「おおよそ」という言葉は何かの量を表現するときによく使われる言葉です。「おおよそ」に似た言葉に「およそ」という言葉もあります。

この記事では「おおよそ」と「およそ」の違いや2つの言葉の意味と、どのような状況において使われる言葉なのかと、漢字表記、英語表現や類語、対義語についてを解説します。

おおよその意味・使い方


「おおよそ」の意味は「物語の大体の内容、話の概要」「断定することはできないもの、大まかに」「話し始める際に用いる、そもそも」「少しも、全然」の4つあります。

一番多く使われる意味としては「物語の大体の概要、話の概要」になります。

使い方としては「〜はおおよそ理解できている。」のように「大体」といったニュアンスで使われることが多いです。

「おおよそ」は、辞典によっては「全体の七割ぐらいの感じ」と説明されますが、7割と感じるか9割と感じるかは、個人差があるようにも思われます。

「おおよそ」は漢字で書くと「大凡、凡そ」です。

ひらがなで書かれることが多いため目にする回数は少ないですが、「大凡」「凡そ」のどちらでも「おおよそ」と読みます。

「大」は「大きい」「強い」など様々な意味がありますが「おおよそ」という意味もある漢字です。「凡」はそのまま「おおよそ」という意味です。全く同じ意味の漢字を当てはめることで「おおよそ」という言葉を作っています。

「おおよそ」と「およそ」の違い

「おおよそ」には「およそ」という似通った言葉がありますが、この2つの言葉は同じ意味です。

「およそ」でも意味は「物語の大体の内容」のような意味があります。
「およそ」は「おおよそ」が音変化したものとなります。

音変化とは「ある言語のある時期の音韻が、意味とは無関係に歴史的に変化すること」です。つまり「言いにくい言葉を言いやすくしたもの」なのでどちらも同じ意味になっています。

「おおよそ」はとても基本的な和語の語彙なので、会話にも文章にも普通に使われますが、若干古風で、「およそ」の方が今風です。
「およそ」という言葉は数字に使われることが多く、「この会社ではおよそ3000人が働いています。」などの使われ方をします。

「おおよそ」の例文には以下のようなものがあります。

「物語の大体の内容、話の概要」という意味の場合
「君に言われなくても、明日のプレゼンテーションの内容はおおよそ理解できている。」
「彼女の言いたいことはおおよそわかったつもりだが、その言葉の裏にある気持ちには気づけていないような気がする。」
「断定することはできないもの、大まかに」という意味の場合
「芸能人の友人の開いたパーティーには著名人を含め、華やかな方々がおおよそ400人ほど来ていた。」
「見たとこと彼がしているあの指輪はおおよそ500万円ぐらいの価値はあるだろう。」
「話し始める際に用いる、そもそも」という意味の場合
「おおよそ、彼があんなことを言わなければ今頃、私はこんなことにはなっていなかったと思う。」
「おおよそ、人間の男として生まれてしまった以上、金と権力と地位を求めてしまうのは仕方のないことだ。」
「少しも、全然」という意味の場合
「バイト先でナンパされた彼と行った初めての水族館デートは、おおよそ楽しくなかった。」
「音楽は興味深くどんな情報でも聞きたいと思うが、こと絵画というジャンルに関しては、おおよそ興味がない。」

「おおよそ」と「おおむね」の違い

「おおよそ」と混同しやすい言葉に「おおむね」があります。「おおよそ」も「おおむね」も「物事全体の大まかな傾向のこと」という意味では同じですが、「おおむね」は全体的な論旨や概要の意味で使われることが多く、漢字では「概ね」「大旨」と書きます。

一方、「おおよそ」は物事の全体的な傾向や大ざっぱな内容、概算の数値といった意味で用いる言葉です。「おおよそ」と「おおむね」の意味の違いはあいまいで、ほとんどの場合「おおむね」を「おおよそ」と言い換えることが可能です。

ただし「おおよそ」を「そもそも」や「総じて」の意味で用いる場合は「おおむね」と置き換えることはできません。たとえば「おおよそ政治家たる者、己の利害にとらわれてはならぬ」という表現を「おおむね政治家たる者は…」と置き換えるのは誤りです。

