠にありがとうございました。本日、契約書を受領いたしました。
いつもお世話になっております。お願いしました書類は、本日確かに受領いたしました。迅速なご対応をいただきまして、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

重要なものを送った相手も心配しているはずですので、一刻も早い返事ができるようにメール文面も早めに作成できるようにイメージしておくのも大切です。

「拝受しました」

メールを拝受しました。

立場や職種により、意外と「拝受」という言葉を見かけるのではないでしょうか? 重要な取引先や目上の人に使いたいのが「拝受しました」です。「受領いたしました」に置き換えることが可能、丁寧な上にへりくだった謙譲の表現です。
オーソドックスな「受領しました」でも謙譲語として十分に表現されているので、下手に「拝受しました」を多用すべきではありません。ここごという時にのみ使うのがベターです。

サンプル3点を拝受しました。お送り頂きました商品サンプルをもとに、提案を進めてまいりたいと思います。
次回のミーティングの資料を拝受しました。こちらで配布の用意をいたします。当日は、どうぞよろしくお願いいたします。

「受け取る」の類義語

「受け取る」の類義語で使い回しに注意が必要な表現が、「ご査収ください」です。

「査収」の使い方と例文

「査収」はビジネスシーンではよく登場する言葉です。読んで字のごとく、検査の査+回収の収なので、「よく調べて、確認して受け取ってください」という意味が予想できるでしょう。書類のやりとりなどでよく使用されます。

「査収」は、すでに丁寧語なので「ご査収ください」で十分ですが、「よろしくご査収ください」「ご査収くださいませ。」との言い方が一般的になっています

「査収」をお願いできるのは、送り手側のみです。送られてきたメールに「査収いたしました。」との返事はおかしいので、注意しましょう。

よく調べようがないものに、「査収」は使用しません。例えば、記念品やお中元などのものには使いませんし、日程や日時を知らせた時には「査収」でなく、「ご確認ください」が適当です。

「受け取る」の英語

「to get」「to accept」「to receive」が「受け取る」の意味の動詞になります。「to get」から順に丁寧〜形式ばった表現になります。あまり敬語の意識がないと言われる英語ですが、それぞれに丁寧さの程度、TPOに合わせた単語選びは必要です。

英語の例文(訳あり)

I will get it today.
(今日受け取ります。)

カジュアルな口語、友人同士などが使う表現です。手紙や贈り物、給料などを受け取る時に使うのが「get」です。ビジネスメールではほとんど使いません。

I will gladly accept it.
(私はそれを喜んで受け取る。)

Please accept our gift.
(贈り物をお納めください。)

進んで受け取る様、受納するの意味があります。ビジネスシーンでも、よく使われる単語です。特に、金銭の受け取りにacceptが使われます。

I have received your e-mail.
(メールを拝受しました。)

形式ばった表現で、日本語の拝受に相当します。

I acknowledged the receipt of your letter.
(メールを拝受いたしました。)

さらに形式ばった表現です。

Thank you for your e-mail.
(メールをありがとうございます。)

ビジネスシーンでもよく使われるのは、「受け取りました」と端的なものよりも、この表現が一般的で、取引先・上司・同僚など誰にでも使えます。

まとめ

「受け取る」の動詞ひとつでこれだけの言い回しがありますが、しっかりと理解し場面や相手によって使い分けるできるようになりましょう。相手に失礼のない意志の伝達は、仕事そのものをスムースにするだけでなく、ビジネスパーソンとしてのあなたの信頼を高めます。