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就職や転職などで企業を選ぶ際に、「儲かっている会社なのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか継続的に利益が出て、理想としては、定年まで存続するような会社が良いですよね。
企業の業績を見るのには、「営業利益」や「経常利益」、「純利益」などが決算報告などで汎用されますが、企業の基礎体力の基準として使われるのが「経常利益率」です。
この記事では「経常利益率」について解説していきます。
経常利益とは
企業の利益には、「営業利益」「経常利益」「純利益」があります。
営業利益は、「本業による利益」で、営業活動によって売り上げられた金額から人件費などの経費を差し引いたものです。
経常利益は、為替差損益や預金利息などの「本業を含めた継続的な活動によって得られる利益」のことです。貿易格差などの影響により、営業収益が黒字でも経常利益が赤字になることがあります。そういう意味で、経常利益は正しい利益の基準になります。
純利益は、経常利益から税金や不動産売却損益などの特別損益を差し引いたものです。実際に残っている利益と言えます。
経常利益率は会社の基礎体力を知れる
「経常利益率」は、経常利益÷売上高×100で求められます。
例えば、売上高1億円で経常利益が1000万円の会社は、10,000,000÷100,000,000×100=10で、経常利益率は10%になります。
一般的に経常利益の平均点は4%ぐらいで、優良企業と呼ばれる会社の経常利益率は10%前後と言われています。つまり、経常利益率が高ければ高い程、基礎体力の高い企業と言えるでしょう。
ただし、単純に経常利益率だけでは判断しがたい部分があります。それは業種によって、経常利益率のバラつきがあるからです。
業種別の経常利益率
経済産業省の報告書を見ると、平成27年の産業別売上高経常利益率は、「鉱業、採石業、砂利採取業」が、22.4%と最も高いです。次に「クレジットカード業、割賦金融業」12.1%、「生活関連サービス業、娯楽業」が10.2%、「情報通信業」の7.9%と続いています。
一方「小売業」は3.1%、「卸売業」は2.1%と低い数字になっています。つまり、単純に経常利益率だけを見ても意味がありません。自分が就職したい企業が、業界の平均的な経常利益率より良いのか悪いのかを比較することが大切なポイントです。
経常利益率だけを基準にするのは危険
経常利益率は、企業の基礎体力を見るのには良い基準ですが、場合によっては経常利益率だけで決めるのは危険な場合もあります。
例えば、経常利益率が10%のA社と経常利益率が2.85%のB社で比較してみましょう。
極端な比較ですが、経常利益率10%のA社は経常利益2.85%のB社より優れていると言えるでしょうか?
これを判断するためには、「損益分岐点」の考え方が必要です。損益分岐点は、固定費 × 売上高 / ( 売上高 – 変動費 )で求めることができます。
ここでは、変動費を0として計算すると、A社の損益分岐点は固定費の4,000万円になります。一方B社は固定費が100万円ですから、損益分岐点は100万円になります。
つまり、A社は利益が1,000万円落ちれば損益分岐点になり、これよりも少なくなれば赤字に転落してしまいます。B社は、利益が100万円まで下がらない限りば会社は維持できます。経常利益率も重要ですが、財務内容にも注意が必要です。
「売上高営業利益率」との違い
企業の利益には、「営業利益」「経常利益」「純利益」の3つがあるとご説明しましたが、経常利益率と同じように「売上高営業利益率」があります。これは、本業の営業力で稼いだ利益を%にしたもので、営業利益÷売上高×100で求められます。
売上高経常利益率が大きくても売上高営業利益率が小さい場合があります。これは、業種の特性にも関係します。人件費の占める割合が大きい飲食業やサービス業などは、比較的営業利益率は小さくなります。経常利益率が20%を超えているのに、営業利益率が1%前後という企業も少なくありません。
経常利益率のおさらい
就職を希望する企業がどのような経営状態なのかを知ることはとても重要なことです。そのためにも、経常利益率は大切な判断基準になります。
企業の利益は、「営業利益」「経常利益」「純利益」の3つがありますが、経常利益は「本業を含めた継続的な活動によって得られる利益」のことで企業全体がどれだけ儲かっているのかの判断材料になります。
この経常利益を売上高で割ったのが、経常利益率です。企業の基礎体力を見る基準になりますが、業種によっても数値の平均がことなるので、同じ業種内で比較することが大切なポイントです。
また、経常利益が良いからと言って安心はできません。売上高営業利益率や損益分岐点などを考慮して、その企業の安定性を見極めることも大切です。