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上司が「ガバナンスを強化しないと…」と言った時、正しい意味はなんだろうと不安に思うことはありませんか。 「ガバナンス」という言葉は、わかりにくい言葉です。あらためて、「ガバナンス」の意味や「ガバナンス」を強化するとはどういう意味かなどをご紹介します。その結果、ビジネスシーンにおいて、誤解で恥をかいたり、スムーズに話が進まなかったりすることがなくなります。
ガバナンスとは
日本のビジネスシーンにおいて、「ガバナンス」と言えば「コーポレートガバナンス」を意味しています。日本語に直訳すると「企業統治」ですが、日本語にしても意味がはっきりわかりません。
以前は一般的には、“経営者を監視する仕組み”のように言われていましたが、2015年に東証が発表した定義では、ちょっと違っています。
「コーポレートガバナンス」とは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う
ための仕組みを意味する。
(出典:株式会社東京証券取引所コーポレート・ガバナンス・コード)
簡単に言えば、「企業が、株主や他の利害関係者(社会含み)のために、しっかり運営する」仕組みのことと言えます。
ガバナンスを強化する意味
「ガバナンス」には基本原則もあります。
1. 株主の権利・平等性の確保
2. 株主以外のステークホルダー※との適切な協働
3. 適切な情報開示と透明性の確保
4. 取締役会等の責務
5. 株主との対話
※ステークホルダーとは、利害関係者のことで従業員・顧客・取引先・債権者・地域社会全体などを意味します。
(出典:株式会社東京証券取引所コーポレート・ガバナンス・コード)
定義にも基本原則にも、株主やステークホルダーと対外的な関係者が並びます。
従来の日本の会社経営では内部統制のみに力を入れていましたが、企業の不祥事が数多くあったことやバブル崩壊後の経済低迷からなかなか脱げ出せなかったことなどから、企業はもっと透明性を持ち、社会経済に貢献すべきとの考えが出てきました。
このように定義と原則から考えると、広い意味でのガバナンス強化は、内部も対外的にも企業全体を強化することと理解できます。
企業が成長(業務の有効性アップ)し、その成長で株主やステークホルダーへの権利の確保ができれば、利害関係者だけでなく社会の発展にも貢献できるように仕組みを強化するという意味です。
しかしながら、社会貢献するためには、まずは利益を上げなければ社会貢献はできません。そういう狭い意味では、従来のように、ガバナンス強化は内部統制、つまり業務の有効性・効率性の向上や法令順守などを整えることとも言えるでしょう。
ガバナンスという用語が使われる場面
実際のビジネスシーンでは、「ガバナンス」は企業の運営・管理など内部統制にスポットをあてた、狭い意味で使われる場合がほとんどでしょう。
例えば、「ガバナンスにおけるわが社の課題はなにか?」「利益拡大のために、ガバナンスを強化していくことが重要だ。」などと使います。
まだ権力を持っていない人が、広い意味でのガバナンスについて会社で話していると、違和感を持つ人もいるかも知れません。
ガバナンスが強化できない企業はどうなる
ガバナンス強化が出来ていない企業は、
(業務が円滑に行われていない、信頼性のある財務ではない、法令順守されていないなど)
(資産管理ができていない、新たな価値(将来の利益など)を生み出せないなど)
(雇用を創出し利益を上げて納税していない、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)に取り組んでいないなど)
などとみなされる可能性があります。
まとめ
ビジネスにおいては「ガバナンス」と言えば「コーポレートガバナンス」を意味し、「企業が、株主や他の利害関係者(社会含み)のために、しっかり運営する」仕組みのことを言います。ガバナンス強化とは、広い意味:利害関係者だけでなく社会の発展にも貢献できる仕組みの強化、狭い意味:内部統制の強化と言えます。ガバナンスができていない企業は、価値が低いとみなされます。
「ガバナンス」は会社全体のあり方で抽象的な広い意味ですが、実際のビジネスシーンでは内部統制など比較的狭い話をしている可能性が高いでしょう。概念に近い言葉なので、いくつかの自分なりの解釈を持っておくと、ビジネスシーンでの会話もスムーズでスマートに進みます。