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この記事では 「見受けられる」という言葉の意味や使い方を詳しく解説しています。「見受けられる」は「見受け」に助動詞の「られる」をつけた受身(受動態)の動詞。一般には分析レポートや研究論文などで憶測を示す場合によく使われます。
日常会話ではあまり使われませんが、ビジネスシーンでは資料説明や分析報告、プレゼンなどで良く用いられる言葉です。この機会に「見受けられる」の正しい意味と使い方をマスターして、より良いビジネスの展開にお役立てください。
「見受けられる」の意味と使い方
「見受けられる」は動詞の「見受ける」の未然形「見受け」に、助動詞「られる」を加えた言葉です。
「見受ける」は「 見かける」「見て取る」「見て判断する」などを意味する動詞。「られる」は動詞につけて受身や自発、可能などの意味を与える助動詞です。
「見受けられる」は「見受ける」の受動態として以下のような意味を表現します。
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- 「見る限り~のように判断できる」
「見受ける」に受身と可能の意味を加えた用法で、「(手に入るデータや状況を)見る限りでは、~のように判断できる」ということを意味します。
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- 「目に見える状況から裏に隠された~という本質を推測できる」
2番目は1番の意味によく似ていますが、「目で見た情報から判断される」「~のように感じられる」というように話し手の主観や憶測をからめて深く考察した推測になります。
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- 「目にとまる」「見かけられる」
3番目は単に「見える」と同じ意味になります。判断や憶測ではなく、「このようなものを見た」「このようなものがあった」「これが目についた」という事実を婉曲的に伝える用法です。
「見受けられる」と「見られる」の違い
「見受けられる」の能動態の「見受ける」は「見る」+「受ける」が語源。この場合「受ける」は「(目で見た情報を)受けて判断や推測をする」という意味です。「見受ける」は「見かけたこと」「目にとまったこと」に「判断や推測」が加わります。
一方、「見られる」の能動態の「見る」にも「観察して判断する」「評価する」という意味がありますが、ほかにも「視覚で認識する」「見物する」「調べる」「読んで知る」「経験する」など多彩な意味を持つ言葉です。
「見受けられる」と「見られる」の違いのも同様で「見られる」のほうが「見受けられる」よりも意味が多く、単に「見ることができる」という表現から、「見受けられる」とほぼ同義の「~と判断される」まで、さまざまな表現で用いられます。
また「~と判断される」という意味で「見受けられる」を用いる場合は、やや婉曲的なニュアンスになります。それに対して「見られる」のニュアンスはやや断定的です。
「見受けられる」と「見て取れる」の違い
「見て取れる」は「~と判定できる」「~と分かる」「~と読み解くことができる」などの意味をあらわします。「見受けられる」の同義語といえますが、ニュアンス的には「見受けられる」のほうが古風な印象を与える表現になります。
「見受けられる」のビジネス上での使い方
「見受けられる」という言葉をビジネスで使うケースとしては会議やプレゼンなどの調査報告や、資料にもとづいて報告書や論文を執筆する場合があげられます。いずれも調査結果をもとに自分自身の解釈や考察を加える際に用いる表現です。
本来、報告書や論文、プレゼン等の資料分析には客観性と正確性が求められます。そのため報告者自身の判断推理や考察を示す場合に「客観的な資料や事実にもとづいて推し量る」という意味で「見受けられる」という表現がよく使われます。
ほかには事実を遠回しに指摘する場合にも利用可能です。たとえば「Webマーケティング部門の売上は前年同時期の実績を下回っているように見受けられますが」などとネガティブな事実を婉曲的に指摘する目的で使うこともできます。
「見受けられる」の敬語表現と例文
「見受けられる」は単独でも受身形の敬語表現として通用しますが、より明確な敬語表現が必要な場合は、以下に示す用法によって「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」として使い分けることができます。
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- 「見受けられる」の尊敬語:「お見受けされる」
「お見受けされる」は「見受けられる」の尊敬語で、接頭語の「お」と「される」という語尾を加えた用法です。「見受けられる」は受身の敬語表現に似ているため二重敬語に見えますが、「見受けられる」の尊敬語は「お見受けされる」が正解です。
「お見受けされる」の例文
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- 「見受けられる」の謙譲語:「お見受けする」
謙譲語は自分がへりくだることで相手に対する敬意を示す用法です。「見受けられる」の謙譲語は「お見受けする」という能動態の表現になります。会話では謙譲の意思を明確にするために「お見受けいたします」というのが良いでしょう。
「お見受けする」の例文
- 「見受けられる」の丁寧語:「見受けられます」
「見受けられる」の丁寧語は「見受けられます」です。近年では「お」をつけて「お見受けられます」という言い方も多くなっていますが、受身の「られる」そのものが敬語と同じ形なので「お見受けられます」は二重敬語と考えた方が良いでしょう。
「見受けられます」の例文
「見受けられる」の類義語と例文
「見受けられる」と同様の意味を持つ類義語としては「うかがえる」「思われる」「拝察する」「見て取れる」「認められる」などをあげることができます。いずれもニュアンスが微妙に異なりますので、状況に合わせて選ぶのが良いでしょう。
ちなみに「拝察する」は「推察する」という言葉の謙譲語で、本来の意味は「特定の情報をもとに推測すること」ですが、一般的には相手の立場や状況を推察したり、気分や体調などを思いやる場合の敬語表現としてよく使われます。
「拝察する」の例文
「見受けられる」の英語表現
「見受けられる」を英語に直訳すると”be seen”になりますが、この表現では“I was seen by many people.(私は大勢の人に見られた)”のように「人に見られた」という意味に誤解される可能性があります。
「見受けられる」を「推察する」「解釈できる」などの意味で英語に翻訳したい場合は「infer」「figure」「speculate」などを使って以下のように表現するのが良いでしょう。
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- I speculate that~.
(私が推測するには)
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- Guessing from this research result ~.
(この調査結果から推測すると)
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- I can infer ~.
(~のように推測できる)
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- You can figure~.
(あなたにも~のような解釈ができる)
まとめ
- 「見受けられる」は「見受ける」の受動態で「見て取れる」「見る限り~のように判断できる」などを意味します。
- 「見受けられる」はビジネスの場で調査結果などに自身の考察を加える際に用いられます。
- 「見受けられる」の類義語には「うかがえる」「思われる」「拝察する」「見て取れる」「認められる」などがあります。
- 「見受けられる」を英語で表現するには「infer」「figure」「speculate」などの言葉を使うのがおすすめです。