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心配性というフレーズには、マイナスなイメージがつきまといます。しかし、ビジネスなどの領域において心配性になることは悪いことではありません。
ここでは、心配性の意味や弱虫との違い、心配症な人の特徴などを解説します。
心配性の意味とは
心配性とは、小さなことでも気にしてしまう、心配してしまうといった性格の人のことを指します
。多くの場合、気にしすぎ、気が小さいといった意味合いで、ネガティブなニュアンスを含めて使われる言葉ですが、何かの心配をするのは決して悪いことではなく、「悪い人ではない」という含みを持たせて用いられることも少なくありません。
心配性の語源
心配性の語源は、江戸時代にさかのぼります。元々広く、人の心の温かさや気遣いを示す言葉として使われてきた「心配り」を、音読風にして「心配」と言うようになったのが言葉が普及したきっかけで、和製英語ならぬ和製漢語というポジションの単語と言えるでしょう。
そのため、単にオドオド、ビクビクするというのではなく、自分や相手のことを考えるというスタンスを強く持っているのが特徴であり、「弱虫」や「腰抜け」といった侮辱とも取れるような言葉とは明らかにニュアンスが異なります。
単に自身の心配をして怯えるのではなく、周りにもきちんと目を向けているからなのかも知れません。だからこそ心配性という、人の性格をしめした評は、他の言葉よりも気軽に会話の中で用いられ、しかも嫌われることが少ないという特徴を持ってもいます。
心配性の英語表現
英語での心配性の表現は、シンプルに「worrier」と表記することができます。また、人や物事のことを心配する気質だと明示したい場合は、「person given to worrying」という言い回しが使われることもあります。いすれにしても、「心理」に重きを置いた表現だと見ることができるでしょう。
また、「気がかり」という側面を前面に出したい場合は、「anxious mind」という表記を用いることがあり、単にビクビクしているというよりも、さらに温かみのある繊細さを表現することができます。
心配性の類義語
心配性の、ビクビクして人としての強さがないという部分を示す類語には、気弱、軟弱、意気地なしといった言葉を用いることができます。また、もっと強い表現として弱虫や腰抜けといった言葉が用いられることもあります。
いずれにしても良いニュアンスではなく、正直に言うならば心配性よりもずっと当たりがきつい言葉だとも評価することができます。ただ、弱虫のような評価と心配性とでは明確な違いがあります。
心配性と弱虫の違い
心配性は、とにかく細かいことに関して心配することが多いです。自分のことに限らず、家族や友人、そして同僚のことに関しても、常に色々と想像力を働かせ、最悪の事態を想定して動くことも珍しくありません。
それに対して弱虫な人は、基本的に他人の面倒事を心配したり、他人のピンチに手を貸すということはありません。自分にふりかかってくるトラブルを回避したい、あるいは何とか安全に過ごしたいということで精一杯になってしまっており、他の人がどうであっても気を配るだけの余裕が持てないのです。
だからこそ、弱虫が時に完全な悪口として解釈されるのとは違い、心配性という他人に向けた評価は、悪口ではなく愛のある軽口として解釈され、故に気がねなく使われているという現状もあります。少々過剰であったとしても、本心から心配されて、嫌悪感を抱くという人はほとんど想定できず、だからこそ心配性の人の評価は弱虫よりもずっと高くなっていると言えるわけです。
気性の強さといった部分ではほとんど差がありませんが、心配症な人は弱虫な人よりもずっと真摯かつ丁寧に、相手のことについて考えを巡らせているのが特徴で、その優しさが周囲への言動や、周囲からの評価を大きく分けているとも言えます。
だからこそ単なる弱虫の人は、周囲もしばしば遠ざけてしまいますが、心配性の人に関しては、様々な性格や立場の人から、温かい声援や支援を送られることにもつながっていきます。
心配症な人の特徴1:関心が外に向いている
心配症な人は、常に組織プレーが求められる会社などの組織の中でも、常にその関心を外に向けているという特徴があります。仕事に関することはもちろんのこと、後輩や部下がヘマをしないかとか、上司の顔色が悪かったが何かあったのかとか、とにかく様々なことを考えに考えながら日々を過ごしています。
そのリアクションのハードさは、時に周りを疲れさせてしまうこともありますが、基本的には悪意がまったくないのでイヤミではなく、また、心配しているために人を厳しく注意したり叱りつけたりしても、その中身には確かに愛が込められていますから、相手に対して不当にトゲトゲしい対応になったりすることはありません。
また、相手のちょっとしたニュアンスの変化から真意を見抜いたり、同僚の身だしなみにまで気をつかってくれたりと、視野が広い上に繊細なところもあるため、知らず知らずのうちに所属している組織の評判を上げる働きをしていることもあります。
