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社会人になって迷う習慣の一つに、餞別を贈ることがあります。金額や渡し方など、マナーについて戸惑うことも多いでしょう。
そこでこの記事では、
・のし袋の選び方
・餞別の相場や餞別品の選び方
・餞別のお返しは必要か
について解説し、餞別を贈る際のマナーを網羅していきます。
この記事を通して、知らなかったでは済まない社会人必須のマナーを身につけることができます。
お餞別・餞別とは
餞別はどんな時に渡すものか
餞別とは、遠くへ旅立つ人へ別れのしるしとして贈る金品の事で、職場では異動や転勤、退職する人へ贈るのが一般的です。
「餞」という字は「はなむけ」と読み、餞別の事をはなむけともいいます。昔、旅立つ人の道中の安全を祈り、乗っていく馬の鼻を目的地に向ける習慣があったことからこの言葉が生まれました。
そのため、餞別は去っていく人に渡すもので、来た人を歓迎する時に使ってはいけない言葉です。勘違いしやすい点なので注意しましょう。
餞別ののし袋の選び方
のし袋はどれも同じではない
餞別はのし袋に入れて渡します。のし袋は祝儀袋とも言われ、お祝い事やお礼、ご挨拶などに幅広く使われています。
売り場に並ぶのし袋は一見どれも同じように見えますが、用途に合わせて種類があり、間違えたものを選ぶとマナー違反になってしまいます。
餞別ののし袋は「蝶結び」
餞別ののし袋は水引(みずひき)の形が蝶結びになったものを使います。
水引とはのし袋に巻かれている紅白のヒモのことで、次のように使い方が分かれています。
何度でも結び直せることから、人生に何度あってもいいお祝いごとに使う
⇒餞別、各種お祝い、お礼、ご挨拶など
固く結んであるのでほどくのが難しいため、一度きりにしたい祝い事に使う
⇒結婚祝い、お見舞いなど
結婚に伴う退職で渡す場合には「結婚祝い」として贈り、餞別を兼ねるのが一般的です。
餞別の、のし袋の書き方
餞別を目上の人に個人名で贈るのは失礼とされています。目上の人へは部署名で贈るか、個人的に贈りたい時はのし袋には「おはなむけ」と書いて贈りましょう。
相手別、のし袋の書き方
御礼/○○会社▲▲部一同
御祝/○○会社▲▲部一同
おはなむけ/個人名
定年退職される方に対しては、部署名で贈る時も「御餞別」は使わない方がよいとされています。
御餞別/○○会社▲▲部一同
御餞別/個人名(相手が目上でない場合)
おはなむけ/個人名(相手が目上の場合)
定年退職以外の退職には様々な理由があり、「祝」という言葉がふさわしくない場合もあるので配慮が必要です。
御餞別/○○会社▲▲部一同
御餞別/個人名(相手が目上でない場合)
おはなむけ/個人名(相手が目上の場合)
栄転の場合には「御祝」が使えますが、それ以外では「祝」の字は使わずに「御餞別」か「おはなむけ」にしましょう。
御餞別/個人名(相手が目上でない場合)
おはなむけ/個人名(相手が目上の場合)
職場で引越しの餞別を贈る機会は少なく、転勤の餞別として贈ることがほとんどです。個人的な付き合いのある友人として渡す機会の方が多いでしょう。
新築に伴う転居の場合には「御新築祝」とし、中古マンションを購入して引っ越す場合には「引越御祝」とした方が喜ばれます。
餞別の相場はいくらくらいか
餞別の金額は贈る相手や相手との関係性によって変わります。ですがあまり高額だとかえって気を使わせてしまうことになるので、相場を踏まえた額に設定しておく方が無難です。
部署で渡す | 個人で渡す | |
定年退職する人へ | 一人1,000~5,000円 | 5,000円~10,000円 |
退職する人へ | 一人500~3,000円 | 3,000円~5,000円 |
転勤・異動する人へ | 一人1,000~3,000円 | 3,000円~5,000円 |
転居・引越しする人へ | 一人300~3,000円 | 1,000~5,000円 |
餞別品の選び方
餞別品の予算はどれくらい?
