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この記事では「わくわく」という言葉について解説しています。「わくわく」は世代を問わずよく使われる一方で、語源や用法ははあまり知られていません。たとえば漢字で書けるのか、ビジネスで使えるかなど、意外とわからない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では「わくわく」の意味と語源をはじめ、「どきどき」との違いやビジネスの場で用いるポイント、さらに類義語と対義語、英語表現など多角的に解説していきます。
わくわくの意味と使い方
「わくわく」は期待や喜びに胸を躍らせること、うれしさで落ち着かない様子をあらわす言葉です。「わくわく」は単独では使わず、「~する」という動詞を語尾に加えて「わくわくする」「わくわくした」のように用いるのが一般的です。
文章では「わくわくとする」のように「と」を間に加える用法も見られますが、会話では使われません。最近では「わくわく感」のように語尾に「感」をつけて「高揚感」の意味で用いたり、「わくわくが止まらない」といった名詞的な用法も使われます。
わくわくの語源
「わくわく」の語源は温泉や水などが吹き出ることを意味する「湧く(わく)」という動詞と考えられます。ただし「わくわく」を「湧く湧く」と漢字で表記することはありません。ひらがなかカタカナで「わくわく」「ワクワク」と書くのが一般的です。
「わく」という動詞は「湧く」のほかに「沸く」もあります。「沸く」は「お湯などが沸騰すること」「感情が高ぶること」などをあらわす言葉です。「わくわく」は「湧く」と「沸く」の意味を融合する形で進化した言葉といえるでしょう。
また「わくわく」は現在ではおもに期待や喜びをあらわす表現として用いられますが、古くは「恐怖や不安で胸が騒ぐ」「心配で落ち着かない」といったストレスによる動揺をあらわす意味でも用いられました。
たとえば太宰治の「市井喧争」というエッセイには「私は恐ろしく、からだが、わくわく震えた。」という叙述が見られます。一方、同じ作者の「新釈諸国噺」では「うれしさで、わくわくしてて、酒を飲みたくなった」という逆の使い方も見られます。
「市井喧争」は1939年の作。「新釈諸国噺」は1945年に刊行されました。このことから「わくわく」は戦前までは恐怖と喜びの両方の意味で用いられていたことがわかります。
ちなみに「わくわく」「どきどき」のように同じ言葉を反復して一語にした言葉を「畳語(じょうご)」といいます。畳語は擬態語(オノマトペ)に多い用法で、物ごとの特徴や動き、感情などを音声的に伝える場合に効果です。
わくわくとどきどきの違い
「わくわく」と似たような意味の言葉に「どきどき」があります。「わくわくどきどき」と連結して使われることもありますが、「わくわく」と「どきどき」とは意味に違いがあるのでしょうか。
「どきどき」は激しい運動やストレスが原因で鼓動が速くなることをあらわす副詞です。「階段を一気に上ると心臓がどきどきする」「彼女の顔を見るだけで胸がどきどきする」といった表現で用いられます。
「わくわく」は現代では基本的に期待や喜びなどの明るい意味で使われますが、「どきどき」は「鼓動の高まり」という生理的な現象を比喩的にあらわす言葉で、その原因は喜びや期待だけでなく恐怖や不安なども含まれます。
「どきどき」も「わくわく」と同様に擬態語です。「わくわくどきどき」は「わくわく」が「どきどき」を修飾することで、期待や喜びによって鼓動が高まることをあらわします。
なお「どきどき」は「動悸」と読みも意味も似ていますが、「動悸」は「どきどき」の語源ではないと考えられています。「どきどき」も「わくわく」と同様にひらがなかカタカナで表記するのが基本。「動悸動悸」などと書かないように注意しましょう。
わくわくのビジネス上の使い方
「わくわく」は口語に近い言葉ですのでビジネス文書での使用はおすすめできません。ただしプレゼンなどで「SDGsとわくわく感の両立をアシストします」などとキャッチコピー的に使ったり、日常的な会話で用いたりするのは問題ありません。
目上の人を相手に話す場合は「わくわくする」の「する」を敬語にして「わくわくいたします」「わくわくしております」のように表現すれば問題なく使うことができます。
わくわくの類義語と例文
「わくわく」と同じような意味を持つ同義語としては「うきうき」「そわそわ」「瓢箪(ひょうたん)の川流れ」「胸が高鳴る」などをあげることができます。「瓢箪の川流れ」は、うきうきして落ち着きがないことを川に浮かんだ瓢箪に例えたことわざです。
そのほかネットでよく使われる「ワクテカ」「テンションマックス」なども同義語と言えるでしょう。古語では「走る走る」「わくつく」があげられます。「走る走る」は胸をわくわくさせること。「わくつく」は「わくわくする」ことを意味します。
「ウキウキそわそわ」の例文
わくわくの対義語と例文
「わくわく」とは逆の意味を持つ対義語としては、「おそるおそる」「おっかなびっくり」「こわごわ」「びくびく」などをあげることができます。「おっかなびっくり」は「意外なことにおどろく」という意味と「怖がってびくびくする」という意味があります。
また「おそるおそる」と「こわごわ」はそれぞれ「恐る恐る」「怖々」と漢字で書くことも可能です。
古語では「おづおづ」「おめおめ」があげられます。「おづおづ」は現代語の「おずおず」の語源で「おそるおそる」という意味をあらわします。「おめおめ」は現代語では「恥知らずにも」というニュアンスですが、古くは「びくびく」に近い意味もありました。
「おっかなびっくり」の例文
わくわくの英語表現
「わくわく」を英語で表現する言葉としては「be excited」がよく使われます。「excite」は日本語で「エキサイトする」というカタカナ語にもなっている言葉で、「刺激する」「興奮させる」「刺激する」「感情を高ぶらせる」などの意味があります。
「excite」は「(何かが誰かを)興奮させる」ことをあらわす言葉です。したがって「わくわくする」という意味を表現するには「be excited」という受け身形で「何かにわくわくさせられる」という意味をあらわすのが一般的です。
もしも「自分がわくわくしている」というつもりで「I am exciting now.」などと言うと、「私は今(みんなを)興奮させる存在となっています」という意味になってしまうので注意が必要です。
また「excite」には怒りや性的興奮の意味もあり、日本語で「わくわく」とは訳せないケースもあります。他に「わくわく」の英語表現としては「can’t wait」が「(楽しみで)待ちきれない」という気持ちの表現に用いられます。
スラングでは「hyped」「psyched」「pumped」「stoked」などが「わくわくする」という意味にあたるポピュラーな表現です。
まとめ
- 「わくわく」は期待や喜びに胸を躍らせること、うれしさのあまり落ち着かない様子をあらわす副詞です。
- 「わくわく」の語源は「湧く」と考えられます。
- 「どきどき」は激しい運動やストレスで鼓動が速くなることをあらわす副詞です。
- 「わくわく」の同義語には「うきうき」「そわそわ」「瓢箪(ひょうたん)の川流れ」「胸が高鳴る」などがあります。
- 「わくわく」の対義語には「おそるおそる」「おっかなびっくり」「こわごわ」「びくびく」などがあります。
- 「わくわく」の英語表現では「be excited」「can’t wait」がよく使われます。