心配性の特徴2:人に対して優しい
心配性の人は、自分のことをかなり気にしますが、その一方で他人にも常に気を遣ってくれます。本人からすれば特におべっかを使ったりとかゴマをすっているような意識はまったくなく、ただ純粋にどうしても気になるので言ってしまうという形です。それだけに言われた方も素直に聞き入れようかという気になり、大人の社会の中で遠慮なく指摘したとしても、場の空気が悪くなることが少ないのも特徴と言えるでしょう。
しかし、心配症な人の気がかりのレベルと他の人の気がかりのレベルでは、かなりギャップがありますので、何度も言われているとそのうち、相手も嫌がってしまうかも知れません。ただ、一般のうるさ型タイプと違って、自分の思う理想を押し付けたい気持ちは薄いので、時間が経ってから相手に素直に受け入れられたり、逆に感謝されたりもしまう。もちろん心配性な人は、悪い感情など何もなく口にしているに過ぎませんから、両者の関係はどんどん良くなっていきます。
心配性の特徴3:常識的な考えを持つ
何かにつけて人のことを心配する心配性タイプの人ですが、言いがかりをつけようとする意図はまったくありません。
故に自分なりの根拠に基づいて指摘をしていくことになりますが、心配性の人は、自分の考えもまた、色々と気にかけてしまいます。そのため、特に人に対して指摘したり、ケアをする基準は、世間一般で言われるところの常識的、良識的な判断が中心となっていきます。
そのため、指摘自体は正論で従っていて間違いのないものばかりですが、だからこそ「そんな話は知っている、聞き飽きた」と拒絶されてしまったり、世間の常識とは真逆の価値観を持つ人とはまったく意見が噛み合わないといった事態にもなってきます。
とは言え、相手に対して何か悪意があって指摘を繰り返しているわけではないので、表面的には反発があっても、深いところでは通じ合い、どんなタイプの人とも仕事上においての信頼関係を築くことができるとも言えるでしょう。
心配性の特徴4:時間やマナーにうるさい
心配症な人は、何かにつけて「心配の種」とも言うべき材料を探してきてしまうものですが、特に時間関係にはうるさいところがあります。仕事の場に限らず、プライベートな集まりや遊びの席でも、少々の遅刻を咎めてくることも珍しくありません。
また、ルールとは言えないようなマナーに関しても厳しいところがあり、仕事中気を抜ける唯一の場である食事の席でも、部下のちょっとした動きに指摘してしまったりということもあります。
しかしこうしたことは、もちろん悪意から来るものでもありませんし、もっと言えば怒りから来るというわけでもありません。単純に、大事な常識であるマナーや時間を守らない同僚や友人のことが気がかりで仕方がないという真心から来る態度です。
だからこそ、必要以上にイヤミな部分はまったくありませんが、一方でマナーや時間に関する事柄をどれだけ大事にするかは各人の基準によりますので、相手としては、親身を理解してもぶつかり合ってしまうことにもつながります。
心配症な人の特徴5:周りとの調整役もできる
心配性な人は、実に様々なことに気を遣い、考えていくタイプとも言えますが、それは短期的なトラブルだけではなく、もっと大きな人間関係についても同様です。職場などで、場の空気が悪くなったと察するや、すぐに話題を変えてくれたりと様々に気を遣い、少しでも関係が良くなるようにつとめます。
とは言え、さり気なく人との距離を詰められるタイプでもありませんので、どうしてもその挙動はあからさまになってしまい、一時的には場の空気をかえってモヤモヤとさせたり、悪くすると相手の感情を害してしまうようなこともあります。ただ、気遣ってくれたという気持ちを周りにヒシヒシと伝わりますので、結局は感謝の言葉をかけられたり、より良い人間関係の構築につながっていったりもします。
また、トラブルに至る前でも、色々と考えて行動を取り、グループのバランス役をつとめることを好む傾向があります。大変ではありますが、心配の種がなくなる方がストレスにならないといった構図です。
心配症な人との付き合い方
心配症な人と付き合うには、まず相手のことを理解することが大切です。怒ったり指摘をする行為自体には様々な動機がありますが、この人は純粋に心配してくれているんだと認識して、無理に距離を置いたり反発することを避ければ、関係を悪くせずには済みます。
また、繰り返し注意されているからと言って嫌われているわけでもありませんが、その指摘を謙虚に受け止めて是正することによって、さらなる信頼関係を得ることができるでしょう。付け加えるなら、敏感で裏表が少ない性格なので、人の悪い噂や陰口を叩かないように注意した方が、より親密な関係になれるかも知れません。
プライベートな場においては、よりシンプルに、相手に心配をさせないことにだけ気をつけて行動していれば、仲を保っていくのはそれほど難しいことではないでしょう。ただ、心配性の人の指摘が細やか過ぎると思ったら、多少距離を取ってクールダウンした方が、無用ないさかいは避けられるかも知れません。