周知とは?意味や使い方、言い換え表現、周知の事実などを解説

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この記事では「周知」の意味について解説いたします。社会人になるとよく使うようになる言葉の一つですが、その意味や使い方についてはよく分かっていないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「周知」の例文や由来、関連用語や言い換えなども交えてまとめています。この記事を最後まで読めば、「周知」について今まで以上によく理解できるようになることでしょう。

周知の意味とは


「周知」は「しゅうち」と読み、「広く知らせること」や「多くの人に知れ渡ること」という意味です。個人ではなく多くの人が対象となるため、個人宛に「周知」を使用することはありません。

「知らせること」という動作として用いられることもあれば、「知れ渡っている状態」に対して使われることがあるのが「周知」の特徴です。

例文

言葉の意味や使い方を理解する上では、実際にどのような使い方をするのかを確認するのが手っ取り早く分かりやすいといえるでしょう。そこでこの項目では、「周知」を使った例文を2つご紹介します。

明日は荒天のため、遠足が延期になる旨がメーリングリストで周知された。

小規模な学校でなければ1クラスだけでも数十人の児童または生徒がいます。今回の例では、明日の遠足が荒天で延期になる旨がメーリングリストでクラスに知らされたということです。

来週新しくお店をオープンする予定なので、チラシ広告で周知を図った。

「周知」は「周知を図る」という言い回しで使われることがあり、その意味は「広く知らせるために様々な策を講じること」です。この例だと来週新しくお店をオープンする予定なのでチラシ広告で広く知らせようとしたということを表しています。

周知の由来

「周知」の由来ははっきりとはされていませんが、儒教の経典である『周礼』(しゅらい)にも登場します。『周礼』とは周王朝の政治制度などが書かれた中国古典のことで、その中にも書かれているわけですからかなり古くから存在する言葉です。

ビジネスシーンでの周知の使い方


「周知」はビジネスシーンでもよく使われます。ビジネスシーンでの「周知」の使い方は、例えば次のようなものが考えられるでしょう。

「本件は重要なため課内にご周知ください」というメールを受信した。

「周知」は「ご周知ください」や「周知願います」のように使用されることがありますが、その場合は「広く知らせてください」という意味です。上記の例では課内で広く知らせてほしい内容が書かれたメールを受信したことを意味しています。

広報部は会社の情報を対外的に周知させる役割がある。

広報部は会社のことを対外的に伝えるための大切な役割を担っています。時にはCMやSNSの投稿が炎上してしまうことがあるため、どのように「周知」させるかは非常に重要です。

「周知する」は誤用か

「周知させる」が正しい表現なので「周知する」は誤用であるという意見があります。しかしながら新聞やテレビなどでも「周知する」という表現が浸透していることから、「周知する」が誤用であるとは言い切れないでしょう。

ただし「させる」には「人に○○させる」という使役の意味もあるため、あまり目上の人には使わないようにした方が無難かもしれません。なぜなら目上の人に何かをさせるというのは、上から目線で命令しているように感じる人もいるからです。

このように誤用だとは言い切れなくても使い方には気をつけた方が良い表現だということです。「周知する」を使う場合にはその点にも留意するようにしましょう。

周知の関連用語


「周知」には様々な関連用語があります。そこでこの項目では、「周知」の関連用語を2つ取り上げました。なお下記以外の関連用語としては「周知の通り」や「周知事項」などが挙げられます。

周知の事実

「周知の事実」とは「広く知れ渡っている事実」や「多くの人が既に知っている事実」という意味です。この言い回しは各種メディアなどでも非常によく使われるため、一度は見聞きしたことがあるという人が多いかもしれません。

非常に使いやすい言葉ではありますが、目上の人に対しては使わない方が良いかもしれません。なぜならもしその事実を知らなかった場合、「無知な人である」と言われているように解釈される危険性があるからです。

そのように無用なトラブルを未然に防ぐためにも、目上の人には使用しないのが無難だといえるでしょう。

周知徹底

「周知徹底」も「周知」の関連用語として広く用いられている表現の一つです。「周知徹底」は「しゅうちてってい」と読み、「広く徹底的に知らせる」という意味があります。

つまり「徹底」とは「残るところなく行き渡ること」という意味があるため、「周知徹底」は「徹底的に周知させる」で使われるというわけです。

周知の言い換え


「周知」の言い換えとしては「公知」や「告知」、「伝達」といったものが考えられます。

「公知」とは「世間に広く知られていること」で、「周知」とほとんど同じ意味です。「周知」と同様で「公知の事実」という使い方もできるため、非常に似通った言葉だといえます。

「告知」は「物事を人に告げ知らせること」で、「知らせること」という点では「周知」と共通しています。ただし「周知」は「広く知らせる」のに対し、「告知」は特定の対象に知らせるという点が相違点です。

「伝達」とは「命令や指示などを相手に伝えること」を意味していますが、「伝達」は人やメディアなどを媒介して相手に伝える意味合いがあるためその点が「周知」と異なります。

周知の英語表現


「周知」の英語表現としては「known」や「public」などが適当でしょう。「known」は「know」の受動態で「知られている」という意味があります。例えば「well known」(よく知られている)や「widely known」(広く知られている)のように使用されることも多いです。

また「public」は「公の」や「公共の」といった意味がある英単語で、「make it public」(周知する)という表現で使われることがあります。これらの表現はよく使用されるものなので、この際に合わせて覚えておくと良いかもしれません。

まとめ この記事のおさらい

・「周知」は「しゅうち」と読み、「広く知らせること」や「多くの人に知れ渡ること」という意味がある
・「周知」の由来ははっきりとしていないが、儒教の経典である『周礼』(しゅらい)にも登場する程古くから存在する
・新聞やテレビなどでも「周知する」という表現が浸透していることから「周知する」が誤用であるとは言い切れないが、目上の人に対しては使わない方が無難だといえる
・「周知の事実」とは「広く知れ渡っている事実」や「多くの人が既に知っている事実」という意味だが、その事実を知らない恐れがあるため目上の人には使用しない方が無難だといえる
・「周知徹底」は「しゅうちてってい」と読み、「広く徹底的に知らせる」という意味がある
・「公知」とは「世間に広く知られていること」で、「公知の事実」という言い回しもできるなど「周知」とほとんど同じ意味がある
・「告知」は「物事を人に告げ知らせること」で、「周知」と違い特定の対象に知らせることをいう
・「伝達」とは「命令や指示などを相手に伝えること」を意味するが、人やメディアなどを媒介して相手に伝える意味合いがある点が「周知」と異なる
・「周知」の英語表現としては「known」や「public」などが適当だといえる