手紙の書き方・マナー|頭語・結び・時節・ビジネスに役立つ例文を紹介

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この記事では手紙の書き方について解説いたします。

昨今ではメールやSNSが台頭した影響もあり手紙を書く機会が少なくなってきました。

しかし今でも手紙でやり取りする場面もある為、いざという時に慌てないよう書き方を知っておいた方が良いかもしれません。

そこで今回は基本的なマナーや構成要素、文例一覧や宛名の書き方、英語での書き方も含めて取り上げました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

手紙の基本的なマナー

手紙には押さえておくべき基本的なマナーがあります。

今回は代表的なマナーとして3つ取り上げました。

「忌み言葉」に気をつける

手紙を書く際には、「忌み言葉」に気をつけなければなりません。

「忌み言葉」とは「忌みはばかって使用を避ける語」のことです。

例えば結婚を祝う手紙では「別れる」や「離れる」、「二度」や「切れる」等離別を連想するようなものが「忌み言葉」に当てはまります。

またお見舞いやお悔やみの手紙だと「また」や「浮かばれない」、「再び」や「迷う」等が該当するでしょう。

このように各シーンで「忌み言葉」は変わってくるので、手紙を書く前にその場面の「忌み言葉」を確認しておくと良いかもしれません。

縦書きと横書きのどっちを使う?

縦書きと横書きをどうするかについては、特に明確な決まりはありません。

ただし目上の方や改まった場面で出す場合は縦書きの方が良いとされています。

親しい間柄の人やちょっとした用事であれば横書きでも問題ないでしょう。

手紙とはがきの使い分けは?

はがきは基本的に親しい間柄や身内のやり取りに使うもので、他人から見られても構わないような内容を伝えるのに適しています。

漢字では「葉書」の他に「端書」とも書くように、略式として用いるのが良いでしょう。

一方で目上の方に宛てたり正式なものとして出したりする際には手紙を出します。

つまり「手紙で出した方が良いもの」と「はがきで出しても構わないもの」があるということです。

具体例があった方が分かりやすいので、以下にそれぞれの例をまとめました。

○手紙で出した方が良いもの

  • 目上の方に出す場合
  • 結婚や出産等のお祝い事の場合
  • 病気や事故等のお見舞いの場合

○はがき出しても構わないもの

  • 身内や親しい間柄に出す場合
  • 招待状や案内状の場合
  • 年賀状や暑中見舞い等季節の挨拶の場合

手紙を書くときの構成要素

この項目では手紙を書く際の構成要素をご紹介します。

今回は一般的な構成要素として前文と主文、末文と後付を取り上げました。

①前文(頭語・時候のあいさつ)

まず前文では「頭語」や時候のあいさつから始めます。

「頭語」は「とうご」と読み、「手紙の切り出しで相手に対する敬意を表すもの」です。

例えば「拝啓」や「拝呈」、「啓上」や「謹啓」等がよく使われています。

なお「頭語」は「結語」をセットとして使うことが多いので、「③末文(結びのあいさつ・結語)」の項目でその組み合わせをピックアップしました。

また時候のあいさつは「頭語に続けて書く、季節や天候に応じた心情や季節感を現す言葉」です。

例えば1月では「三寒四温の候」、11月であれば「小春日和の好季」等があり、「拝啓 秋たけなわの頃」のように続けて書けば前文は完成です。

②主文

主文ではまず「さて」や「ところで」等の「起こし言葉」から始めます。

前文から話が変わるので、本題に入る前のクッションとしてそのような言葉を使うというわけです。

また文章の区切り目では「つきましては」や「なお」のような言葉を適宜用いるとより読みやすい文になるでしょう。

③末文(結びのあいさつ・結語)

主文が終わったら、末文にて結びのあいさつや「結語」で文をまとめます。

結びのあいさつは「末筆ながら、ご自愛の程お祈り申し上げます」や「一層のご活躍を祈念いたしております」のように、相手の健康や繁栄を祈るものを書くことが多いです。

また結びのあいさつの後には「頭語」に対応する「結語」を使います。

よく用いられる組み合わせとして、次のようなものが考えられるでしょう。

  • 「拝啓」と「敬具」
  • 「謹啓」と「謹言」
  • 「前略」と「草々」
  • 「一筆申し上げます」と「かしこ」(差出人が女性の場合のみ)

④後付(日付・署名・宛名など)

最後に後付として日付や署名、宛名といったものを書いたら手紙の完成です。

日付は改まった手紙の場合では年月日まで書きますが、慶事であれば「吉日」とすることもあります。

なお署名を連名にする際には立場が上の人が宛名に近くなるよう、下位の人から順番に書くのが良いとされていることに注意が必要です。

手紙の書くときに使える文例一覧

普段手紙を書く習慣のない人がいきなり書いてみるというのはハードルが高いかもしれません。

そこでこの項目では、手紙を書く際に使える文例を一覧にしました。

頭語と結語の文例

先述の通り「頭語」と「結語」は組み合わせて使うもので、そのシチュエーションによって使い分けられています。

以下は様々な場面別の組み合わせ例で、上段が「頭語」で下段が「結語」です。

○一般的な手紙の場合

  • 拝啓、拝呈、啓上、一筆申しげます(差出人が女性の場合のみ)
  • 敬具、敬白、拝具、かしこ(差出人が女性の場合のみ)

