「携わる」の意味や使い方とは?敬語や類語、英語表現も解説

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ビジネスシーンで「携わる」という言葉はよく使われます。「〇〇の開発に携わっています」このような形で自己紹介をする場面もあるでしょう。また、「関わる」との違いは何かと疑問に持たれる方も多いと思います。

ここでは、携わるの意味と使い方、関わるとの違いや他の類義語との違いを解説いたします。

「携わる」の読み方と意味


「携わる」の読み方は「たずさーわる」です。「携わる」には「ある物事に関係する、従事する。」という意味があります。また、古語では「手を取り合う、連れ立つ。」といった意味でも使われますが、日常生活ではあまり使われることはありません。英語にすると「take part」となり、「他人と何かを共有する」という意味もあります。

「携る」の送りがなは正解?


「携」の字には、「携(たずさ)える」という言葉もあります。そして、「携」の漢字には「たずさ」という読み方のほかには「たずさわ」「たずさえ」と四文字の読み方もあります。

したがって、「携る」と書いても「たずさわる」あるいは「たずさえる」と読むことができてしまいます。しかし、これでは「たずさわる」なのか「たずさえる」なのか区別がつきにくいことから、一般的には「携わる」、「携える」と書き分けています。

なお、「携える」は「手にさげて、持っていく」の意味で、「携わる」とは全く異なるので注意しましょう。

「携わる」の類語

放送作家
「携わる」の類語としては「関係する」という意味で関わる、関与する、参与する、参加する、などがあげられます。「従事する」という意味では身を置く、身を投じるなどがあげられます。どれも似たような意味の言葉なので、どう使い分けたらいいのか、どれを使ったらいいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

「携わる」と「関わる」の違いと使い分け


「携わる」の類語としてあげられるのが「関わる」という言葉ですが、「携わる」は「関わる」よりも対象の物事への関わりが深いことを示します。

「携」という感じにはもともと「手と手をつなぐ」という意味があり、自分の力を加えたり、知恵を貸したりするというニュアンスが強いのです。

「携」を使った言葉として「連携」「提携」などという言葉もあります。そのため「生死に関わる」「犯罪に関わる」とは言いますが「生死に携わる」「犯罪に携わる」とは言いません。また、「コンビニに携わる」と言うと、コンビニを経営しているのか、または働いているのかな、と思いますが「コンビニに関わる」というと、いったいどう関係しているのか?と疑問に思ってしまいます。

「関与」も「関わる」と同様の関係性なので、うまく「携わる」と使い分けましょう。ビジネスの場ではひろがな表記の「かかわる」よりも「携わる」と漢字を使う方がより丁寧であるとされています。

他の類義語との違い

参与

参与するという言葉は知識や経験がある人が関わる、相談を預かる場合につかわれます。また、会社の上級管理職として参与という役職もあります。このことから、現場で活躍する人ではなく、計画や指揮する側を表す場面でこの言葉が使わることがわかります。

参加

参加は字の通り、集まりに加わることを指します。

「イベントに携わる」
「イベントに参加する」

2つの言葉を比べればわかるように携わるはイベントを企画運営している側、参加するはイベントのお客さんという印象を与えます。このことから「携わる」と「参加」は従事するかしないか、もしくは関係性の大小で言葉を使い分けましょう。

身をおく・身を投じる

身をおくはその環境の中で生活することをいいます。

「野球に携わる」
「野球に身をおく」
「野球選手に身を投じる」

「身をおく」ときくと、より狭義に関わっているとイメージします。また、例えば「身をおく」「携わる」は動詞ですが、名詞の「野球」を「野球選手」とより狭めると、「携わる」という言葉が適しません。このようなときには「身をおく」を使用しましょう。「身を投じる」も同様ですが、物事の始まりの際かどうかが違いになります。これらの言葉も関係性の大小で使い分けましょう。

関与する

ある物事に深く関わることをいいます。

「彼は事件に関与しているにちがいない」
「一連の動きについて日本政府は「知らない」と関与を否定している」

「関与する」という言葉を使うときは、あまり良くないことに深く関わっている場合が多いです。

従事する

「従事」は「事(仕事)に従う」という意味で、「仕事に携わること」をいいます。

「研究に従事する」
「開発プロジェクトに従事する」
「営業の仕事に従事する」

「携わる」に一番近い言葉ではありますが、「従事する」という言葉は書き言葉で使われることが多く、話すときには「携わる」の方がよく用いられます。

「携わる」の敬語表現


「携わる」の敬語表現としては、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3通りが考えられるでしょう。まず尊敬語は「携わられる」や「携わっていらっしゃる」のように表し、上司や先輩など目上の人に対して使います。

「携わる」の謙譲表現は、「携わらせていただく」が適当です。謙譲語を使うのは自分の行動に対してなので、尊敬語と謙譲語を誤って使用することがないように注意する必要があります。

丁寧語の場合は、「携わります」や「携わっています」などです。なお「携わる」の敬語表現は、ビジネスシーンでも「私は現在○○の仕事に携わっています」や「先輩は管理職業務に携わっていらっしゃる」のように使用される頻度が多いといえます。

そのため就職活動を控えている学生や社会人としては、上記の3通りの敬語表現を押さえておいた方が良いかもしれません。

「携わる」の例文

自分が携わるとき

「私は今回の商品開発に携わっています。」
「ぜひ御社の企画に携わりたく存じます。」
「復興の支援に携わりたいと思っております。」
「業務に携わったことはありませんが、内容は存じています。」

自分以外の第三者が携わったとき

「部長が本社のプロジェクトに携わられた。」
「新商品の開発に携わられた〇氏にインタビューをした。」
「さすが研究に携わっている方は知識が豊富だ。」
「医療に携わる人のためのウェブサイトを立ち上げた。」

「携わる」の英語表現

英語
「携わる」の英語表現としては、「take part」「participate」などが適切です。「take part」は先述の「他人と何かを共有する」や「手伝う」、「参加する」といった意味があります。

また「participate」は「携わる」や「参加する」などの意味で使われることが多いです。なお「participate」は「take part」よりもフォーマルでビジネス向きの表現だとされています。

例えば「He belongs to human resources department , so he usually participates in training.」(彼は人事部に所属しているので普段は研修に携わっている。)といった使い方が考えられるでしょう。

まとめ

  • 「携わる」は「たずさわる」と読み、「ある物事に関係する、従事する。」という意味がある
  • 「携る」では「たずさわる」なのか「たずさえる」なのか区別できないので、一般的には「携わる」、「携える」と書き分ける
  • 「携わる」の類語は関与するや身を置くといったものがあげられる
  • 「携わる」は「関わる」よりも対象の物事への関わりが深いことを示す
  • 「携わる」の尊敬語は「携わられる」、謙譲語は「携わらせていただく」、丁寧語は「携わります」などが考えられる
  • 「携わる」の英語表現は「take part」や「participate」などが適切

「携わる」という言葉は「手と手を取り合う」という意味があります。この「手と手を取り合う」が他の類義語との違いや、使い分けをする際にポイントとなります。関わるとの違いが関係性の深さであるように、このポイントを意識して「携わる」という言葉を使ったいきましょう。