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この記事では「セクハラ」の定義や対処方法について解説いたします。
今やすっかり世間に浸透した言葉である「セクハラ」ですが、具体的な定義や対処方法については曖昧だという人もいるかもしれません。
しかしそれらを曖昧なままにしていては、万が一自分が加害者や被害者になった場合に困ることになるでしょう。
そこで今回は、「セクハラ」になる行為の例等も交えて取り上げています。
トラブルを未然に防ぐ為にも、「セクハラ」の定義や対処方法について一つずつ確認していきましょう。
セクハラとは|ことばの意味
「セクハラ」は「セクシュアル・ハラスメント」の略語で、「性的嫌がらせ」のことです。
「セクハラ」の語源は英語の「sexual harassment」で、日本語に訳すと先述の意味になります。
昨今では「ハラスメント」(嫌がらせ)の部分を切り取って「パワハラ」(パワー・ハラスメント)や「モラハラ」(モラル・ハラスメント)、「スメハラ」(スメル・ハラスメント)といった表現が用いられることが多いです。
個々の意味については今回は割愛しますが、それらの表現が次々に生まれるのは世の中にそれだけ多くの「ハラスメント」が蔓延していることの証左なのかもしれません。
セクハラの定義
それでは、「セクハラ」の定義はどのようなものかを確認してみましょう。
「セクハラ」は職場内での労働者の「意に反する性的言動」が対象です。
被害者が不快に思うような性的言動があり、それを拒否した際に解雇や減給等の不利益が生じたり、職場環境が悪化することが「セクハラ」だといえます。
また「男性から女性」だけではなく「女性から男性」や「同性同士」であっても「セクハラ」になることも知っておきたいポイントです。
体に直接触れるだけでなく、言葉によるセクハラもある
「セクハラ」は体に直接触れるといった行為だけでなく、相手を不快にさせる性的な言葉の場合もあります。
体には触れていないから良いだろうという考えは早計で、相手を侮辱するような発言も立派な「セクハラ」です。
ほんの冗談であったとしても、相手の気持ちを考えず軽率に性的な発言をしてはいけません。
セクハラの判断基準は「被害を受けた人の気持ち」が最重要
特に重要なのは、「セクハラ」の判断基準は「被害を受けた人の気持ち」が起点になるということです。
つまり加害者が「嫌がらせをするつもりはなかった」と本気で思っていたとしても、被害者が「セクハラ」だと感じればそれは「セクハラ」になります。
だからこそ、人によっては「セクハラ」だと思われかねない言動は極力慎んだ方が良いといえるでしょう。
セクハラは2種類に分類できる
「セクハラ」は大きく2種類に分類することができます。それは「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」です。
この分類は被害者が受ける被害についてスポットを当てたもので、どちらも看過できない程重要な問題だといえます。
それではそれぞれの定義と事例を見てみましょう。
「対価型セクハラ」の定義と事例
「対価型セクハラ」とは「被害者が不快になるような性的言動を拒否した場合に解雇や減給、労働契約更新の拒否や客観的にみて不当な配置転換等の不利益を受けること」です。
事例としては、次のようなものが挙げられます。
・事業主が労働者に性的な関係を要求したが拒否した為、その労働者を解雇した。
・上司が部下の胸や腰を触ったが抵抗された為、昇進や昇格の対象から除外した。
被害者は立場が弱いことが多く、泣き寝入りしたり退職を選択せざるを得なかったりするケースも見受けられます。
「環境型セクハラ」の定義と事例
「環境型セクハラ」は「労働者の意に反する性的言動が原因で就業環境が不快なものになり、心身に影響を及ぼす等就業が困難になること」を意味します。
また事例としては、以下のようなものが考えられます。
・上司が職場でヌードポスターを掲示した為、部下が苦痛に感じて業務に専念できなくなる。
・事業主が労働者の体を触った為、労働者はショックを受け精神を患ってしまった。
身体的もしくは精神的に苦痛を受け、十分な能力を発揮できなくなるというのが特徴です。
セクハラの可能性がある行為の例
「セクハラ」になるかどうかの判断基準は被害者の気持ち次第であることは先述の通りですが、どのような行為が「セクハラ」の可能性になるのか加害者は自覚しにくいかもしれません。
では実際にどのような行為が考えられるのか、確認してみましょう。
肩や髪を触る
まずは肩や髪、胸や腰等、体を触る行為が考えられます。
全く悪気がなかったとしても不快感を与えてしまう恐れがあるので、むやみに体を触るのは避けた方が良いでしょう。
特に異性の場合や上司から部下への場合は尚更注意が必要です。
身体的特徴に関する発言
身体的な特徴に関する発言をすることも「セクハラ」になる可能性が高いです。
