壟断とは|意味・読み方・使い方、類語・英語表現と例文付きで解説

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この記事では「壟断」の読み方や意味、その語源や対義語、英語表現について詳しく解説します。

壟断という言葉は日常生活では耳にする機会は少ないのではないでしょうか。
またことば自体は知っていても、読み方や詳しい意味については知らないという人もいることでしょう。

では「壟断」ということばはどのような場面で、どのように使用される言葉なのか、例文も併せて紹介していきますので、参考にしてみてください。

壟断の読み方と意味

壟断は「ろうだん」と読みます。

  • 高い丘の切り立っているところ
  • 利益や権利を独り占めすること

というふたつの意味があります。

ここで解説するのは、2番目の「利益や権利の独り占め」という意味についての壟断となります。

壟断ということばはあまり聞き慣れませんが、中国の故事を由来とする単語で、故事成語と呼ばれます。
故事成語というのは、昔中国で起こった出来事から生まれた教訓のことです。

例えば故事成語には「王道」「矛盾」「杞憂」といった言葉があります。

王道は武力ではなく徳で統治すること、矛盾は前後のつじつまが合わないこと、杞憂は取り越し苦労という意味で使われています。
現在も広く使われていて馴染みのあることばが多いですね。

ではそんな故事成語である「壟断」の使い方や語源を詳しく紹介していきます。

壟断の使い方

壟断は名詞です。

そのため「する」を付けて動詞化して使われることが多い単語になります。
「壟断する」「壟断している」「壟断した」のように使われています。

「司法壟断」のように他の名詞と組み合わせて使われることもあります。
ある国において大統領が最高裁判所長に不適切な要求をした疑いがあるという事件で使われたことばです。

司法とは国家の統治作用のうち法を適用して争訟を解決する作用のことですから、司法壟断とは「裁判に対して利益や権利の独り占めを行なおうとした」という意味になるのでしょうか。

壟断の語源

「壟」は小高い丘のことで、「断」は切り立った崖のこと。
壟断ということばの由来は中国の「孟子(もうし)」の公孫丑下という故事になります。

孟子とは戦国時代の思想家である孟子の言動や思想を弟子たちがまとめた書のことです。

古之爲市也,以其所有易其所無者,有司者治之耳。有賤丈夫焉,必求龍斷而登之,以左右望而罔市利。

有司者とは市場を取り締まる役人のこと、賤丈夫は品性の男っている男、龍断が小高い丘の切り立っているところ、つまり「壟断」のことです。

而罔市利は市場の利益をすっかり独占することを指します。
つまりこの故事は以下のように解釈されます。

古代中国の市場では、露天で自分の持っているものと持っていないものを互いに交換する物々交換を行なっていました。
役人の仕事は市場の管理だけです。

ところが利に聡い欲深い男が市場を見渡せる小高い丘(壟断)を探して登り、どこからでも見える場所で商売を始めました。
誰も商売気のないところで、地の利を独り占めして商売を始めたので面白い程儲かったとのことです。

その男はいつも壟断を自分のものにして市場の利益を一人でさらってしまいました。
人々はみな、この男をいやしい男と軽蔑したそうです。

そのため役人は男から税を取り立てることにしました。
商人に税をかけるということはここから始まったのです。

壟断を占めて商売をする男、その故事から壟断=利益や権利を独り占めすることとなりました。
中国では独占禁止法のことを「反壟断法」と言います。

壟断の例文

壟断は、例えば以下のように使われます。

  • 一部の人たちが権力を壟断することがある。
  • 彼らは輸入貿易を押さえることにより利益を壟断した。
  • 権力が衰え、側近が政治を壟断する状況となっている。
  • 人をあざむいて利益を壟断している地主。
  • 大資本家が小資本家を吸収して利益を壟断すると云って(魯庵・社会百面相)。
  • 手段を運(めぐら)して此の利を壟断せんものをと(南翠・緑簑談)。
  • 司法壟断した結果、裁判官だった二人に逮捕状が出てしまった。

壟断の類義語

壟断には、利益や権利の独り占めという意味がありますが、同じような意味の類義語があります。
「独占」「丸取り」「専売」「独り占め」などが類義語に当たります。

それぞれ意味は下記となっています。

独占:ひとりじめすること。経済で特定の資本が生産と市場を支配している状態。
丸取り:残さずすっかり取ること。
専売:他には売らせず、一手に販売すること。国が特定の物品の販売を独占すること。
独り占め:他を押しのけて、自分たちだけでそのものを占有すること。自分一人だけのものにすること。

類義語の例文

それぞれの類義語について例文を紹介します。

独占の例文

  • 会社が合同してA社へ独占になったような形になり、競争がなくなってしまった。
  • 近代資本主義は、自由競争から独占への傾向をたどってきた。
  • その特許を独占して商業的に巨万の富を得た。

丸取りの例文

  • みんなで設立した会社なのに、Bがもうけを丸取りした。
  • 勝者が利益丸取りの図式が他産業にも広がっていく。

専売の例文

  • 一手に輸入して専売する。
  • 煙草が専売でなかった代わりに、何の商売もあまり競争者がいない時代だった。
  • 会社に見学に行ったときに専売の電信印刷機を見せてもらった。

独り占めの例文

  • 長男が財産を独り占めしたため、他の家族は貧困に苦しむことになった。
  • このすばらしい夜景を私が独り占めしたい。
  • 全ての富をあの人が独り占めしているようなものだ。

壟断の英語表現

壟断の英語表現には「monopoly」があります。
意味は独占権、専売権、独占、専有、独占品、独占会社といった感じなので「壟断」とほぼ同様と言えるでしょう。

【例文】

have or exploit a monopoly of
(独占を有するまたは利用する)

動詞である「壟断する」という意味の単語は「monopolize」「monopolise」となり、独占する、独り占めするといった意味でも使われます。

【例文】

to monopolize the profit
(利益を壟断する)
But in reality, his aide Tadaakira MIZUNO, who assumed “roju,” monopolized bakufu politics, so graft became rampant more than any other time, let alone in the Tanuma period.
(ただし実際には、側近である老中水野忠成が幕政を壟断して田沼時代を上回る空前の賄賂政治が横行した。)

まとめ この記事のおさらい

  • 壟断は「ろうだん」と読みます。
  • 壟断には「高い丘が切り立っているところ」「利益や権利を独り占めすること」というふたつの意味があります。
  • 壟断は故事成語のひとつで、故事成語とは昔中国で起こった出来事から生まれた教訓のことです。
  • 壟断は名詞であり、「壟断する」「壟断している」のように使用します。
  • 壟断ということばは中国の孟子の故事が由来で、物々交換の時代に小高い丘(壟断)から市場を見下ろして地の利を独り占めした商売をして、利益や権利を独占したことに由来します。
  • 壟断の類義語には「独占」「丸取り」「専売」「独り占め」などがあります。
  • 壟断の英語表現には「monopoly」、動詞にすると「monopolize」「monopolise」があります。