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この記事では「才能」について解説しています。「才能」と聞くと「自分には才能がない」という虚しい思いが頭をよぎる、という人も多いかもしれません。一方で、「誰にでも才能はある。ただそれに気がついていないだけ」という言葉もあります。
そこで今回は「才能」の語源や使い方、英語表現、才能と素養の違いといった辞書的な意味と使い方に加えて、自分の才能を見つけるヒントとなるように、才能がある人の特徴についても考察していきます。
才能とは
「才能」とは、特定の個人がスポーツや芸術、学力などさまざまな分野で非凡な成果をあげることができる能力のこと。一般的には生まれつきの才知や能力をあらわしますが、普通の人が努力を重ねた結果、開花した能力も含まれる、という見解もあります。
才能の語源
才能という熟語は故事成語ではないため、由来や出典は不明です。そこで熟語を構成する漢字の字源に着目して解説しましょう。まず「才」の起源は象形文字で、神聖な場所を表示する「榜示」という立て札や、川の氾濫を防ぐ杭の形状を模したものです。
榜示や杭に使われる素材は耐久性が高く加工がしやすい良質の木材でなければなりません。そこから「才」は材質の意味を示す漢字となり、転じて人の資質を意味するようになったものと考えられます。
才能の「能」の字源も象形文字で、熊や泳ぎが得意な水生昆虫をあらわした文字とされています。一説には熊も水生昆虫も泳ぎが得意なことから、「ある動作ができる能力」をあらわす「能」という字が成立したと言われています。
以上のように「才能」は人の資質をあらわす「才」と、ある動作ができる能力をあらわす「能」という字を組み合わせて成立した熟語です。
才能の使い方
「才能」は「人の能力」という目に見えない概念をあらわす抽象名詞です。文法的な使い方としては「才能がある」「才能に恵まれる」「才能を発揮する」のように語尾に「が」「に」「を」などの格助詞をつけて、後に続く述語(用言)と結びつけるのが一般的です。
格助詞を用いない使い方としては、「天才の一面は明らかに醜聞を起し得る才能である。」(芥川竜之介「侏儒の言葉」より)のように、断定の助動詞「だ」もしくは「である」をともなう表現もあります。
才能がある人の特徴
才能がある人はふつうに振る舞っていても卓越した才知や能力が内からにじみ出るような特徴があるのは間違いありません。ここでは才能がある人に多く見られる特徴を具体的に3点紹介します。
人よりも飲み込みが早い
才能がある人は、自分が得意とする分野において優れた理解力と習得力を発揮します。スポーツでも勉強でも自分の適性にあったことに挑戦すると、一般的な人よりも短時間でマスターできるのが特徴です。
また才能のある人は単に飲み込みが早いだけでなく、ずば抜けて高い集中力を持ち、自分で納得できる結果が得られるまで没頭する傾向があるのも特徴です。ふつうの人が飽きたりあきらめたりした後も粘り強く続けて結果を出せることも才能のある人の特徴のひとつです。
才能がある人が短時間で優秀な成果や記録を出すことができるのも、集中力が高いため理解や習得が早ことが理由のひとつと言えるでしょう。
探究心や好奇心が強い
才能のある人は探究心や好奇心が旺盛な人が多い傾向があります。物事の本質を知りたいという気持ちが非常に強く、自分の関心事には寝食も忘れて没頭し、知識や技術を貪欲に吸収しようとする特徴があります。それが仕事や勉強の成績向上にもつながります。
一方で、自分の関心事ばかりに熱中しすぎて他のことが目に入らなくなったり、自分と同じ探究心や好奇心を他の人も持っているものと思い込んでしまい周囲に煙たがられてしまう、といった欠点を伴うことも事実です。
努力が苦にならない
元プロ野球選手のイチロー(本名・鈴木一朗)氏は、自身の才能について次のように語っています。
努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうだと思う。
人が僕のことを、努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。
イチロー選手のように並外れた成績を残したアスリートは、ふつうの人がどんなに努力しても到達できない「天才」だと思われがちですが、イチロー選手は、自分はそうではなく「できるようになるまで努力した結果」だと語っています。
しかしながら、できるようになるまで努力することは決して容易なことではありません。イチロー選手のように努力を苦にせず、できるようになるまで努力を続けられる人もまた「天才=才能がある人」と言えるでしょう。
才能と素養の違い
才能と同じような意味の言葉に「素養」があります。素養は、ふだんから修養を重ねて身につけた知識や教養のこと。またはふだんから修養にいそしむことを意味する言葉です。
才能が天性の素質や能力を意味するのに対し、素養は平素から学習や練習を積み重ねて身につけた技能や知識そのものを意味するという違いがあります。
また才能には生まれつきの能力というニュアンスがありますが、素養は後天的な修練によって身につけた知力や技能を言います。「才能」の意味に素養を含むかどうかは議論の分かれるところですが、現実には人間の能力のどこまでが才能でどこまでが素養かという分かれ目は明確ではありません。
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才能の英語表現
才能の英語表現としては「ability」「gifted」「good at~」「talent」などの表現がよく使われます。「ability」は先天的または後天的な努力によって得た能力のこと。才能の意味でも使われますが、基本的には特定のものごとがうまくできる能力をあらわします。
「gifted」の語源は贈り物の「ギフト」と同じ。「天賦の才」「神様に恵まれた才能の持ち主」を意味する言葉で、先天的な才能のニュアンスがあります。
「gifted」の使い方としては「a gifted violinist.(天賦の才に恵まれたバイオリニスト)」He’s a genius boy who is gifted in violin.(彼はバイオリンの才能に恵まれた天才少年です)などの言い回しが基本です。
「talent」は「才能」や「才能のある人」「人材」の意味でよく使われる英語です。「good at~」は「good at drawing.(絵の才能がある)」という形でよく使われます。「gifted」と違って、努力で磨かれた才能の意味でも使われます。
ちなみに「genius」は特に非凡な才能をあらわす言葉で、日本語では「天才」「鬼才」などと訳されます。「gifted」「talent」「good at~」などの表現よりも非凡なニュアンスが強い言葉と言えるでしょう。
まとめ
- 才能とは、特定の人がスポーツや芸術、学力などさまざまな分野で非凡な成果をあげることができる能力を言います。
- 才能という言葉の使い方は語尾に「が」「に」「を」などの格助詞をつけて用言と結びつけるのが一般的です。
- 才能がある人には、人よりも飲み込みが早い、探究心や好奇心が強い、努力が苦にならないといった特徴があります。
- 才能は天性の素質や能力を意味するのに対し、素養は平素から修練を積み重ねて身につけた技能や知識を意味します。
- 才能の英語表現は「ability」「gifted」「good at~」「talent」などがよく使われます。