「転勤」とは具体的に何なのか、転勤のメリット、デメリットを解説

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転職や就職活動をしている時に、転勤の有無を気にしたことはありますか?

とにかく仕事を探すのに集中してしまい、そこまで考えない人も多いのが現実です。しかし、転勤にはメリットもデメリットもあります。

ここでは、転勤に関するメリットやデメリットなどを解説していきます。

転勤ってそもそもどういう意味?

転勤とは、会社から命じられ勤務場所が変わることを意味しています。

会社から命じられる転勤は、基本的には従業員が拒否できるものではないという制度は、日本独特の制度です。転勤には1か月ほど前に内示があって、数週間前に辞令が出るのが一般的でしょう。

制度としての転勤は、日本の高度経済成長期に企業の成長を支えてきたものと言えます。

転勤制度は終身雇用だからこその制度

転勤制度は、終身雇用だからこその制度でもありました。

一度雇った従業員を安易に解雇できないのが終身雇用です。なにかのきっかけで一時的な労働力不足が起これば、そこに余力のある支店などから従業員を送り込んでいました。

転勤制度が見直しの時期

しかし、現在、終身雇用はほぼ崩壊し、従業員が終身雇用を素晴らしいと思う価値観ではなくなりました。転勤を避けようとする人や、家庭の事情で転勤を受け入れられない人が増えてきています。

また、一部の企業では「地域限定正社員」制度が導入され始め、転勤がない働き方もできるようになってきました。転勤があることを理由に、転職や就職先として選ばない人もいます。

外資系では転勤はない

一般的な外資系企業では、転勤ではなく社内公募制で従業員の転勤を伴う異動を決めます。

本人の意思があり、なおかつ転勤先にいる期間とミッションをはっきりさせるまで異動は決まりません。

転勤のデメリット

日本の転勤制度には、デメリットが多いと言われています。

仕事を探すことに一生懸命になりがちだと思いますが、就職前に転勤があるかは確認すべきでしょう。転勤の頻度や主な転勤先なども調べるとよいです。

転勤を繰り返す転勤族は、人生設計が難しいと言われています。また、転勤族の妻が「転妻」と呼ばれるのは、特殊な環境やそれに伴う苦労の為ではないでしょうか?

ここでは、転勤の代表的なデメリットを解説していきます。

引っ越しの準備が面倒

一人暮らしであれば、いつも通りに仕事をしながら、引っ越しの荷造り、新しい家探し、電気・ガス・水道・ネットなどの解約/加入手続きなど、転勤・転居に伴うかなりの雑務をこなさなければいけません。

家族がいるなら、家族もそれぞれ手続きなどがあるでしょう。また、子供がいる場合は転校や新しい幼稚園を探す作業もでてくるでしょう。 

会社は転勤の費用を負担してくれますが、転居の手間を考えると、お金だけの問題じゃないと思う人も多いのが実態です。

また、転居の日にちは会社都合が優先されることがほとんどなので、この点でも手間が増えたり、なんとか間に合わせたりと忙しくなってしまいます。

子育ての環境の変化

子供がいる家庭で転勤をする場合、大きな問題になるのが子育ての環境の変化です。
子供自身の順応性に個人差があるのは当然で、すべての子供がすぐに新しい環境に馴染めるとは限りません。

また、子供がナーバスになることは、母親のストレスにも繋がります。場合によっては、転居先の幼稚園が見つからなかったりすることもあるでしょう。

妻の仕事と転職

今では、共働きの家庭も少なくありません。夫の転勤に伴い、妻も転職しなければいけないケースがあるでしょう。

就職活動自体はできると思いますが、突然の転職、しかも、知らない土地となると、今よりもいい条件の仕事に就くのは難しくなるでしょう。

転勤の多い夫の妻となれば、ひとつの仕事を長く続けることが難しいと判断され、不利になってしまうこともあります。

地方に転職する際には、資格や特技がないと、仕事を探すのに苦労することが多いようです。

持ち家を決められない

大体の人が、賃貸住宅から、いつかはマイホームと考えているのではないでしょうか?

実際に、子供ができて家族が増えれば、賃貸では手狭になることが多いでしょう。
しかし、転勤を繰り返す職場だと、どこにいつマイホームを建てるか予定を考えることもできません。

中には、マイホームを建てて単身赴任する人もいますが、ほとんどマイホームに住んだことがない状況に陥ってしまいます。

親の介護

少子化が進み始め、家族の中で親の介護ができる兄弟の人数が減ってきている中、今深刻な問題になっているのが、転勤で、できなくなる介護の問題です。

介護の必要度によっては一人で介護するのが難しく、兄弟や身内で協力していることもあります。
お金だけでは解決できない介護の問題は、転勤の際には考えなければいけない要素です。

また、今現在は介護をしていなくても考えるべき要素でもあります。介護を理由に転勤を断り、離職のきっかけになる人も少なくないのです。

恋愛と結婚

現在進行中の恋愛に、転勤はかなりの障壁になります。
転勤によって、別れてしまったという人も少なくありません。

思い切って結婚のきっかけにしたくても、パートナーが仕事を辞められるか、転勤先で職が見つかるかなど、一般的な家族と同じ問題に直面します。

転勤のメリット

一般的に、転勤のメリットは、デメリットほどはないとされています。しかし、性格やその時の状況によってはメリットになることもあります。

人間関係、環境がリセットされる

現在、一緒に働く人の中に嫌いな人がいても、転勤があるならずっとその職場ではないので、割り切って働くことができます。

人間関係で我慢するのは、かなりのストレスになるので、転勤の数少ないメリットの中でも大きなメリットでしょう。

また、転勤では、住んでいる環境が変わるのはもちろん、仕事内容も変わります。転勤に伴って部署も変わるなら、劇的な仕事内容の変化もありえます。

マンネリ化した仕事内容がリフレッシュされて、新たなやる気が出る人もいるでしょう。

人脈が広がる

転勤によって、社内の人脈、社外や日常生活で人脈が広がる可能性があります。

ただ、社内の人脈の広がりは、昔の終身雇用のイメージからのメリットです。今後転職などを考える人には、どれほどのメリットがあるか判断しにくいところです。

転勤に関するおさらい

  • 転勤制度は、日本特有で、高度経済成長期の会社の伸びと終身雇用を支えてきた制度。
  • 終身雇用制度はほぼなくなり、従業員の仕事に対する価値観の変化から見直しが必要な制度。
  • 外資系企業の転勤は社内公募制が一般的。
  • 転勤のデメリットは、引っ越しの面倒さ、子育ての環境変化、妻の仕事と転職、持ち家を決められない、親の介護、独身の人は今の恋愛や結婚など。
  • 転勤にはデメリットの方が多いと言われているが、人間関係、環境がリセットされる、人脈が広がるなどのメリットがある。