ビジネスマナーを身に付ければつけるほど、それらを実践するのに難しいことがよくわかります。特に言葉遣いは職場の上司や取引先などで失礼に当たらないように使わないといけません。

その中でも難易度の高い「いただきたく」という言葉について、この記事では解説していきます。

「いただきたく」の意味

「いただきたく」という言葉は、社会人として働いていた転職者の方だけでなく、これから就活に挑む方でも、恐らく一度は使用したことがあるのではないでしょうか。実は社内メールでも頻繁に使用されており、定型文のようにつかわれます。

言葉としては「していただきたい」ということから、だれかに「~してもらいたい」という敬語に当たるのが分かります。「~してもらいたいです」というのを敬語として扱っている場合もありますが、「もらう」の謙譲語が「いただく」になります。

謙譲語とは、自身が相手に対して敬意を表し、相手を立てて自分をへりくだることを指します。

「いただきたく」の英語表現

「していただきたい」と同じ用途になりますので、英語では【I would like you to do~】という表記になります。

しかし、この表現では強い印象を与えることとなり、同僚に対してならまだしも、取引先相手には失礼にあたることがあります。そこで、「もしも~していただけたらありがたい」というニュアンスを入れた「grateful」を用いておきます。

使い方

I would be grateful if you could~

上記の例文は丁寧な印象を与えることが出来ます。

I would appreciate it if you could~

上記の例文は「~していただけると幸いです」といった柔らかい印象になります。

「いただきたく」の類義語

類義語には下記の言葉があります。

・~願いたく存じます。
・~してもらえますと幸いです。
・~してくださいますようお願いします。
・~に伺いたく存じます。

それぞれ使うパターンは大いにありますが、これらの文を「いただきたく」として表現すると、一層かしこまった(へりくだった)ように感じとられてしまい、最終的に何を言っているのか分からなくなってしまうので注意が必要です。

「いただきたく」を使用した例文

「いただきたく」を使用した例文は以下の通りとなります。

上司や目上の方への使用する場合

「今度の会議は社長も出席されます。そこで社長がお待ちいただくことのないよう、5分前には必ず会議室に入室してください」

上司や部下、あるいは先輩・後輩の立場に関係なく、社内一斉メールで伝達する場合にも使用することができます。

物事や頼みごとをお願いする場合

「もう伺っているかもしれませんが、今度の週末にそちらで検討していただくことになりますので、よろしくお願いします」

 ビジネスでは多様する言葉であり、相手の同意を得る場合に使用します。また、以前の約束を確認する場合にも使えます。

面接などの日程を調節する場合

「ご都合の良い日にちを教えていただければ幸いです」

 先方の意見に反するときに使います。ただ、否定するだけでなく、「~してもらいたい」という意味で使いましょう。

古くから付き合いのある人に頼みごと等をする場合

「月曜日に変更していただけますと非常に助かるので…」

 先方の意見に反しながらも、こちらの意見を通したいときに使います。

人に同意を求める場合

「その期日ですと、木曜日までの連絡とさせていただくことになりますが、よろしかったでしょうか」

 先方の意見にこちらが反する場合にも使えます。

「いただきたく」の間違った使い方

「いただきたく」はしてもらうの謙譲語に当たりますので、よく「させていただく」と混同して使われることがあります。こちらの都合で話が終わる場合、失礼にあたることもあります。

例えば、何かの資料を持って帰る場合、「では、こちらで検討させていただきたく存じます」という表現をするとします。こちらの都合であるにもかかわらず、へりくだり過ぎが逆に失礼に受け取られることもあります。ここはそのまま「では検討してまいります」などと伝えるのがベストでしょう。

ただし、明らかに先方の都合を断るような恰好になった場合はこの限りではありません。当日に結果が出ず、資料を持って再検討するのが妥当な場合は、「では一度こちらで検討させていただいてもよろしいでしょうか」と伝えるのがいいでしょう。

「いただきたく」のおさらい

・「いただきたく」は「してもらいたい」の敬語に当たりますので、ビジネスマナーとしては敬語として問題ありません。

・メールなどは顔が見えないこともあって、どのような表情で話しているかをうかがうことができません。通常よりも少し丁寧過ぎるほうが失礼に当たらないといえます。

・社内ルールとしてなりたっている文法を意識過ぎると、社外では失礼にあたることもありますので、顧客には「させていただきたく存じます」といった間違った使い方をしないよう注意しておきましょう。