おおよそのビジネス上での使い方


「おおよそ」のビジネスシーンでの使い方としては、計画の進捗報告や財務報告、プレゼンテーションなどでおおまかな金額や時間を伝えたり、報告書などの概略という意味で用いるケースが一般的です。

たとえば取締役会で中期経営計画のおおまかな目標年次を示す場合、「中期経営計画の目標年次につきましては、新工場建設の進捗状況を見据えつつ、おおよそ5年後の2028年を想定しております」といった表現が用いられます。

また経営目標や予算などの概算という意味の使い方としては、「令和5年度の事業計画に揚げた数値目標はおおよそ達成できたものの、原材料費の高騰により今後の経常収支は悪化することも考えられる。」といった表現が考えられます。

ビジネスの場で正確な数値を提示する場合は、「おおよそ」のような表現は避けた方が良いでしょう。

おおよその類義語と例文


おおよその類義語としては以下のようなものがあります。

    • 大体

意味:ほとんど全部、大部分

    • 概ね

意味:およその趣旨

    • 一通り

意味:ひとわたし、普通

おおよその類義語の意味として「(量について)不正確であるがとても正確に近い」というものがあります。感覚として「おおよそ」や「およそ」よりも量の割合としては多いものとなっています。

類義語の例文としては以下のようなものがあります。

大体の例文
「生まれも育ちもこの町なんだから、この辺りのことは大体把握しているに決まっている。」
概ねの例文
「手術後は感染症のリスクもありひどく心配したが、今のところ容体は概ね良好らしく本当に良かった。」
一通りの例文
「この図書館のこの棚からあの棚までは一通り読みつくしてしまったが、大して興味深いものはなかった。」

おおよその対義語と例文


対義語としては以下のようなものがあります。

    • かっきり

意味:区画がはっきりしているさま、数量などに端数がないさま。

    • 丁度

意味:それより多く(大きく、遅く)も少なく(小さく、早く)もないこと

    • きっちり

意味:きちんとあっているさま、数量などに端数がないさま

おおよその意味が「大体」「大まかに」になるので、対義語としては「丁度」のような実際に行なった結果が、基準となる数量や状況などに、「多くもなく、少なくもなく、きっちり過不足のないさま」という意味を持つ言葉が対義語となります。

対義語の例文としては以下のようなものがあります。

かっきりの例文
「この木からあの真っ白のお城のような建物までの距離はかっきり365mです。」
丁度の例文
「僕が初めて人に恋をしたのは、忘れもしない、丁度小学五年生の春のことだった。」
きっちりの例文
「おい、これで終わりだと思うなよ。今までのやられた分の借りはきっちりと返してもらうからな。」

おおよその英語表現


おおよその英語表現は「just about」「rough」になります。

意味は「(量について)不正確であるがとても正確に近い」になります。この他にも「approximately」「more or less」「close to」など多くの英語表現が存在します。

例文としては以下のようなものがあります。

「The rough outline of the theory is already known to scientists.」
訳:その理論のおおよそのところはすでに科学者にはわかっている。
「Roughly how much is that going to be?」
訳:それは大体いくらになりますか?
「Just about everybody passed the exam.」
訳:ほとんど全員が試験に受かった。

まとめ この記事のおさらい

  • 「おおよそ」の意味は「物語の大体の内容、話の概要」「断定することはできないもの、大まかに」「話し始める際に用いる、そもそも」「少しも、全然の4つ
  • 「おおよそ」の漢字は「大凡」「凡そ」
  • 「大」は「大きい」「強い」など様々な意味がありますが「おおよそ」という意味もある漢字で「凡」はそのまま「おおよそ」という意味。全く同じ意味の漢字を当てはめることで「おおよそ」という言葉を作っている
  • 「おおよそ」と「およそ」は同じ意味で音変化したもの
  • 音変化とは「ある言語のある時期の音韻が、意味とは無関係に歴史的に変化すること」
  • 「おおよそ」はビジネス上、目上の方に対しても使うことができる。
  • 「おおよそ」の類義語は「大体」「概ね」「一通り」
  • 「おおよそ」の対義語は「かっきり」「丁度」「きっちり」
  • 「おおよそ」の英語表現は「just about」「roughly」