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この記事では英語の「catch up」について解説いたします。
「catch up」は英語圏のネイティブが日常的に使うフレーズのひとつ。日本でも「キャッチアップ」というカタカナ英語がビジネスシーンを中心によく使われますが、本来とは違う意味をあらわすケースも少なくありません。
そこで今回は「catch up」が持つ英語本来の意味を例文付きでくわしく解説いたします。カタカナ英語の「キャッチアップ」と英語の原義との違いを知れば、国際的なビジネスシーンで誤解を招く事態を避けることができます。
その意味でビジネス英語を勉強中の方には必見の記事です。どうぞ最後までお読みください。
「catch up」の3つの意味と使い方
「catch up」は中学英語に含まれる必修熟語です。「catch up with/to~」は「~に追いつく」と単語帳に書いて覚えた方も多いのではないでしょうか。でも「catch up」の意味は決してそれだけではありません。
英語の「catch up」の意味は大きく分けて3つあります。ここではそれぞれの意味を例文つきでくわしく解説していきます。
「catch up」の意味①:追いつく
「catch up」の意味の1つめは「~に追いつく」。
この意味で用いる場合は前置詞の「to」か「with」を伴った「catch up to」「catch up with」というフレーズがよく使われます。
「catch up to」と「catch up with」の意味は基本的に同じです。ただし「catch up with~」の「~」が人をあらわす場合は「その人に追いつく」のほかに「その人と久しぶりに会う」という意味もあるので翻訳には注意が必要です。
「caught up with」を使った例文
(私が乗ったタクシーは渋谷スクランブル交差点の手前で彼のタクシーに追いついた。)
*この場合の「with」は「to」に置き換えることができます。
(飲んで旧交を温めよう。)
*この場合の「with」は「to」に置き換えできませんが、「on」に置き換えることは可能。
「catch up on」については次項で解説します。
「catch up」を「~に追いつく」という意味で使う場合、日常会話では前置詞の「to」や「with」を省略する用法もあります。
たとえば「I’ll catch up with you soon.(すぐ君に追いつくよ)」は「I’ll catch you up soon.」ということも可能です。
「catch up」の意味②:遅れを取り戻す
「catch up」には「仕事や勉強などの遅れを取り戻す」という意味もあります。これは「追いつく」という意味の発展型で、「都合でできなかったことをやる」「スケジュールの遅れを取り戻して追いつく」というニュアンスです。
この場合は、前置詞の「on」を添えた「catch up on~」というフレーズがよく使われます。ただし「catch up on~」には意味①で紹介した「catch up with」と同じ「相手の近況を確かめる」という意味もあります。
これも「遅れを取り戻す」という意味の発展型で、「さまざまな理由で連絡を怠っていた相手と会って様子を確かめる」という意味合いで用いる言葉です。
「catch up on」を使った例文
How can I catch up on it by tomorrow?
(明日学校に提出する宿題があるのに、ぜんぜんやってない。どうすれば明日までにできるだろう?)
「catch up」は「キャッチアップ」というカタカナ英語としてビジネスシーンを中心に日本の社会にも定着しています。
たとえば「最新の情報やトレンドについて知る」「先端技術を導入する」「未読の資料をチェックする」などの意味で用いられています。
さらに「転勤や転職によって直面する未知の環境や未経験の仕事になじむこと」「新しい職場や環境、業務に関するナレッジや技術を習得すること」といった意味でもよく使われる言葉です。
これは「catch up」が持つ「先行する者に追いつく」「出遅れを挽回する」という本来のニュアンスを離れて、「前向きな努力を怠らない」「最新情報を得て成功を収める」といった日本人好みの精神論を強調した用法といえます。
そのため日本語化した「キャッチアップ」と同じ意味のつもりで、外国人のビジネスパーソンに「catch up」というと誤解を生じる可能性があります。
たとえば「現代を生き抜くには、常に最新の情報を追い求める必要がある」というつもりで、次のように言ったとしましょう。
しかしながらこの表現では「我々は常に最新情報を獲得しなけばならない。なぜなら我々は情報戦争にずっと後れをとっているからだ」というニュアンスになり、自分たちの情報収集能力の低さを暗に認める言い方になってしまいます。
それを避けるには「catch up」を使わず、以下のような表現にするとよいでしょう。
(我々は常に最新の情報を追い続けなければならない。)
「catch up」の意味③:近況を話す
「catch up」の3番目の意味は「近況を話す」。
久しぶりに会った友人・知人と積もる話に花を咲かせたり、旧交を温め合うことをあらわします。
この用法も「最新情報に追いつくこと」の発展型で、「しばらく会わなかった相手と近況を伝え合い、情報をアップデートする」というニュアンスになります。
「catch up」と「see you」の違い
英語で日常的に使われる別れのあいさつでは「see you」がよく知られていますが、「catch up」も別れのあいさつで使うことができます。
たとえば「Let’s catch up!」というと「さよなら。また会いましょうね」という意味です。
では「catch up」と「see you」ではニュアンスの違いはあるのでしょうか。
まず「see you」は「see you」または「see you later」で「また今度」。「see you tomorrow」は「また明日」という意味で、親しい人と別れるときに使います。
一方、「Let’s catch up!」は「今度また会って(酒でも飲みながら)話そうよ」の意味。「次に会うときはもっと話したい」というニュアンスでお茶や酒の誘いを言外に含むフレーズです。
ほかに「catch」を使った別れのあいさつでは「up」を省略した「I’ll catch you later.」や「I’ll」まで省略した「Catch you later!」がよく使われます。
これは「I’ll see you soon」と同じ軽い別れのあいさつで、「I’ll catch you later.」とのニュアンスの違いはありません。