煩雑とは?意味や読み方、類語や例文などを解説

煩雑

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この記事では「煩雑」について解説いたします。どちらかというと口語よりも文語で見かけることがある言葉ではありますが、その読み方や意味についてはよく分からないという人もいることでしょう。

そこで今回は「煩雑」の読み方や意味、使い方や例文なども含めてまとめました。この記事の中で一つでも参考になる内容があれば幸いです。

煩雑の読み方と意味

「煩雑」は「はんざつ」と読み、「込み入っていてわずらわしいこと」という意味です。「ひんざつ」や「ほんざつ」、「ぼんざつ」と読んでいるケースがありますが、これらは誤読なので注意しましょう。

特に「煩」は「煩悩」(ぼんのう)のように「ぼん」とも読めるため、意識して読み方に気を付ける必要があります。誤読してしまうと意味が通じず意思疎通ができなかったり、一般常識がない人だと思われる恐れがあるからです。

「煩」という字には「ゴタゴタとしていて煩わしい」、「雑」には「色々なものが統一なく入り混じっている」という意味があります。そのような意味がある「煩」と「雑」が合わさって上記のような意味になるというわけです。

煩雑の使い方と例文

「煩雑」は物事が込み入っていて煩わしいと感じる場面で使われる言葉です。したがってネガティブなシーンで用いられることが多い言葉だといえます。

「煩雑」を使用する上でのポイントは物事が「込み入っていること」と「煩わしいと感じること」のどちらも含まれていることです。単にどちらかだけでは「煩雑」とはいいません。

また「煩雑」の具体的な使い方については、以下の例文をご参照ください。

例文
  • ここ数日で煩雑な業務が度重なり、他の仕事はどうしても後回しになってしまった。
  • 大規模なシステム改修のおかげで、従来の煩雑な作業をする必要がなくなった。
  • 手続きが煩雑なため、思っていたよりも時間がかかってしまった。

煩雑化とは

「煩雑」は「煩雑化」という表現でも使われることがあります。「煩雑化」とは「物事が込み入って煩わしくなること」という意味です。

もう少し踏み込んで解釈すると、「(これまでそうではなかったものが)込み入って煩わしくなること」という状況の変化がニュアンスとして含まれます。したがって最初から「煩雑」であるものに対して「煩雑化」という表現を用いるのは適切ではないということです。

そのことを踏まえた上で、以下に挙げた「煩雑化」の例文を一つずつ確認していきましょう。

例文
  • せっかく新機種を導入しても、かえって手続きが煩雑化するのでは本末転倒だ。
  • 顧客の幅広い要望に次々と応じていった結果、従業員の業務はそれに比例して煩雑化していった。
  • 煩雑化する一方の業務を解消するため、部内間で意見交換することとした。

煩雑の類義語

「煩雑」には様々な類義語が存在しますが、その中でもよく取り上げられるのが「複雑」と「繁雑」です。これらは「煩雑」と混同されたり、あるいは誤った意味で使われたりすることがあります。

そこでこの項目では、そのようなことがないように「複雑」と「繁雑」の意味と使い方について取り上げました。それぞれの類義語との違いも含めてまとめていますので、違いを意識しながら確認していきましょう。

複雑

「物事の事情や関係が込み入っていること」という意味です。

「複雑」と「煩雑」はどちらも「込み入っている」という点では共通しています。その一方で「煩雑」は「煩わしい」という感情が入ってくるのに対し、「複雑」にはそのような意味がありません。

したがって単に「込み入っている」ということを表現したいのであれば「複雑」、それに加えて「煩わしい」という感情も表したいのであれば「煩雑」を使用するという風に使い分ける必要があります。

また以下にて「複雑」の使い方を確認しておきましょう。

例文
  • 複雑な事情があり、彼は今日の授業を全て欠席した。
  • 複雑な物事でも、なるべくシンプルに考えるようにしている。
  • 仕事の一環とはいえ、クレーム対応もしなければならないのは複雑な心境になる。

繁雑

「繁雑」は「煩雑」と同じように「はんざつ」と読みますが、意味は「物事が多くて、ゴタゴタしていること」です。読み方自体は同じですが、その意味は少し異なります。

「煩雑」も「繁雑」も「ゴタゴタしている」、「込み入っている」、「煩わしい」といった意味で共通していますが、「煩雑」は「込み入っていて煩わしい」という点が主な意味です。それに対して「繁雑」は「物事が多い」という意味が強いというのが違いとして挙げられます。

しかしながら、どちらの字も辞典によっては一括りにされていることもあるほど意味が似通っていることから大まかには同じ言葉だと解釈しても大きな間違いではないかもしれません。

なお「繁雑」は以下のように使用します。

例文
  • 繁雑な状態を解消するため、タスクを一つずつ片付けている。
  • やることが溜まっており、繁雑多忙な毎日を過ごしている。
  • 日常業務の繁雑さにはうんざりしている。

煩雑の対義語

「込み入っている」ことの反対という点で、「煩雑」の対義語は「簡略」や「簡易」といったものが考えられるでしょう。「簡略」は「かんりゃく」と読み、「簡単で略式であること」という意味です。

また「簡易」の読み方は「かんい」で、「手続きや手順が簡単で、たやすく行えること」という意味があります。どちらも簡単で容易に行えることを表すことから、「煩雑」の対義語として適切です。

これらの対義語を使った例文としては、次のようなものが挙げられます。

例文
  • これまで窓口でしかできなかった手続きがネットから行えるようになり、手続きが簡略になった。
  • エコロジーの観点から近年では過剰な包装が減ってきており、簡易な包装のみになっているお店が主流になってきた。

煩雑の英語表現

「煩雑」の英語表現は「complicated」が最もふさわしいでしょう。英単語の「complicated」は「複雑な」や「込み入った」という意味があります。

例えば「a complicated question」は「込み入った質問」や「難問」と訳すことができます。また「complicated」を使った例文としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

例文
  • He has a complicated question.
    (彼は難題を抱えている。)
  • I can’t do such complicated task.
    (そんな込み入ったタスクはできない。)
  • It’s too complicated.
    (それはあまりにも込み入っている。)

まとめ この記事のおさらい

  • 「煩雑」は「はんざつ」と読み、「込み入っていてわずらわしいこと」という意味がある
  • 「煩雑」を「ひんざつ」や「ほんざつ」、「ぼんざつ」と読むのは誤読なので注意する必要がある
  • 「煩雑化」とは「物事が込み入って煩わしくなること」という意味があり、これまでそうではなかったものが込み入って煩わしくなるという状況の変化がニュアンスとして含まれる
  • 「複雑」は「物事の事情や関係が込み入っていること」という意味で使われる言葉で、「煩雑」との違い「複雑」には「煩わしい」という感情がない
  • 「繁雑」は「物事が多くて、ゴタゴタしていること」という意味があり、「煩雑」は「込み入っていて煩わしい」というのが主な意味なのに対し、「繁雑」は「物事が多い」という意味が強いという違いがある
  • 「煩雑」の対義語は「簡略」や「簡易」といったものが考えられる
  • 「煩雑」の英語表現は「complicated」が最もふさわしい

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