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分かっていそうで、ちゃんと理解していないカタカナの言葉は、誰でもいくつかあるものでしょう。「ステレオタイプ」という言葉を、雑誌や本で目にすることがあります。ステレオタイプだと言われたことはありませんか?
ここでは、ステレオタイプの意味や例、ステレオタイプのメリット、デメリット、英語表現を解説します。すぐにでも、正しい「ステレオタイプ」を使えるようになります。
ステレオタイプとは
元々は印刷術のステロ版(鉛版)のことを指していた言葉が、社会学の言葉になったのが「ステレオタイプ」です。
「ステレオタイプ」は、裏付けのない固定観念で、多くの人に浸透している思考や観念、ものの見方・捉え方のことを言います。人は誰でもそれぞれの対象にステレオタイプを持っていて、まずはステレオタイプの認知で周囲の人や物事を捉えているのです。
ステレオタイプの具体例
性別では、男性=たくましい、頼りになる、威厳があるなど、女性=やさしい、愛嬌がある、気が利くなどがあるでしょう。
しかし、それぞれはステレオタイプなので、すべての男性がたくましいわけでないし、すべての女性がやさしいわけでもありせん。
もうひとつ、よく挙げられるステレオタイプとしては、血液型があります。それぞれのステレオタイプは、A型は几帳面、B型はマイペース、O型は現実的、AB型は繊細などがあります。
海外の人が思う日本のステレオタイプ
人種や国籍に対してもステレオタイプがあります。
海外の人から見て、日本のステレオタイプは、
・寿司や天ぷらなど食べ物がおいしい
・伝統と近代テクノロジーが融合している
・行儀がよく、やたらお辞儀をする
・忍者、空手
などがあります。
ステレオタイプのメリット
ステレオタイプが存在する理由は、「認知資源の節約」と言われています。
人は五感で様々ことを感じ、常に膨大な情報に包まれています。全てをひとつずつ処理するには、人間の脳の容量=認知資源では足りなくなってしまうのです。
そこで、まずは情報を必要なものとそうでないものに分類する処理をしなければいけないのです。ステレオタイプがあることで、膨大な情報を一定の型にはめて分類できるので、認知資源の節約につながります。
例えば、道路を歩いて横断している時に、スピードを出した車が近づいてくるのに気がついたとします。普通の人は、「だんだん近づいているのにスピードが落ちないのは、よそ見運転や居眠り運転かも知れないから、あの車は危険だ」と判断し、早めに道路を横断するでしょう。
これは、「事故の原因は、スピードの出しすぎであることが多い」「スピードの出しすぎは、よそ見運転や居眠り運転の可能性がある」というステレオタイプを瞬時に活用しています。
もし、ステレオタイプの認知ができないと、「車は白い、車種は○○、ナンバーは××、運転手は男性? 女性? 車は手前で曲がるかも知れない、歩行者に気がついているのか…」など様々な情報を網羅し、処理するのに脳が必死になりすぎて、いつまでも判断ができないことになってしまいます。
デメリットは?
何かをステレオタイプにはめ込んで認知することによって、その何か、人やものを単純化しすぎてしまうことがあります。もともと持っているその人やものの特性や性質を、見逃してしまいがちなのです。
その誤解や誤認をしたまま、否定的な感情を抱いたり、否定的な評価を下してしまうこともあります。そこから、偏見や差別が生まれてしまう危険性をはらんでいます。
ステレオタイプと偏見
偏見は、自分の経験や知識などをベースにした、否定的な感情や評価のことをいいます。ステレオタイプとは、多くの人が共有している“型”であり、肯定的なものも否定的なものも含まれます。
ステレオタイプの英語表現
英語では、「ステレオタイプ」は“a stereotype”と綴ります。
よく使われるのは「人種のステレオタイプ」、“racial stereotypes”と言います。英語の“a stereotypes”は、日本語のステレオタイプとちょっとニュアンスが違います。
英語では、人種、国、地域に使われることが多く、不公平、または真実ではない固定概念のことを指すのが一般的です。差別まではいきませんが、否定的な意味合いがあることが多いです。
ステレオタイプのおさらい
「ステレオタイプ」とは、裏付けのない固定観念で、多くの人に浸透している思考や観念、ものの見方・捉え方のことを言います。具体的な例だと、男性=たくましい、女性=やさしい、そして血液型占いなどがあります。
「ステレオタイプ」を使うメリットは、認知資源の節約、つまり脳で考えることの容量を最小限にすることです。そして、デメリットは、対象を単純化しすぎて誤解したり、見逃してしまったりすることがあげられます。
「ステレオタイプ」の英語は、 “a stereotype”と綴ります。日本語のステレオタイプと違い、不公平、または真実でないこと固定概念を指している場合が多いです。