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この記事では「セレンディピティ」の意味や使い方について解説いたします。
「セレンディピティ」はノーベル賞の受賞者がインタビューで使ったりする等、芸術家や科学者等がよく使う言葉です。
また発明家や企業の開発職や研究職でも使われることがありますが、日常的に見聞きすることは多くないかもしれません。
そこで今回は「セレンディピティ」の語源や「シンクロニシティ」との違い等も含めて取り上げました。
ニュースの内容等をより理解できるよう、その意味や使い方等一つずつ確認してみましょう。
セレンディピティの意味と使い方
「セレンディピティ」は「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」や「偶然な幸運を発見したり気づいたりする能力」といった意味です。
例えば予定通りの実験をするつもりが手順を間違えてしまい、それが結果的に世紀の大発見に繋がる等、科学分野でよく見受けられます。
また企業の開発や研究分野でもよく使われ、スリーエム社のポストイットやコカ・コーラ社のコカ・コーラの事例はあまりにも有名です。
また、「セレンディピティ」は例えば以下のように使います。
「今回の受賞に至った要因は何ですか」等という質問に対する返答の場面です。
偉大な発明や発見は偶然の産物であるということを伝えようとしているのが読み取れるでしょう。
セレンディピティの語源
「セレンディピティ」は「serendipity」という英単語が語源だといわれています。
また「serendipity」は18世紀のイギリスの小説家であるホレス・ウォルポールの造語です。
ウォルポールが幼少期に読んだ「The Three Princes of Serendip」(邦題:「セレンディップの三人の王子たち」)は、「セレンディップ」(現在のスリランカ)の王子たちが旅の道中様々な発見をしていく物語です。
王子たちはその能力や才能により有益な発見を度々するのですが、それらはウォルポールの心に深く留まりました。
そしてウォルポールが偶然の発見を友人に手紙で説明する際に「セレンディピティ」という造語を使い、それが徐々に広まっていったとされています。
「セレンディピティ」と「シンクロニシティ」の違い
「セレンディピティ」と似た言葉としてよく取り上げられるのが「シンクロニシティ」です。
「シンクロニシティ」は心理学者ユングが提唱した概念で、「意味のある偶然の一致」という意味で使われています。
「共時性」と訳されることもありますが、これは「因果関係がない複数の出来事が、関連した意味を持ちながら同時に起こる現象のこと」という意味です。
例えば取引先に電話をしようとしたら、たまたま先方から電話がかかってきた場合「シンクロニシティ」だといえます。
「セレンディピティ」との違いとしては、「セレンディピティ」が幸運により何かしらを手に入れるという「成果」のニュアンスを含んでいるのに対し、「シンクロニシティ」は「現象」の意味合いが強く「成果」ではありません。
なお両者は「無意識の働きが作用して偶然起こるもの」という共通点があります。
アメリカの映画「セレンディピティ」
アメリカの映画で「セレンディピティ」というタイトルの作品があります。
二人の男女がほんの偶然から出会い、また再会を果たす等数多くの「セレンディピティ」を通してお互いに惹かれていくラブストーリーです。
様々な「セレディピティ」が重なって最後には結ばれるこの作品は、「セレンディピティ」の意味を理解した上で観るとより深く楽しめるかもしれません。
ロマンチックな展開や運命的な内容が好きな人にはとても楽しめる作品だといえるでしょう。
セレンディピティのビジネス上での使い方
「セレンディピティ」はビジネス上では例えば次のように使います。
議題の専門家ばかりが集まると、同じような考えや意見に終始する可能性があります。
過去の知見や固定観念に捉われない柔軟な発想と意見は正に「セレンディピティ」を期待したものだといえるでしょう。
製品の良さだけでなく、製作された経緯も広く知られていることが読み取れます。
「セレンディピティ消費」の意味と例文
今日ではネットやスマートフォンが広く普及し、買い物をしたり飲食を楽しんだりする際事前に詳細を確認する行為がよく見られるようになりました。
その行為はある程度期待通りの商品やサービスを得られる一方、万事が予定調和でつまらないという意見もあります。
そこであえて調べずに予測できない出会いを求めるのが「セレンディピティ消費」です。
「セレンディピティ消費」はネットで調べることによる煩わしさや退屈さから解放され、新たなワクワクと出会えるきっかけとして大いに注目されています。
セレンディピティの類義語と例文
「セレンディピティ」の類義語としては、次のようなものが挙げられます。
- 偶然力
- 洞察力
また例文としては以下のようなものが考えられるでしょう。
「偶然力」とは「偶然を引き起こしたり気づいたりする力」のことです。
この例では、この「偶然力」によって当該製品が開発されたということが読み取れます。
「洞察力」とは「観察しただけでは見えないものを、直感的に見抜いて判断する能力」のことです。
新たな開発をする上で、「洞察力」は重要だといわれています。
セレンディピティの英語表現
「セレンディピティ」を英語で表現すると、以下のようなものが考えられます。
- serendipity(セレンディピティ)
- insight(洞察力)
これらを使うと、以下のような例文を作ることができます。
(思わぬ偶然によりそこでたまたま彼女と会った。)
元々会う約束をしていたわけではないのに、行き先でたまたま知り合いや友人と出会うことがあります。
この例文でも、思わぬ偶然により彼女と会ったということが読み取れるでしょう。
(彼は深い洞察力を持っている。)
「profound」には「深い」や「重大な」等といった意味があります。
この例では「insight」の前に付いているので、「深い洞察力」という意味だと解釈できるでしょう。
まとめ この記事のおさらい
- 「セレンディピティ」は「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」や「偶然な幸運を発見したり気づいたりする能力」といった意味がある。
- 「セレンディピティ」は「幸運により何かしらを手に入れるという「成果」のニュアンスを含んでいるのに対し、「シンクロニシティ」は「現象」の意味合いが強いという違いがある。
- あえてネットで調べずに新たな出会いを期待する「セレンディピティ消費」は調べる煩わしさや退屈さから解放され、新たなワクワクと出会えるきっかけとして注目されている。