例えば「胸が大きい」や「男の癖に背が低い」、「安産型の体型をしている」等は確実に「セクハラ」になるでしょう。
また身体的特徴以外でも恋人の有無を尋ねたり、子作りについて言及したりするのも「セクハラ」です。
良かれと思っての発言であっても、「セクハラ」だと思われかねないような内容は避けた方が良いでしょう。
二人きりで食事に誘う
二人きりで食事に誘うことも「セクハラ」だと思われる可能性があります。
特にお酒が入ると理性が薄くなり性的な言動が見られる場合もある為、余計に危険だといえるでしょう。
例えば部下の頑張りを労いたい等であれば、複数人で食事会を開く等が良いかもしれません。
しつこく連絡をとる
しつこく連絡をとる行為も「セクハラ」になる可能性があります。
業務的な内容であれば基本的に問題ないですが、プライベートな内容の連絡をしたり何度も食事に誘ったりするのは「セクハラ」と言われてもおかしくありません。
単に相手を気にかけているだけのつもりであっても、逆に恐怖感を抱かせてしまう場合もあります。
特にメール等記録として残るやり方で連絡をとった場合、物的証拠として言い逃れができないです。
電話であっても着信履歴が何十件も続いていれば客観的に見ても擁護のしようがない為、しつこく連絡はしない方が良いでしょう。
休暇中の予定を具体的に聞く
休暇中の予定を具体的に聞くことも、「セクハラ」だと思われてしまう恐れがあります。
休暇は仕事とは関係なくプライベートな時間であり、どのように過ごそうと本人の自由です。
それをあまり根掘り葉掘り質問すると、「何でプライベートまで干渉されるんだろう」と不快感を与えてしまうかもしれません。
また「もし予定が空いていることを伝えると、何かしらに誘われるかもしれない」と警戒させてしまう場合もあります。
例えばシフトの変更を打診したいなら「○日にシフトの変更をお願いしたいんですが、可能ですか」のように、予定の有無を聞くのではなくシフト変更の可否を確認するのが良いでしょう。
社員の目のつくところに性的な写真を置く
社員の目のつくところに性的な写真を置くのも「セクハラ」になる可能性が高いでしょう。
写真だけではなく、ポスターや写真集等も同様です。
会社のパソコンやタブレットで、他の社員から見えるのに性的な画像や動画を閲覧するのも確実に「セクハラ」になります。
そもそも「セクハラ」以前に、仕事に直接関係ないものを持ち込んだり閲覧したりするのは避けた方が良いでしょう。
セクハラを受けたときの対処方法
実際に「セクハラ」を受けた場合、どのような対処方法が考えられるのかを知っておくと良いかもしれません。
なぜなら万が一そのようなことがあった際に対処方法を知らないと、泣き寝入りしてしまうことになるかもしれないからです。
それでは具体的な方法について、一つずつ確認していきましょう。
①迷惑に感じていることを本人に伝える
加害者は悪気なくやっているだけかもしれないので、迷惑に感じていることを本人に伝えるのが一つの手です。
最も即効性があり話を大きくしたくない人には最も向いている対処方法だといえるでしょう。
②信頼できる上司や、担当部署に相談する
直接加害者に言いにくかったり言っても改善が見られない場合は、信頼できる上司や担当署員に相談すると良いかもしれません。
第三者が介在することで加害者も強気に出にくくなり、今後の「セクハラ」を控えるという効果が期待できます。
③法務省や労働局など、外部機関に相談する
上司や担当署員に相談しても取り合ってもらえない等した場合、法務省や労働局といった外部機関に相談するという選択肢もあります。
専用の窓口が設けられている場合が多いので、まずはその窓口に相談してみると良いかもしれません。
セクハラをされた証拠も残しておく
加害者に「やっていない」と言い逃れされないよう、「セクハラ」をされた証拠も残しておくと自身の証言の信憑性が増します。
メールや着信履歴の他、ボイスレコーダーでの音声を残すといった手段が考えられるでしょう。
まとめ この記事のおさらい
- 「セクハラ」は「セクシュアル・ハラスメント」の略語で、「性的嫌がらせ」を意味する。
- 「男性から女性」だけではなく「女性から男性」や「同性同士」であっても「セクハラ」になる。
- 体に直接触れるといった行為だけでなく、相手を不快にさせる性的な発言も「セクハラ」になる。
- 「セクハラ」の判断基準は「被害を受けた人の気持ち」が最重要で、加害者の意図に関係なく被害者が「セクハラ」だと感じればそれは「セクハラ」になる。
- 「セクハラ」は大きく分けて「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」に分類できる。
- 「セクハラ」になる可能性がある行為としては体に触る、身体的特徴に関する発言をするといったことが考えられる。
- 「セクハラ」を受けた際の対処方法としては、迷惑に感じていることを本人に伝えたり、上司や外部機関に相談するといったことが挙げられる。