ビジネスシーンにおいて「先方」という表現をよく耳にします。この表現は基本的に、取引先等を指す表現ですが、使う場所や相手を間違えると失礼にあたる場合あるため注意が必要です。

この記事では「先方」という表現について解説していきます。
使い方を誤って大切なビジネスシーンに水を差すことの無いように、本来の意味や使い方を押さえておきましょう。

先方の読み方と意味

良く聞く言葉ではありますが、先方には方向を示す使い方と第三者を指す言葉の二通りの使い方があります。

辞書で調べると、以下のように記されています。

1 さきの方。向こう。例:「先方の山」
2 相手方 (がた) 。例:「先方の意向を聞く」⇔当方。
出典:デジタル大辞泉

ビジネス上で使用する「先方」は相手を意味する方になります。

使い方の注意

先方を使う場合、使用する相手と場所をわきまえる必要があります。「先方」は、その場に居ない第三者を指して使用する言葉です。「先方」は敬称ではなく対等な立場で第三者を指す言葉なため、該当する第三者がその場に居ない場所、社内や身内の会話だけで使用する表現になります。

二者間で会話をする際、目の前に居る相手の事を「先方」とは呼びません。相手が目の前に居る場合は「〇〇様」「〇〇さん」を使います。

また、身内や社内で取引先や取引相手を指す言葉になりますので、社外や取引相手が目の前にいる場合には使用しません。その場合は、「御社」「貴社」や「〇〇様」といった表現を使いましょう。

先方の敬語表現

先方様は正しいのか

「先方様」といった使い方をする場面に遭遇することがありますが、この表現は間違いです。

「先方」とは、身内の間で第三者を指す言葉ですので、敬語表現自体が存在しません。相手を直接指し示す場合に敬称を付けない事は問題になりますが、「先方」の意味自体が「相手」を意味する言葉ですので敬称を付けなくても失礼には当たりません。

無理に丁寧な言葉を使おうとして、「先方様」といった表現を用いると、逆に印象が悪くなったり、失礼にあたる場合もありますので注意しましょう。

似た言葉「先様」とは

先方に似た言葉で、相手先を敬って使う言葉に「先様」というものがあります。

辞書で調べると、以下のように記されています。

・先様(さきさま)
相手、または話題に上っている人を敬っていう語。先方様。「先様のご都合はいかがですか」
出典:デジタル大辞泉

取引先の取引先といった敬うべき相手や場面で使うなど、対話中にどうしても「先方」に敬称をつけたい場合や、その方が自然な場合は「先様」を使います。

しかし、「先方」に比べて仰々しく古めかしい印象を与える表現ですので、よほどの事がない限りは「先方」や「〇〇様」といった表現を使って問題はありません。

先様を使用した例文

「先様」を使用した例文は以下の通りとなります。

先様のご意向を伺う。
先様のご都合はいかがでしょうか。
先様からお問い合わせ頂いた件ですが。

先方を使った例文

「先方」を使った例文は以下の通りとなります。

打合せの日程変更については、先方に既に許可を頂いています。
今回のプロジェクトでは、先方の〇〇部長がキーパーソンになるだろう。
先方からの依頼スケジュールがタイトだ。
先方へ確認のメールを送る。

先方の英語表現

「先方」の英語表現の例文は以下の通りとなります。

先方と談判中
We are negotiating with the other party
費用は先方持ちです
The other party bears the pays the expenses.
先方と折合いが付いた
We have come to terms 
先方へ申し送る
to pass a message to others       

                 

先方のおさらい

・先方は第三者を指す言葉
・主に身内で使用する表現
・相手を前にして使う場合は「御社」「貴社」「〇〇様」を使う
・先方様は間違い
・敬称を付ける場合は「先様」を使う