餞別を現金ではなく品物として贈る場合も多く、特に部署一同で渡す場合は品物にするのが一般的です。
予算は品物にしても変わることはなく、現金で渡す時と同じです。上記の表を参考にしてください。
餞別品、贈り物がもつ意味に注意
贈り物はものによっては特別な意味を持つ場合があり、餞別としてふさわしくないものがあります。受け取る人を不快にさせてしまうので、十分に注意が必要です。
切るものなので「縁を切る」につながる
「九」が「苦」を、「四」が「死」を連想させて縁起が悪い
香典返しなど弔事によく用いられる
漢字で書くと「手巾(てぎれ)」となり、縁切りを連想させる
踏んだり、敷いたり、下にして使うものは「下に見ている」という意味にとれる。特に目上の人には厳禁。
「勤勉であれ」というメッセージになり、目上の人にはふさわしくない。
火事を連想させるため転居の餞別、特に新築祝いにはタブー。
NGとされるものの中には現在人気になっている品物もあります。ですが受け取った人がどう思うかはわからないので、従来のマナーを守った方が無難です。
割れもの、大きいものは避ける
意味以外にも注意したいのが、相手がもらって困る品物です。
例えばグラスや花瓶などの割れ物。帰り道に満員電車や自転車、バイクなど振動が激しい乗りものに乗れば割れてしまうかもしれません。
同じ理由で、大きい物や重い物も持ち帰るのが大変なので避けるべきです。贈る相手の事を良く考えて、自己満足に終わらない贈り物をしましょう。
餞別品のおすすめ
餞別に贈る品は、「自分では買わないけれど、もらったらうれしいもの」であれば喜んでもらえる可能性が高いです。
そのため、花束であれ記念の品であれ、何にしても自分では買うのをためらうような少し上質なものを選ぶのがおすすめです。
食品の場合は、賞味期限の長いものを贈る配慮を忘れないようにしましょう。
餞別にはお返しが必要か
餞別のお返しは不要とされています。そのため、お返しをしなくてもマナー違反にはなりません。
気持ちが落ち着かずどうしても返したいという時は、部署宛にはお菓子や紅茶のセットなどを贈るといいでしょう。新天地や引越し先の美味しいものを贈るのも喜ばれます。
個人的にお返しをする場合は、1/3~半額程度の品物を返すのが相場です。
餞別のお返しを渡すタイミング
餞別のお返しは本来しなくていいものなので、いつまでにという決まりもありません。慌てることなく落ち着いた頃に贈れば問題ありません。
お返しの際、お礼状はつけるべきか
お返しを贈る際にはお礼状を添えた方が好ましいでしょう。
ですがそもそも不要なお返しなので、内容はお礼メインではなく、近況報告を中心とした内容にします。
相手に「気を使わせてしまった」と感じさせず、「元気にしているようで良かった」と思ってもらえるのが理想的です。
餞別のお返しのおすすめ
餞別のお返しは、部署宛にはお菓子や紅茶のセット、新天地の特産品といった消えものがおすすめです。
個人宛ならタオルや洗剤など、いくつあっても困らない日用品を贈ると喜ばれます。
注意したいのが現金でお返しをしてしまうことです。本来必要のないお返しをわざわざ現金で返すのは、せっかくの餞別を「必要ありません」と贈り返しているようなもの。お返しするのであれば、必ず品物に変えて贈りましょう。
餞別、餞別品のポイントまとめ
・蝶結びののし袋に入れて渡す
・目上の人には「おはなむけ」として渡すのがマナー
・定年退職、退職、転勤など場合によってのし袋の書き方は変わる
・餞別や餞別品の相場は相手との関係性によって変わる
・餞別品はタブーとされるものがあるので注意する
・餞別のお返しは不要
・どうしても返したい場合は現金ではなく品物を贈る