ビジネスだけでなく日常生活でも、人はいつも交渉しています。交渉は、いつもスムーズには進むとは限りません。相手とのやりとりで有利にすすめるために必要なのは、「折衝力」です。ここでは、折衝力とは何か、交渉力との違い、折衝力がある人の特徴、折衝力に大切なこと、鍛える方法をご紹介します。折衝力を身につければ、ビジネスパーソンとしてもワンランクアップできます。

折衝力とは?

折衝力(せっしょうりょく)は、名詞「折衝」に接尾辞「力」がついた言葉です。「折衝」には、“有利に事を運ぶように、相手と駆け引きすること。また、その駆け引き”を意味します。「折衝」は駆け引きであることから、折衝する両者は、利害関係が一致しないもの同士が話し合うことなのがわかるでしょう。

「折衝力」は、利害関係が一致していない間の話し合いを上手く進める力のことをいいます。話し合いには、説得なども含まれるでしょう。

「折衝力」は、英語表現ではnegosiation abilityになります。

交渉力との違い

「交渉力」は、“ある事を実現するために、当事者と話し合うこと。かけあうこと”を意味します。

「折衝」と違い、「交渉」では利害関係が一致していることもあれば、一致していない場合もあります。
それゆえ、一般的には、「交渉力」には「折衝力」ほどの駆け引きの上手さは伴わないものです。

折衝力がある人の上手な折衝の特徴

うまく折衝するには、強硬な姿勢ばかりでは、余計に相手を身構えさせてしまいます。折衝は、時には妥協したりしながら、また相手に折り合いをつけてもらわなければいけないので、相手への思いやりの気持ちも大切です。

ゴリ押しでも、人情的な話し合いなどでは上手くいかなく、相手の顔色ばかりをうかがって、仲良くしたりしようとしても上手くいかないでしょう。

また、折衝では、こちらの要求に対して必ず納得してもらえるとは限りません。逆に、相手から要求され、こちらが納得できないこともあります。

相手との折り合いをつけられどのような場面でもうまく折衝をできる人には、特徴が3つあります。

説明上手な人は折衝力がある

折衝力には、相手を思いやりながらも、伝えたいことを明確にできる力が必要です

利害関係が一致していないので、伝えたいことは、こちらの要求や折衝の目的になるでしょう。相手に理解してもらうのが、折衝を上手く進めていく上で欠かせません。ですから、折衝力がある人は説明上手でもあります。

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具体的な提案ができると有利に折衝できる

相手が知りたいことを具体的に伝えられることも、折衝には大切です。

利害関係が一致していない以上、金額や要求は言い出しにくい場合もあるでしょう。しかし、たとえ言い出しにくいことでも、真摯に相手を思いつつ、言わなければいけない局面もあります。そういう意味では、交渉力のある人は、ある程度の芯の太さもなければうまく進められないでしょう。

代替案を提示し、折衝力をいかす

否定的、あるいは断定的なダメ、無理という言葉を使わずに、上手く代替案を提示することも重要です。

相手の希望には沿っていない内容でも、それまでの交渉の進め方や代替案の伝え方で、受け入れてもらえるかどうかも左右されることもあります。

折衝力には聞き取る力が大切

相手の要求や意見を受け入れらないからこそ、折衝することになっています。相手のいいたいことや知りたいこと、要求などを正確に理解していなければ、適切な代替案や妥協案の提案までは至らないでしょう。

先の折衝力のある人の特徴は、基本は相手を理解することからはじまります。

折衝力を活かせる場面

折衝力はビジネスの取引の場だけでなくご自身の退職交渉でもいかすことが出来ます。

上司とのやりとりや転職エージェントとの条件交渉、様々な場でいかすことができるでしょう。

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折衝力を鍛える方法

折衝力を鍛えるには、理解力や説明力が必要です。以下の方法から、自分が必要なことから始めてみましょう。

ニュースのシャドーイングで説明力を養う

シャドーイングとは聞いた音声を即座に言葉にする技術です。
ニュースは、決められた時間にニュースの核心を伝えなければいけないので、視聴者が知りたい情報を整理して話しています。

つまり、ニュースを聞いた瞬間から言葉に出してなぞることで、自然と整然とした話の進め方が身につきます。

また、すぐに言葉にするので、聞き取りの力を養うこともできます。

ミーティングの発言を記録・説明することで聞き取る力をつける

ミーティングを片っ端から議事録にすることで、聞き取りの力を養うことができます

また、書くことで記憶にとどまり、のちにミーティングの内容を伝えたい時に構成が組み立てやすくなります。

折衝力には、相手への伝え方も重要で、話の構成が上手なこともポイントになります。ですから、ミーティングの記録から重要な内容のみをピックアップして説明する練習をするのも、いい折衝力のトレーニングになります。

シュミレーションすることで相手の求めるものを予測する

実際に折衝を担当しなくても、自分の中で折衝をシュミレーションするのも鍛える方法のひとつです。

シュミレーションでは、相手の反応を何通りか考えてみたり、妥協案や提案などもいくつも考えてみるのがいいでしょう。

話の構成を考え折衝力に磨きをかける

折衝では、どう話を展開するかも重要なポイントになります。何も考えずに話し出す癖のある人もいますが、一呼吸おいて構成を考えるから話すと、論理的に進められます
ビジネスシーンでは、起承転結の順の構成ではなく、先に結果を話すのがいいとされています。

しかし、折衝では、結果は相手を強硬にしてしまう可能性が高いので、その後の話の展開こそが大切です。

折衝とはいえ、相手を思いやりながら話せる構成にしましょう。

折衝力のポイントおさらい

  • 「折衝力」は、“利害関係が一致していない間の話し合いを上手く進める力”のことをいいます。「交渉」では利害関係が一致していることもあれば、一致していない場合もあり、一般的には「交渉力」には「折衝力」ほどの駆け引きの上手さは伴わないでしょう。
  • 折衝力がある人の上手な折衝の特徴には、説明上手、具体的な提案ができる、代替案を提示できるなどがあります。そのためにも、折衝力には聞き取る力が大切です。折衝力を鍛える方法には、ニュースのシャドーイング、ミーティングの発言を記録・説明する、シュミレーションする、話の構成を考えるなどの方法があります。