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この記事では「オーバーシュート」の意味や使い方について解説いたします。
テレビやネットニュースなどでよく耳にする言葉ではありますが、その意味や使い方についてはあまり理解していないという人もいるかもしれません。
そこで今回は「オーバーシュート」の様々な場合における意味、類義語や対義語、英語表現なども交えてピックアップしました。
この記事を通して「オーバーシュート」への理解が深まれば幸いです。
「オーバーシュート」の意味と使い方
「オーバーシュート」はその場面によって意味が異なります。
そこでこの項目では、3つの場面における「オーバーシュート」の使い方を、それぞれ例文も含めて取り上げました。
株・FX用語における「オーバーシュート」
株・FX用語における「オーバーシュート」はマーケット全般で使われる用語で、相場の行き過ぎた変動のことです。
これは相場がチャートポイント(チャート上の要となる価格)を飛び越えるような形で、急激に行き過ぎた動きをすることを指し、マーケットにおいて度々見られます。
一般的に、相場は得てして「オーバーシュート」(行き過ぎ)するものです。
その行き過ぎた局面こそ、売りでも買いでも大きな収益チャンスとなることが多いので、必ずしも悪いものであるというわけではありません。
「オーバーシュート」の分かりやすい例が日本市場のバブルとその崩壊です。
バブル末期の株価上昇はあらゆる株価指標の常識を超えて、上がるから買う、買うから上がるの繰り返しでした。
理屈では説明のつかない株価にむりやり理屈をつけて「ストック経済の時代」などとはやし立てていたのです。
行き過ぎた相場と言うのは反動もまた大きいのは、バブル崩壊の株式市場を見れば明らかだといえます。
また株価に限らず、金利や為替相場などでも見られる異常な価格での取引も少なくありません。
これはある大きなポジションの仕組み債などの行使価格に近づくと、価格が一気に片方へ動いて行使価格をヒットするというものです。
ヘッジファンドなどが商いの薄い時間帯を狙って仕掛けてくるものと見られています。
感染症医療における「オーバーシュート」
感染症医療における「オーバーシュート」とは、「感染症の爆発的患者急増」のことです。
疫学においては、集団免疫を獲得するのに充分な感染を超過した感染のことをいいます。
日本では新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が2020年3月19日の提言で用いたことで広く使われるようになりました。
同専門家会議は2020年4月1日に「オーバーシュート」を、2-3日で累積患者数が倍増する程度の速度が継続する状態を指すと定義づけています。
国際的な類義語としては「アウトブレイク」があり、ある集団や地域、時期において通常の想定を超えた感染発生を指します。
制御機器における「オーバーシュート」
制御機器における「オーバーシュート」とは、「目標値に到達した後、現在値が目標値を超えて行き過ぎる状態」です。
例えば温度制御は目標値を入力し目標値に対して動作をさせますが、制御対象の特性によりすぐに安定させる事はできません。
一般的に早く目標値に到達させる制御をしようとすると、現在温度が目標値を行き過ぎる「オーバーシュート」や温度が上下に動くハンチングが発生します。
そうなるとハンチングをなくそうとする為に遅く目標値に達する方法を選択せざるを得ません。
装置などの用途により、「オーバーシュート」が発生しても早く目標値に達して安定した制御を求める場合や安定するまでの時間がかかっても「オーバーシュート」を抑制して目標値に達し安定した制御を求める場合があります。
「オーバーシュート」の類義語と例文
「オーバーシュート」の類義語は、「アウトブレイク」や「パンデミック」などが考えられます。
またそれらを使った例文としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
「アウトブレイク」とは「悪疫や感染症の突発的発生」のことです。
特に病院などの医療機関において多数の感染者が発生することを指します。
この例では、どのような医療機関でも多数の感染者が発生することに対しては気をつけているだろうということです。
「パンデミック」は「伝染病の世界的大流行」を表す言葉です。
人類の歴史を通じて、これまでに天然痘や結核などの病気の「パンデミック」が数多く発生しています。
今回の例では、政府は現在起こっている「パンデミック」を収束させることに対して苦慮しているということでしょう。
「オーバーシュート」の対義語と例文
先述のように「オーバーシュート」は様々な場面で使われていますが、「オーバーシュート」という語そのものは特殊な用語というわけではありません。
「通常の範囲を飛び出る」という意味合いで、広範な文脈で使われています。
その点を踏まえ、「オーバーシュート」の対義語は「アンダーシュート」が適切だといえるかもしれません。
「アンダーシュート」は「目標に届かないこと」という意味です。
「オーバー」の対義語が「アンダー」であることからも、「アンダーシュート」は「オーバーシュート」の反対の意味を持つと考えることができるでしょう。
また「アンダーシュート」を用いた例文としては、以下のようなものがあります。
上述の通り、「アンダーシュート」とは「目標に届かないこと」を意味します。
今回の例では、目標に届かないまま終わらせることはできないということです。
なお「アンダーシュート」は「映像波形の歪みの一種で、矩形波の立ち下がり部分が負方向の平坦部を越えてパルス波形を生じ突き出る現象」という意味で使われることもあります。
この際に合わせて覚えておいても良いかもしれません。
「オーバーシュート」の英語表現
「オーバーシュート」の英語表現は、「overshoot」が適当でしょう。
元々「オーバーシュート」は「overshoot」という英単語をカタカナ語にしたものだからです。
「overshoot」は「通り越す」や「行き過ぎる」といった意味があります。
また「overshoot」を使った例文としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
「overshot」は「overshoot」を過去形にしたものです。
この例では、「通り過ぎた」なので「overshot」と過去形になっています。
まとめ この記事のおさらい
- 株・FX用語における「オーバーシュート」はマーケット全般で使われる用語で、相場の行き過ぎた変動のこと
- 感染症医療における「オーバーシュート」は「感染症の爆発的患者急増」のこと
- 制御機器における「オーバーシュート」は「目標値に到達した後、現在値が目標値を超えて行き過ぎる状態」
- 「オーバーシュート」の類義語は「アウトブレイク」や「パンデミック」などが挙げられる
- 「オーバーシュート」の対義語は「アンダーシュート」が適切
- 「オーバーシュート」の英語表現は、「オーバーシュート」の語源にもなっている英単語である「overshoot」が適当