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「皆様のご多幸をお祈りします」
結婚式のスピーチや挨拶文などでしばしば出会う表現です。ビジネスパーソンとしては、「ご多幸」やそれに類似する表現を上手に活用したいものですが、正しい使い方を知らない人も少なくありません。ここでは、「ご多幸」や「ご健勝」、「ご活躍」の意味や使い方についてご紹介します。
「ご多幸」とは?
「ご多幸(ごたこう)」は、文字通り、幸せの多い状態のことです。相手が幸せであることを願う時に使用する表現で、この場合の幸せは、「健康」「豊かな生活」「長寿」などを意味しています。もっとも一般的な「ご多幸」を使う表現のひとつには、「ご多幸をお祈りいたします」などがあるでしょう。
「ご多幸」は目上に使うのは失礼?
「ご多幸」は、「多幸」に丁寧な接頭語の「御(ご)」がついた表現です。
相手の幸せを願う表現が「ご多幸」ですが、上司や目上の人に使うのは失礼になるという意見もあります。上から目線での表現と思われているようですが、「ご多幸は」あくまでも相手の幸せを願う気持であり、上下の関係はありません。
「ご多幸」の使い方
「ご多幸」は、スピーチ、乾杯の挨拶、年賀状・新年の挨拶、誕生日や退職・送別の言葉などで使うことが多いでしょう。
フォーマルなシーンでは、一般的な「ご多幸をお祈りします」を「ご多幸をお祈り申し上げます」や「ご多幸を祈念いたします」のように、「ご多幸」に続く表現をよりかしこまったものにするのが良いでしょう。
「ご多幸」+「祈念する」は、「神仏に目的を達成することを願う」意味で、大袈裟のように感じるかもしれませんが、公式な文書などでは一般的に使われるものなので、覚えておくと便利です。
「ご健勝」「ご活躍」との違い
「ご多幸」と同じように文末などに使われるのが、「ご健勝」と「ご活躍」です。それぞれ意味合いが違う部分があるので、違いをみてみましょう。
「ご健勝」とは?
「ご健勝(ごけんしょう)」とは、「体が健康で丈夫なこと(健勝)」の丁寧な表現です。「皆様のご健勝をお祈りします」のように使われます。また、「ご健勝とご多幸をお祈りいたします」のように、「ご多幸」と一緒に使われることも少なくありません。「ご健勝」も相手の健康を願う気持なので、「ご多幸」同様に上下の関係を気にする必要はありません。語尾を丁寧な表現にすれば大丈夫です。
「ご活躍」とは?
「活躍(活躍)」の意味は、「めざましく活動すること」「勢いよく躍りはねること」で、「ご活躍」はその丁寧語です。ビジネスにおいては「社会の第一線で活躍する」意味で使われます。「ご多幸」や「ご健勝」のように「ご活躍をお祈りいたします」と使われてパターンが多くなっています。
「ご多幸」「ご健勝」「ご活躍」の使い方での注意点
「ご多幸」は、様々なケースで使用できる表現ですが、転勤などの人への文面としては、「ご多幸」よりは「ご健勝」の方が相応しい場合もあります。「ご健勝」は、相手の健康を願う表現なので、ほとんどの文面には使えます。ただし、注意しなければならないのは「ご健勝」に似た表現で「ご清栄」との混同です。「ご清栄」は、個人や会社などに対して使用できますが、「ご健勝」は、あくまでも個人に対しての表現なので、会社や団体に対しては使えません。
「ご清栄」は、どちらかと言えば会社向けに使った方が良いので、「ご健勝」は個人、「ご清栄」は会社と区別した方が良いでしょう。
「ご活躍をお祈りいたします」は、上下の関係なく使えますが、注意したいのが、「ご活躍をご期待しています」という表現です。この場合、どうしても上から目線のイメージが強くなり、相手に不快感を与える恐れがあります。
「ご活躍をお祈りいたします」でも抵抗を感じる人がいるかもしれませんので、目上の方には「ご健勝」や「ご多幸」を使った方が無難でしょう。
「ご多幸」や「ご健勝」以外の類似表現は?
「ご多幸」や「ご健勝」のように相手の幸せや健康を願う表現は、いくつかあります。例えば、「ご清祥」や「ご清栄」です。「ご清祥」は、相手の健康や無事を願う言葉です。
会社にも使えますが、個人に対して使用する場合が多いようです。「ご清栄」は、相手の健康や反映を願う言葉で、会社でも個人でも使用できますが、「ご健勝」と使い分けるためには、会社や団体用に区別した方が間違わないでしょう。
また、経済面での発展を願った表現として、「ご隆盛」「ご繁栄」「ご盛栄」があります。
ご隆盛は、「貴社ますますご隆盛のことと拝察いたします」のように、会社への挨拶文に用いられます。「ご繁栄」も「ご盛栄」も同様に「商売繁盛」の意味合いがあるので、会社などへの文面に使うのが一般的です。
「ご健勝」と同じ意味で使われるのが「ご自愛ください」です。これは、「ご自分のお体を大事にしてください」という意味で、相手の健康を願う気持を表現しています。ビジネスでの挨拶にはあまり使用しませんが、上下の関係なく一般的に使われる表現です。
間違いやすい似た表現「ご多分に漏れず」
手紙や挨拶状などに見られる表現で、「ご多分に漏れず」というのがあります。これは、「ほかと同様に」「例外でなく」などの意味があります。
まれに、この表現と混同し「ご多幸に漏れず」という表現をみかけます。しかし、この「ご多幸に漏れず」という表現は意味からいって間違いでしょう。
また、「ご多分に漏れず」を「ご多聞に漏れず」や「ご他聞に漏れず」と間違った漢字表記になっていることもあるので、あわせて注意しましょう。
ビジネスで使える例文集
「ご多幸」「ご健勝」「ご活躍」の例文をいくつかご紹介いたします。
ご多幸の例文
ご健勝の例文
ご多幸&健勝の例文
ご活躍の例文
「ご多幸」の英語表現
使う機会が多い「皆様のご多幸をお祈り申し上げます」を英語表現にしていましょう。
・I wish you all the best.
・Wishing you all the best!
新年の挨拶なら、
・I wish you a healthy and happy year to come.
・I wish you a year filled with peace, good health and happiness.
などとできます。
ちなみに、I hope ~ でも表現できますが、幸せはあいまいなことなので I wish ~ を使います。
まとめ
「ご多幸」や「ご健勝」、「ご活躍」などの言葉は、日常の会話では使うことはありません。しかし、社会人としてはお覚えておきたい表現です。自分のスキルアップとしても、これらの言葉の使い方をきちんと理解して、積極的にビジネスレターなどに活用して下さい。