○お客様や目上の方へ送る場合

  • 謹啓、謹呈、恭敬、謹んで申し上げます(差出人が女性の場合のみ)
  • 謹言、謹白、敬白、かしこ(差出人が女性の場合のみ)

○親しい人宛てやお見舞い等、前文を省略する場合

  • 前略、冠省、前文お許しください
  • 草々、不一、かしこ(差出人が女性の場合のみ)

時候のあいさつの文例

時候のあいさつは月によって変わってくるので、月別にご紹介します。
下記リンク先の記事にても月ごとの時候の挨拶を紹介しているのでご覧ください。

時候の挨拶とはなにか?月ごとに使える時候の挨拶の文例を解説

○1月の時候の挨拶

  • 新春を寿ぎ、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
  • 寒い日が続きますが、ご家族そろって穏やかな新春をお過ごしのことと思います

○2月の時候の挨拶

  • 立春の候、貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます
  • 春の陽気が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか

○3月の時候の挨拶

  • 春寒次第に緩み、一雨毎に春の息吹が立ち込めてまいりました
  • 桜前線の待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしですか

○4月の時候の挨拶

  • 花冷えの時節でございますが、ご家族の皆様にはますますご健勝のことと存じます
  • 花便りも伝わる今日この頃、皆さんお変わりないでしょうか

○5月の時候の挨拶

  • 晩春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
  • 若葉萌える好季節となりましたが、皆様お変わりございませんか

○6月の時候の挨拶

  • 梅雨寒の折、貴社いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます
  • すがすがしい初夏の季節になりました。皆さんいかがお過ごしですか

○7月の時候の挨拶

  • 蝉の声に暑さを覚える今日此頃、ますますご活躍のこととお喜び申し上げます
  • 夏祭りのにぎわう頃、皆さんいかがお過ごしですか

○8月の時候の挨拶

  • 残暑の候、貴社ますますご隆盛のことと大慶に存じます
  • 堪え難い暑さが続きますが、皆さん賑やかにお過ごしのことと思います

○9月の時候の挨拶

  • 新秋快適の候、皆様にはますますご活躍のことと拝察しております
  • 秋風が心地よい時節となりましたが、ご家族の皆様はお元気でいらっしゃいますか

○10月の時候の挨拶

  • 天高く馬肥ゆる秋、皆様にはますますご壮健のことと拝察します
  • さわやかな秋晴れの続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか

○11月の時候の挨拶

  • 晩秋の候、皆様におかれましてはますますご清祥のことと心よりお喜び申し上げます
  • ゆく秋の寂しさ身にしみる頃、皆様いかがお過ごしでしょうか

○12月の時候の挨拶

  • 歳末ご多端の折、ますますご清祥でご活躍のことと存じます
  • 寒さもひとしお身にしみる頃、皆様いかがお過ごしでしょうか

結びのあいさつの文例

結びのあいさつもシチュエーションによって使い分ける必要があるので、それぞれのシーンで使えるものを取り上げました。

○用件を結ぶ場合

  • まずは書中にてご挨拶申し上げます
  • 以上、どうぞよろしくお願いいたします

○相手の繁栄を祈る場合

  • 末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます
  • 一層のご活躍を祈念いたしております

○返信を求める場合

  • ご返事お待ち申しあげております
  • お手数おかけしますが、ご回答いただければ幸いです

手紙を入れる宛名の書き方

手紙を入れる封筒等の宛名の書き方についても確認しておきましょう。

表側(宛名)の書き方

表側には宛先の郵便番号や住所、宛名を書くのが一般的です。

敬称は個人宛てでは「様」がよく使われますが、会社や部署に宛てて送る場合は「御中」を用います。

なお個人宛ての場合「殿」を使うケースが見られますが、近年では格下や同格の人に使うものとされているのであまり使用しない方が無難でしょう。

裏側の書き方

封筒の裏には日付や郵便番号、住所や差出人を書きます。

裏側の書き方は特に大きな決まりはありませんが、全体的に表側よりも少し小さめに書いた方が良いでしょう。

英語での手紙の書き方【例文】

英語での手紙の例文としては、下記のようなものが挙げられるでしょう。

「November 1 , 2019

Dear ○○
How have you been doing?
I have started working in hospital.When you come to Japan , please make sure to let me know.

Best wishes
△△」

 

○○に宛名、△△には差出人を書き、その前にはそれぞれ「Dear」や「Best wishes」等をつけます。

また日付は上記のように書く「アメリカ式」と、「1 November , 2019」のように書く「イギリス式」がありますが、どちらでも構いません。

まとめ 手紙の書き方についてのおさらい

  • 手紙は「忌み言葉」に気をつける、目上の人や正式な文書は手紙で出すといった基本的なルールがある。
  • 手紙は前文と主文、末文と後付で構成するのが一般的とされている。
  • 「頭語」や「結語」、時候や結びのあいさつは送る相手や時季等によって使い分けられている。
  • 手紙を入れる封筒は裏面より表側の方を大きめに書き、個人には「様」、会社や部署には「御中」を敬称としてつける。