福祉や児童相談に関する職業につきたいと考えている人の中には、児童福祉司を目指す人もいるでしょう。
一方で、日常生活で頻繁に出会う職業ではないことから、児童福祉司の存在を知らなかった人もいるのではないでしょうか。

この記事では、そもそも児童福祉司とはなんなのか、どんな仕事をしているのか、なるための方法は?などの基本的なことから、気になる年収や将来性までを解説します。

児童福祉司を目指している人に役立てていただけるのはもちろんのこと、そうでない人も、様々な職業を知って社会人としての見聞を広めるのに役立つ内容です。

児童福祉司とは


児童福祉司とは、児童相談所に所属し、子どもや保護者などからの相談に応じたり、必要な支援、指導を行う役割です。

児童福祉司の仕事をもう少し詳しく説明する前に、児童福祉司が所属する「児童相談所」とはどのようなものかを簡単に説明します。

児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置される行政機関で、平成30年4月1年現在、全区210か所の施設があります。

設置の目的は

・子どもに関する家庭等からの相談に応じ、子どもが有する問題又は子どもの真のニーズ、子どもの置かれた環境等の把握
・個々の子どもや家庭に最も効果的な援助

により子どもの福祉を図るとともにその権利を擁護することで、子ども本人、また保護者や家族、教員などからの相談に応じたり、援助を行っています。

児童相談所には、児童福祉司・児童心理司・医師・保健師などの専門スタッフが所属して相談にあたっており、児童福祉司はその中心的存在といってもよいでしょう。

児童福祉司の仕事内容

児童福祉司は児童相談所に所属して、子どもや保護者などからの相談に応じたり、必要な支援、指導を行います。

児童福祉法により、児童相談所には児童福祉司を置かなければならないとされており、各地の児童相談所には必ず児童福祉司が在籍しています。

児童福祉司の主な業務内容は次の通りです。(※)

(1)子ども、保護者等から子どもの福祉に関する相談に応じること
(2)必要な調査、社会診断を行うこと
(3)子ども、保護者、関係者等に必要な支援・指導を行うこと
(4)子ども、保護者等の関係調整(家族療法など)を行うこと

児童相談所の相談の種類は次の通りです。(※)

(1)養護相談・・・保護者の家出、失踪、死亡、入院等による養育困難、虐待、養子縁組等に関する相談
(2)保健相談・・・未熟児、疾患等に関する相談
(3)障害相談・・・肢体不自由、視聴覚・言語発達・重症心身・知的障害、自閉症等に関する相談
(4)非行相談・・・ぐ犯行為、触法行為、問題行動のある子どもに等に関する相談
(5)育成相談・・・家庭内のしつけ、不登校、進学適性等に関する相談
(6)その他

※厚生労働省資料「児童福祉司の概要等について」より引用 

児童福祉司はこれらの相談に応じ、必要であれば家庭訪問を行うなどして生活環境を調査し、状況の改善に向けて支援、指導を行います。

児童福祉司には「スーパーバイザー」と呼ばれる他の児童福祉司の指導を行う役割につく人がいますが、そのスーパーバイザーは、児童福祉法により「児童福祉司としておおむね5年以上勤務した者でなければならない。」とされています。

「児童福祉司」と「児童心理司」の違い

児童福祉司も児童心理司も、児童相談所に所属して子ども、保護者等の相談に応じ、指導を行う仕事です。
名前も似ていて勤務先も同じなので、同じものなのではないかと思われがちですが、仕事の内容が少し違います。

児童心理司の職務内容は次の通りです。

(1) 子ども、保護者等の相談に応じ、診断面接、心理検査、観察等によって子ども、保護者等に対し心理診断を行うこと
(2) 子ども、保護者、関係者等に心理療法、カウンセリング、助言指導等の指導を行うこと

児童福祉司が実態調査や社会診断を行うのに対し、児童心理司は名前の通り、心理診断やカウンセリングを行い、心理面から子どもや保護者をサポートしていく役割です。

また、相談・指導の相手を考えた場合、児童福祉司がおもに両親などの保護者がアプローチの対象なのに対して、児童心理司がアプローチする対象はおもに子ども本人であるところにも違いがあります。

