「罹患」の読み方や意味とは?|「罹患率」などの使い方も解説

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この記事では「罹患」という言葉について解説しています。「罹患」は医療に関連する専門用語のひとつ。一般にはほとんど使われませんが、新型コロナウイルス感染症の拡大によってマスコミの記事などで使用する頻度が急に増えた言葉でもあります。

ウイルス関連の話は聞き飽きた、という方も多いかもしれません。でも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とも言います。この機会に「罹患」の意味と使い方についてしっかりと学び、ウイルスや医療に関するデータを正しく理解できるようになりましょう。

「罹患」の読み方と意味


「罹患」は「りかん」と読みます。仏語の「羅漢(らかん)」と間違いやすいので注意しましょう。「罹患」の「罹」と羅漢の「羅」は同じようで違う漢字です。罹患の「罹」の音読みは「り」。「ら」と読めません。一方、「羅漢」の「羅」は「り」と読めません。

「罹患」の意味は、病気にかかること。「罹」は訓読みでは「かか(る)」と読みます。一方、「患」は訓読みで「わずら(う)」とも読み、「病気にかかること」「心配」「災い」などを意味します。ただし「罹患」には病気以外の意味は含まれません。

「罹患」の語源

「罹患」は故事成語ではないので、由来となるエピソードや原典などはありません。そこで漢字を個別に解説すると、まず「罹患」の「罹」は、前述のように訓読みでは「かかる」とも読み、「ひっかかる」「病気にかかる」「災難を追う」という意味を持ちます。

「罹」の成り立ちは、「網」を象形する「罒(网)」と、「よく考えること」を意味する「惟」を合わせた会意文字。「考えや気持ちが何かにとらわれる」という意味から「ひっかかる」「かかる」「(災いを)こうむる」などの意味をあらわす漢字になりました。

一方、「患」の語源は「串」と「心」を組み合わせて「心を突き刺す憂い」をあらわします、訓読みは前述した「わずら(う)」のほか、「うれ(える)」とも読めますが常用漢字ではありません。

「患」は「病気にかかる・心配・災い」といった意味の漢字で、現在では病気やけがに関する言葉として用いられます。たとえば医療機関で病気やけがを診断または治療する人のことを「患者」。体に病気や傷ができた部位を「患部」といいます。

ただし「罹患」の意味は前述のように「病気にかかること」のみ。「憂い」や「心配」「災い」といった意味は含まれません。

「罹患」の使い方


「罹患」は名詞として用いるか、あるいはサ行変格活用の動詞として使うのが一般的です。名詞では「乳幼児は新型コロナウイルス感染症の罹患が少ない」「がんの罹患が明らかになった」「高血圧は成人病罹患のリスク増大につながる」といった表現で使われます。

一方、サ行変格活用の動詞では「父が胃がんに罹患した」「新型コロナウイルス感染症に罹患すると、微熱や体のだるさといった風邪に似た症状が見られることが多い」などの言い回しで使われます。

また医療関連の資料などでは「罹患」を含む専門用語もよく用いられます。次項ではそんな3つの言葉をピックアップして意味と例文を紹介します。

「罹患者」の意味と例文

「罹患者」は病気にかかった人のこと。「病人」と同じ意味ですが、「罹患者」は「病気によって専門の医療関係者による診断や治療を受けたか、または受けている人」という意味も含まれます。

また「患者」は病気だけでなく、けがが原因で治療や診断を受ける人も含みます。それに対して「罹患者」は「病気にかかった患者」という意味に限定されます。

「罹患者」の例文

厚労省の統計情報によると日本人の胃がんによる死亡者数は減少傾向にあるものの罹患者の数は増加している。

「罹患率」の意味と例文

罹患率は単位人口あたりの罹患者数を示す医療統計データのひとつ。特定の期間内(通常は1年)に新たに罹患が確認された人数または症例数を元に、人口10万人あたり何人(または何例)が罹患したかを算出します。

がんのような病気では、1人の罹患者に複数の罹患が新たに発症することがあるため、罹患率は罹患者数ではなく症例数を元に算出します。

罹患率の例文

2021年度の人口10万人あたりの罹患率は、2021年度中に新たに診断された罹患者数÷20021年度の人口×100000という計算式で算出します。

「罹患歴」の意味と例文

「罹患歴」とは「病歴」のこと。今までにかかったのことがある病気と治療の履歴を意味します。「罹患歴」の定義は明確ではなく病気の種類を限定しない場合もあれば、特定の病気に限る場合もあります。

罹患歴と似たような意味の言葉に「既往歴(きおうれき)」があります。既往歴は、これまでにかかった全ての病気と、専門の医療機関で受けた治療の経緯をまとめたもの。既往歴は罹患歴と違って病気だけでなく外傷や妊娠・出産なども含めるのが特徴です。

罹患歴の例文

保健管理センターでは健康で安全な市民生活をサポートするために新型コロナウイルス感染症の罹患歴に関するアンケートを実施しています。

「罹患」の類義語と例文


「罹患」と同様の意味を持つ類義語には、「発病」「発症」「感染」「罹病(りびょう)」などがあります。「発病」は病気になること。「発症」は無症状の潜伏期間などを経て病気と定義される特有の症状が現れる、という意味です。

「感染」はウイルスなどの病原体が体内に侵入すること。または病気が伝染すること。「感染」は体内への病原体の侵入が確認できれば症状の有無を問わず「感染している」と言えます。また病気以外に他人の言動に感化されることも意味します。

「罹病」の意味は「罹患」と同じ。現代ではほとんど使わない言葉です。

「発病」の例文

感染経路は不明だが家族5人全員が発病して入院するはめになってしまった。

「罹患」の英語表現


「罹患」を英語で表現する場合、言葉の専門性を考慮すると、「catch(またはcontract) a disease」「fall ill」などをあげることができます。

「disease」は」「人や動植物の病気」「政治や社会などの不健全な状態」などを意味するビジネス用語。病名の「○○病」や「○○症」の「~病」「~症」も「disease」といいます。

たとえば伝染病は「communicable disease」または「contagious disease」。「感染症」は「infectious disease」といいます。

「disease」は専門的なニュアンスが強く、一般にはあまり使われません。口語的な表現では「get sick」「become ill」などと表現します。

「become ill」はガンや心筋梗塞のように重い病気にかかることを意味するので、軽い病気の場合は使わないように注意しましょう。

まとめ

  • 「罹患」は「りかん」と読み、病気にかかることを意味します。
  • 「罹患」を含む言葉には「罹患者」「罹患率」「罹患歴」などがあります。
  • 「罹患」の類義語には「発病」「発症」「感染」「罹病」などがあります。
  • 「罹患」の英語表現には「catch(またはcontract) a disease」「fall ill」があります。
  • 「罹患」を平易な英語で表現する場合は「get sick」「become ill」などと表現します。