疾風迅雷|読み方・意味・使い方・類義語・英語表現を解説

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ここでは「疾風迅雷」について解説いたします。

「疾風迅雷」は一般の人にはなじみの薄い言葉ですが、漢字の字面(じづら)と意味のかっこよさからゲームの必殺技やアニメのタイトルなどによく使われており、ファンにはおなじみの言葉でもあります。

ここでは熟語としての「疾風迅雷」について解説いたします。ゲームやアニメについては触れていませんが、最後までお読みいただければ幸いです。

疾風迅雷の読み方・意味・使い方

「疾風迅雷」は「しっぷうじんらい」と読みます。意味は「勢いや動きがすばやく激しい様子」をあらわします。「疾風」は「強く速く吹く風」のこと。「はやて」とも読みます。

また「迅雷」の「迅」も訓読みで「はやい」と読み、「速い」「すみやか」の意味をあらわします。一方で、「迅」には「はげしい」という意味もあります。したがって「迅雷」は「速い雷」ではなく、「激しい雷鳴」をあらわします。

「疾風迅雷」は「疾風」と「迅雷」を組み合わせて「強く速い風と激しい雷鳴」をあらわします。それが転じて「勢いや動きがすばやく激しい様子」という意味の言葉になりました。アニメやゲームでも「強力ですばやい技や攻撃」の意味でよく使われます。

文学作品では、歴史小説を中心に「疾風迅雷」の使用例を見ることができます。それ以外に「疾風迅雷」を使うことはほとんどありません。使う場合は「疾風迅雷のような」「疾風迅雷の勢いで」というように比喩的な表現の形で用いるのが基本になります。

疾風迅雷の言葉の由来

「疾風迅雷」という言葉の由来は、前漢時代(紀元前206年~紀元後8年)に古代中国でに編纂された「礼記(らいき)」という書物の一節にあります。

「礼記」の「礼(れい)」はもともと行事のしきたりや道具などを総称してあらわす名詞でしたが、やがて観念的な意味が加わり、人間関係を円滑に維持するために必要な道徳の規範をあらわすようになりました。

「疾風迅雷」は「礼記」のうち「玉藻(ぎょくそう)」という編にある一説で「疾風迅甚雨有れば則ち必ず変ず」という文が由来とされています。

これは「君子は万事に備えを怠らず、もし突然の疾風や雷鳴、豪雨があれば徹夜で警戒すべし」という意味のことをあらわします。その後「疾風迅雷」という言葉のみが後世に伝わり、現在の意味で定着しました。

このように「疾風迅雷」の本来の形は「疾風迅雷甚雨」という六字熟語であり、事態に急変を気象の激しい変化になぞらえて比喩的に表現した言葉だったことになります。

疾風迅雷のビジネス上での使い方

一般的なビジネスシーンで「疾風迅雷」という言葉を使う機会はほとんどないのが実情です。漢字の読みが難しいうえに、意味が比喩的すぎるため、ビジネスに求められる事務的なコミュニケーションに似つかわしくない言葉といえるでしょう。

言葉としての知名度も決して高いとは言えません。ただし前述したように、ゲームやアニメではよく使われる言葉でもあります。

また、2020年には日本漢字能力検定協会が開発した、漢字とボールを使う新しいスポーツ「漢検ボール」のイメージキャラクターに人気書道家が揮毫した「疾風迅雷」の書が採用されています。

このように「疾風迅雷」は漢字のイメージや意味がかっこいいという理由から、ゲームやアニメ好きに人気が高く、もしもビジネスシーンで「疾風迅雷」という言葉を使って意味が通じる人がいれば、互いに趣味が一致する可能性があります。

「疾風迅雷」をゲームやアニメ関係ではなく、ごく一般的なビジネスの場で使う場合は「事態の予想外の急変」や「人のすばやい行動」について表現するときに使うことができます。

ただし、会話では意味が通じにくいので使用はおすすめできません。文書やレポートなどの文中で用いる場合は、「疾風迅来」や「疾風雷神」などと誤字を書かないように注意しましょう。

疾風迅雷の類義語と例文

疾風迅雷と同じような意味を持つ同義語としては、「電光石火」「紫電一閃」「迅速果敢」「疾風怒濤」をあげることができます。

「電光石火(でんこうせっか)」は電光(いなずま)や火打石の火が光るように一瞬の短い時間のこと。それが転じて、非常にすばやい行動をあらわします。

「紫電一閃(しでんいっせん)」は「紫電(研ぎ澄まされた剣)」をサッとひとふりした瞬間にキラッと鋭い光がひらめくように一瞬のできごとを意味します。それが転じて、事態が短時間で大きく変化することや、差し迫った状況をいいます。

「迅速果敢(じんそくかかん)」は物事をすばやく処理すること。自信を持って決断すること。実行がはやいこと。すぐに決断して行動に移せる能力などを意味します。

「疾風怒濤(しっぷうどとう)」は強く速い風と、荒れ狂う波を意味します。それが転じて、社会の情勢がめまぐるしく変化すること、国家の体制が大きな転換期を迎えること、行動や決断がすばやいこと、などを意味する言葉になっています。

「疾風」を含む熟語では「疾風迅雷」よりも「疾風怒濤」のほうが知名度も使用頻度も高いと言えます。

「電光石火」の例文

僕がLINEで田中君にメッセージを送るとなかなか「既読」にならないのに、女子社員の名前でメッセージを送ったら電光石火で返信してきたよ。

「疾風怒濤」の例文

今年は年明けから新型肺炎が世界中に広まって疾風怒濤の一年となった。

疾風迅雷の英語表現

「疾風迅雷」を英語で表現する場合は「with」か「like」のあとに「a lightning speed」「a speed of lighting bolt」「a speed of gushing wind」「a whirlwind」などの言葉を続けます。

「with」や「like」を接続しない用法では「as quick as lightning」という表現もあります。

「with」か「like」+「a lightning speed」は「光のような速度で」を意味します。

おなじく「with」か「like」+「a speed of lighting bolt」は「稲妻のような速さで」という意味をあらわします。

「as quick as lightning」も「稲妻のようにすばやいこと」という意味です。

「with」か「like」+「like lightning」も「稲妻のように速くて激しいこと」の意味です。

「with」か「like」+「like a whirlwind」は「疾風のようにすばやいこと」をあらわします。

「a lightning bolt」の例文

He grimaced as she kicked his shin like a lightning bolt.

彼女が稲妻のように素早く彼のすねを蹴ると、彼は思わず顔をゆがめた。

まとめ

「疾風迅雷」は「勢いや動きがすばやく激しい様子」をあらわす熟語です。
「疾風迅雷」は古代中国でに編纂された「礼記(らいき)」という書物の一節に由来し、本来は「疾風迅雷甚雨」という六字の言葉でした。
「疾風迅雷」は日常生活ではあまり使われませんが、ゲームの必殺技やアニメのタイトルによく使われます。
「疾風迅雷」の同義語には、「電光石火」「紫電一閃」「迅速果敢」「疾風怒濤」などがあります。
「疾風迅雷」を英語で表現する場合は「with」か「like」のあとに「a lightning speed」「a speed of lighting bolt」「a speed of gushing wind」「a whirlwind」などをつけます。