世帯年収とは何か 年齢別の所得の分布を表を使って詳しく解説

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

世帯年収といえば文字通り、ある世帯の1年間の収入の合計を表しますが、世帯とはどのようなくくりをさすのか、一般的に見てどのくらいの世帯年収額が妥当なのか、などが疑問点としてあげられます。

世帯年収を学ぶにあたり、理解しておくことは以下の通りです。

・世帯年収とはどのような額を示すものなのか?
・年齢別の世帯年収の平均値はどのくらいであるのか?
・世帯年収に伴い、貯蓄額・借り入れなどは見られるのか?

この記事を最後まで読むことで、世帯年収の指す意味を正確に理解し、ご自身の世帯年収が平均と比べてどうであるのかが比較できるようになるでしょう。

そもそも世帯年収とは何か?

世帯とは、住居・生計を共にする集まりのことを表しています。分かりやすくいえば、一緒に暮らす家族のことを表しており、他にも同居している人・お手伝いさんなどを含むことがあります。

また就職や就学のために、家族の元を離れて暮らしている人は「単身の世帯」と表します。すなわち世帯年収とは、住居・生計を共にする集まりの合計年収を表しています。

例えば、ご自身に収入がなかったとしても、配偶者・父母と同居・生計を共にしている場合は、全員の年収を合計した額を算出します。「手取り」ではなく、社会保険や年金を引く前の総支給額を合計したものです。

世帯年収は世代ごとに分けて分布されている

厚生労働省の国民生活基礎調査では、平成27年1月1日から12月31日までの1年間の所得について、全世帯・高齢者世帯・児童のいる世帯に分けて平均値の推移を記載しています。

児童がいる世帯は子供の教育などにお金がかかるため、その分収入を得る必要があり、全世帯よりも世帯年収は高めになっています。逆に高齢者世帯は65歳以上の人のみで構成する世帯であり、年金などを中心の生活であるため、全世帯よりも世帯年収が低くなっています。

世帯年収 表

 

参考・グラフ引用 厚生労働省の国民生活基礎調査

世帯年収の金額別割合の分布

世帯年収の平均を見ると、全世帯では545万8千円、高齢者世帯で308万4千円、児童のいる世帯で707万8千円です。

しかしながら、所得金額階級別世帯数の相対度数分布を見ると、以下のことがわかります。

世帯収入100万円から200万円未満が13.4%
200万円から300万円未満が13.7%
300万円から400万円未満が13.2%

以上の事から、全世帯における平均年収は545万8千円にも関わらず、それに満たない世帯の方が多いことが分かります。

世帯年収の中央値の意味

世帯年収について注目したいのは「中央値」という値です。所得が低い者から高い者へと順番に並べたときに、丁度中央に当たる部分を二等分した境界線のことを表します。

平成28年調査の場合、中央値は428万円で、全世帯の世帯年収には到達していないことが分かるでしょう。世帯年収の平均に満たない世帯数は、全体の61.4%にも及びます。

ご自身の世帯と比較する際には、全体の世帯年収の平均ではなく、中央値と比較してみるとよいです。全ての値を足して世帯数で割った平均でなく、全体の真ん中を知ることができるためです。

世帯主の年齢別世帯収入の分布

平均所得金額

参考・グラフ引用 厚生労働省の国民生活基礎調査

29歳以下、30代・40代・50代・60代・70歳以上と区分したグラフによって、世帯主の年齢別の世帯収入の平均を読み取ることができます。

グラフからは、多くの企業の定年である60歳に向かって給料が徐々に上がっていくことから、50代までは世帯主の年齢が上がるにつれて、世帯所得も上がっていくことが分かります。

最も世帯収入が多い年齢は50~59歳

最も世帯収入が多いのは、世帯主が50~59歳の世代のときで、平均所得は743万9千円と、世帯年収の平均よりも200万円程度多いことが分かります。世帯員1人当たりで見ても、50~59歳の世代が264万円と最も高いことが読み取れるでしょう。

次いで世帯年収が多い順に並べると、40~49歳、30~39歳、70歳以上、29歳以下になり、29歳以下の世帯年収が最も低いです。

20代の世帯所得の平均は343万5千円

29歳以下の世帯所得の平均は343万5千円であり、世帯年収の平均よりも200万円も低い状態です。世帯主が50~59歳である場合の世帯所得と比べても、400万円も差が見られます。

理由としては、まだ家庭を持っていないために単身の収入が多いこと、学生で親元を離れての一人暮らしも含まれていることなどがあげられます。

30代の世帯所得の平均は562万3千円

30~39歳の世帯所得の平均は562万3千円であり、世帯年収の平均より20万円ほど高くなりました。30代になり家庭を持ち、児童のいる世帯も増えてきたことが理由としてあげられます。

気になる貯蓄額と借入の分布は?

平均借入額 表

参考・グラフ引用 厚生労働省の国民生活基礎調査

縦軸に金額をとり、0円より多い分は貯蓄額、0円より少ない部分は借入金額です。横軸の年齢は29歳以下、30代・40代・50代・60代・70歳以上と分けて、平均値を比較してみましょう。

平均貯蓄額の総数は約1000万円

総数で見ると、平均貯蓄額は1033万千円で、平均借入金額は431万3千円事が読み取れます。最も平均貯蓄額が少ないのは29歳以下であり、年齢を重ねると共に60代まで平均貯蓄額は上がっていきます。

また、平均借入金額は29歳以下は少ないものの、30代や40代で平均借入金額の2倍ほどの額を示しているのが分かるでしょう。

20代の平均貯蓄額は約150万円

平均貯蓄額は154万8千円と平均の10分の1程度ですが、平均借入額は263万円千円と、世帯主の収入である程度は賄えていることがうかがえます。単身の方が多いため、得た収入をほぼご自身のためだけに使用できることが、理由としてあげられるでしょう。

30代の平均貯蓄額は約400万円

平均貯蓄額は平均に満たないながらも404万千円と、20代に比べて大きく上昇が見られました。この貯蓄は子供の学費などに当てられることが多く、入学金などの一時的な出費により平均借入金額も866万2千円と、他の世代よりも増加しています。

世帯年収の意味と年齢別の世帯年収の分布まとめ

  • 世帯年収とは、住居・生計を共にする集まりにおける合計の年収を表す。
  • 全世帯の世帯年収の平均は545万8千円である。
  • 「中央値」とは、所得が低いものから高いものへと並べた時に、丁度真ん中の境界線にあたる値を表す。
  • 世帯収入が最も多いのは、世帯主が50歳から59歳の場合である。
  • 世帯主が29歳以下の場合は、家庭を持っていない単身者が多いことから世帯年収も低い。
  • 平均貯蓄額は年齢を重ねると共に、60代までは上がっていく。
  • 世帯主が30代の場合、家庭を持ち子供の教育費などが必要のため、貯蓄額・借入金共に多くなっている。

 

自分の年齢のわりに他の人よりも自分の世帯年収が低い…。職場の賃金が低く困ってはいませんか?