児童相談所では、児童福祉司と児童心理司、その他の専門スタッフが連携し合ってサポートにあたっています。

児童福祉司になるには


児童福祉司は、なろうと思ったら誰でもすぐになれるというわけではありません。
「児童福祉司の任用資格を取得すること」「地方公務員試験に合格して児童相談所に配属されること」の2つをクリアしてはじめて児童福祉司として働くことができます。

任用資格というのはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、人をある役目につかせて使うことを任用といい、任用資格は、ある職務につくために必要な資格のことを指します。
児童福祉司になるには、まず任用されるための資格(一定の条件)を持っていることが必要で、その後に児童福祉司に任用されることが必要となります。

①児童福祉司の任用資格を取得する

児童福祉司として働くためには、まず任用要件を満たさなくてはなりません。
任用要件は次の通りです。

1.都道府県知事の指定する児童福祉司等養成校を卒業、又は都道府県知事の指定する講習会の課程を修了した者
2.大学で心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科等を卒業し、指定施設で1年以上相談援助業務に従事したもの
3.医師
4.社会福祉士
5.社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事した者であって、厚生労働大臣が定める講習会の課程を修了したもの
6.上記と同等以上の能力を有する者であって、厚生労働省令で定めるもの

このうち、2.の要件にあてはって任用された人が最も多く、スタンダードな道といってよいでしょう。

②地方公務員試験に合格し、児童相談所に配属される

児童福祉司は地方公務員です。
任用要件を満たしたうえで地方公務員試験に合格し、さらには児童相談所に配属され、児童福祉司に任用されてはじめて児童福祉司として働くことができます。

児童福祉司の給料・年収

吝嗇
児童福祉司は地方公務員ですので、公務員の給与表に基づいて決定されます。
参考までに、東京都を例にとると、1類B(大卒程度)の初任給は220,440円です(令和2年4月1日現在)。

一般の企業と同じように、経験を積んで役職が上がれば給与も上がっていきます。
年収モデルとしては、25歳係員で約370万円、35歳課長代理で約620万円と発表されさいます(行政職給料表(一)適用者・令和2年4月1日現在)。

児童福祉司の勤務体系と休日

役不足
児童福祉司は、一般の公務員と同様に、基本的には1日8時間程度とされています。しかし、現場の実態をみると、この時間内で仕事を終えるのは難しいようです。

実態調査では、子どもや保護者に直接面会したり家庭訪問を行いますが、日中は子どもは学校、保護者は仕事の家庭が一般的であるため、どうしても夕方以降にそれらを行うこととなります。
その後に書類作成などの業務を終わらせるとなると、帰宅が遅くなる日も珍しくないようです。

また、児童相談所では「虐待通告受理後、原則48時間以内直接子どもの様子を確認するなど安全確認を実施する」とルールづけられていることもあり、常に緊急体制をとる必要もあります。
毎日9:00~17:00、のような規則正しい就業は難しいと考えたほうがよいでしょう。

児童福祉司の将来性

黄昏
昨今は少子化が進み、子どもを対象とした仕事は減少すると考えるのが自然です。そうなると、児童福祉司の需要も少なくなっていくのではないかと思われますが、そうとはいえません。

児童相談所が受ける児童虐待相談件数は、平成11年から26年の間に約7.6倍に増えています。また、児童相談所の数は約1.2倍、児童福祉司の数も約1.2倍になっています。

平成28年に施行された「児童相談所の強化体制」には、児童福祉司の増員が盛り込まれています。

以上のことからも、今後も児童福祉司の需要が減ることは考えにくく、むしろますます必要とされる職業だといってよいのではないでしょうか。

まとめ この記事のおさらい

  • 児童福祉司は、児童相談所に所属し、子どもや保護者などからの相談に応じたり、必要な支援、指導を行うのが仕事です。
  • 児童福祉司と児童心理司は役割が役割が違い、児童福祉司が実態調査や社会診断を行うのに対し、児童心理司は心理面から子どもや保護者をサポートしていく役割です。
  • 児童福祉司になるには、任用要件を満たしたうえで地方公務員試験に合格し、児童福祉司として任用されることが必要です。
  • 児童福祉司の仕事は相手の時間に合わせなければならないシーンも多く、不規則になりがちです。
  • 平成28年には「児童相談所の強化体制」が施行されており、児童福祉司の需要はますます高まることが予想さます。
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