怜悧とは|読み方・意味と使い方、類語・対義語・英語表現を解説

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ここでは、「怜悧」という言葉の意味や使い方、類義語などについて解説しています。
「怜悧」は、ふだんの生活では滅多に見ることのない言葉です。

そのせいか、「鋭利」や「冷涼」「冷酷」といった、似たような言葉と混同されることも少なくありません。

実際、インターネットの企業サイトや、きちんとした出版物でも「怜悧で清澄なわき水」とか「怜悧で残酷で攻撃的」といった誤用に接することがあります。
でも「怜悧」という言葉に「残酷」や「冷たい」といった意味はありません。

文字や語感から、そのような誤解をしないように注意が必要な言葉です。この記事を通して、「怜悧」という言葉について多角的に学ぶことができます。

怜悧の読み方と意味

「怜悧」は「れいり」と読みます。

「怜(れい)」という字は、訓読みでは「あわれむ」「さとい」などと読みます。

意味としては、「いとしく思う」「かわいがる」「頭が良い」などを表す漢字です。

また、「悧(り)」という字は、訓読みでは「さかしい」と読みます。
こちらも「頭が良い」ことを意味する漢字です。

このように「怜悧」は、同じ意味を持つ「怜」と「悧」という二文字を合わせた言葉です。

意味は「とても利口で賢いこと」「頭脳明晰で、優れた判断力を持っていること。またはそのような様子」を表します。

なお、漢字では「怜悧」のほかに「伶俐」とも書きますが、読みも意味も「怜悧」と同じです。

このように「怜悧」には悪い意味は全くありません。「冷たい」という意味もなく、「冷酷」という意味もありません。ただ単に、頭が非常に良いことだけを示す言葉です。
例外があるとすれば、「怜悧狡猾」という四字熟語があります。これは「怜悧」に「狡猾(こうかつ)」という「悪賢いこと」を意味する語を合わせた熟語で、「抜け目がなく、非常にずる賢いこと」を表します。

それでも「怜悧狡猾」の悪い意味は「狡猾」が持つ意味だけです。「怜」という字から、「冷酷な」という誤ったイメージを持たないように注意しましょう。

怜悧の使い方

「怜悧」は基本的に人としての知能の高さを示す言葉です。

したがって「利口」のように、犬や猫、猿やイルカなどの動物の賢さを示す意味で使われることはほとんどありません。

一方、コンピューター技術の発達により、「怜悧」という語がAIなどの進化の表現に使われるケースもあります。
たとえば富士フイルムは自社の光メディカルAI技術のブランドネームとして「REiLI(怜悧)」という造語を採用しています。

怜悧の例文

前述のように、怜悧は基本的に人物の頭の良さや、判断力の優秀さを表す言葉です。
それをふまえた例文を以下に示します。

数々の難事件を解決に導いた名探偵の明智大五郎は、持ち前の怜悧な推理により、ついに怪人八十八面相の正体を見破った。
正月に両親の実家に帰省した小学生の息子は、気前の良い祖父母に「じいじ、ばあば」と怜悧に甘えて、前年比二倍増のお年玉をガッチリせしめた。

怜悧の類義語

怜悧と同じ意味を持つ類義語としては、「利口」「賢明」「聡明」「利発」などをあげることができます。

「利口」は、かしこくて頭の回転が速いこと、抜け目がないことを意味します。「利口」は、人間専用の「怜悧」とちがって、人間以外の動物の賢さの表現にも用いられます。

「賢明」は、やり方や判断が適切で、理にかなっていることを意味します。また「怜悧」は人の賢さだけを意味する言葉ですが、「賢明」は「賢明なやり方」のように手段や方法についても使われます。

「聡明」は、理解や判断が速く、かしこいことを意味します。「怜悧」はただ単に「頭が良い」というだけの意味ですが、「聡明」には、「かしこく正しい行いをする人」という人格者のイメージがあります。

「利発」は「利口発明」の略語です。この「発明」は「それまでになかったものを新たに考え出すこと」という一般的な意味ではありません。この場合の「発明」は、「利口」と同じく「理解が早いこと、頭の回転が速いこと」を意味します。

怜悧の対義語

怜悧と逆の意味を持つ対義語としては、「愚昧(ぐまい)」「蒙昧(もうまい)」「暗愚(あんぐ)」「愚鈍(ぐどん)」「魯鈍(ろどん)」などがあります。
「愚昧」は、愚か者で人の道理を理解しないことを意味します。

「蒙昧」は、もともと「暗い」という意味ですが、それが転じて「無知で道理に暗いこと」を意味するようになりました。基本的には「無知蒙昧」という四字熟語を形成し、「知恵や知識がなく、物事の道理を理解できないこと」を意味する語として使用されます。

「暗愚」もまた、道理に暗いこと、愚かなことを意味します。

「愚鈍」は、頭や運動神経がにぶいこと。のろまなことを意味します。

「魯鈍」は「ろどん」と読みます。あまり一般的な言葉ではありませんが、「魯」には「おろか」「にぶい」などの意味があります。「魯鈍」の意味は「愚鈍」と同じですが、「魯鈍」には軽度の知的障害を示す意味もありますので、使用には注意が必要です。

また、「不肖」という、自分や息子などをへりくだって称する言葉も、「未熟で愚かなこと、父や師より劣ること」という意味で用いられますので、「怜悧」の対義語に含めることができます。

怜悧の英語表現

「怜悧」と同じ意味の英語としては、「bright」、「clever」「intelligent」「wisdom」などをあげることができます。

「bright」は利口なことを意味します。

「clever」は賢いこと、抜け目がないことを意味します。

「intelligent」は高い知性や理解力があることを意味します。

「wisdom」も賢いことを意味する言葉です。

「bright」の例文

Though he seemed to be a bright and good businessman, we soon realize that he was in deep trouble.
(彼は聡明で優秀なビジネスマンに見えましたが、私たちはすぐに、彼が深刻な問題を抱えていることに気づきました。)

「clever」の例文

He was incredibly clever instructor, in that he could always understand his students and predict their interests.
(彼は自分の生徒たちにいつも理解を示し、彼らの興味を察知できるという点で、信じられないほど優れた講師でした。)

「intelligent」の例文

His mother is so intelligent that she can recognize that her husband is not intelligent.
(彼の母親は知的レベルがとても高い人なので、夫に知性がない、ということをきちんと認識することができます。)

まとめ この記事のおさらい

  • 「怜悧」は「れいり」と読みます。
  • 「怜悧」は頭脳明晰で、判断力に優れていることを意味します。
  • 「怜悧」自体に悪い意味はありませんが、「怜悧狡猾」という言葉は「ずる賢いこと」を意味します。
  • 「怜悧」の類義語には「利口」「賢明」「聡明」「利発」などがあります。
  • 「怜悧」の対義語には、「愚昧」「蒙昧」「暗愚」「愚鈍」などがあります。
  • 怜悧の英語表現は「bright(利口な)」、「clever(賢い、抜け目がない)」「intelligent(高い知性や理解力がある)」wisdom(賢いこと)」などがあげられます。