間違いを正す時に使用する「是正」と、他の類義語との使い分けの解説

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「是正する」「是正勧告を受ける」などの使われ方をする「是正」。他にも「改善」「修正」「訂正」と、間違いを正す時に使用する言葉がありますが、これらの違いをすぐに説明できる人は意外と少なくなっています。ここでは、「是正」と他の類義と徒の使い分け、是正の例文や英語表現について説明しています。間違いを正す時にも、適切な表現ができるようになります。

是正とは 意味と例文

是正とは、「悪い点や不都合な点を改め正すこと」「誤っている点をなおして正しくすること」という意味の名詞です。

是正の例文

男女雇用の上で生じた格差を是正する
労働基準監督署から、労働基準法違反行為に対する是正勧告を受けた

是正と改善の違い

是正と改善は、「悪い点や不都合な点を改め正すこと」と同じ意味があります。ただし、是正は改め正される対象が必ず「間違っていること」ですが、改善は改め正される対象が「正しいこと」の場合もあるのです。

例えば、今まで良いとされていた事が、状況の変化や年数の経過に応じて、より良い方向へ改められる事を「改善する」と言います。

改善の例文

働く女性が増えたことによって、わが社の育休で取得できる年数が1年から3年に改善された。
温暖化が進み、平均気温が上昇した事によって、公立小学校に扇風機ではなくクーラーを常設するように条例が改善された。

是正と修正の違い

修正とは、「不十分、不適当と思われる箇所を正す事」という意味があります。つまり、修正も修正する箇所は必ずしも間違いとは限りません。
また、是正は考え方や意見、社会や政治、規律などが正される対象となりますが、修正は発言や文章の誤りが、正される対象となります。

修正の例文

(相手に対して)資料の数値が間違っているので、修正をお願いいたします。
新しい研究の成果が発表された直後、研究発表会での発言を修正した。

是正と訂正の違い

訂正は、修正と同じく発言や文章の誤りを正す事です。そして、訂正される対象は是正と同じく必ず「間違っている事」となります。

また、訂正をする時にはお詫びが伴うというのも、是正や修正とは異なります。

訂正の例文

先ほどご紹介した○○さんの漢字が間違っておりました。お詫びして訂正いたします。
私の発言は不適切でしたので、ここで訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。

是正のその他の類義語

法律や規則を正しく直す時…改案、改訂
文書の間違いを正しく直す時…添削、手直し、加筆、校正
元々の正しい場所や位置へ戻す時…更生、矯正

是正の英語表現

We must redress the balance. 「私たちは、不均等を是正しなければいけない」
He said that “This unfair state of affairs are corrected”. 「不公平な現状は是正されるべきだと彼は発言した」

改善など類義語の英語表現

I plan on improving operability of this machine. 「私はその機器の操作性を改善するつもりだ」
I have attached the files for before revision and after revision, so please confirm.「修正前と修正後のファイルを添付いたしましたので、ご確認下さい」
I’ll apologize and correct that I told you the wrong information. 「間違った情報を提供したことを、お詫びして訂正いたします。

まとめ

・是正とは、誤りを正す事である。また、是正される対象は政治的、社会的な考え方や規律などで、「必ず間違っている事柄」である。
・改善とは、誤りを正す事だが、「ある時点では正しかった事柄」も改善される対象となる。
・修正とは、誤りを正す事だが、修正される対象は主に「人の発言や文書の内容」であり、必ずしも間違った事柄ではない。
・訂正とは、誤りを正すことだが、訂正される対象は主に「人の発言や文書の内容」で、「必ず間違った事柄」そして、謝罪が前提という特徴がある。