妙齢|意味・類義語・対義語・英語表現と例文を解説

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ここでは「妙齢」について詳しく解説いたします。正しい意味や誤用についてなどを把握しておけば、相手に不快な思いをさせずに使えるでしょう。

「妙齢」とは何歳くらいのことを指す言葉なのか、正確に説明できる人は少ないでしょう。若い人を指すという人もいれば、熟年以上の人を指す言葉だという人もいるからです。

ただ、年齢に関しての言葉はとてもデリケートです。特に「妙齢」は年齢に敏感な女性に対して使う言葉なので、注意する必要があります。

妙齢の意味と使い方・何歳をあらわすのか

「妙齢」の意味を辞典で調べてみると「(とくに女性についていう)若い年ごろ。――の婦人」とあります。(参考:角川 漢和辞典)

また、女性について年ごろというとき、結婚できるくらい心身ともに成熟した独身女性という意味が含まれます。

「妙齢」の使い方は“妙齢の婦人”、“妙齢の女性”などです。

「妙齢」は、具体的に何歳から何歳までと定義されてはいません。なぜなら、「若い」の基準が人の主観によって異なるからです。

平均寿命が30〜40歳といわれた江戸時代までは、若い女性というと10代半ばから19歳くらいまでを指したかもしれません。20歳を過ぎると「年増」と言われました。

しかし、人生100年時代の現代では、50歳が折り返し地点です。そのため若い女性の基準も人によってはかなり幅があります。また、数多の美容法が確立されていることもあり、30代40代でも美しい人はたくさんいます。

むしろ、美しさの価値観が多様化した現代のほうが、年齢だけで美しさを決める「妙齢」という言葉の使い方が難しいかもしれません。

妙齢の注意点

「妙齢」という言葉を使う際に注意しなければならないのは、熟年や高齢のことだと誤解している人が多いという点です。

そのような誤解が生まれた原因は、漢字という視点から考えると分かります。「妙齢」とは妙なる年齢のことですが、「妙」の意味は、以下の3通りがあります。

    1.「女」と「少(こまやか)」を合わせて女のこまやかな様子を表す。この上なく美しい。言うに言われない美しさ。
    2.たくみな。妙案・巧妙・絶妙。
    3.不思議な。奇妙・珍妙。

(角川 漢和辞典)

元々「妙」は、「いうにいわれない美しさ」を示すものです。しかし、「巧みな」「珍妙な」という意味もあることから、「妙齢」を熟練した女性や、婚期が過ぎた微妙な年齢の女性をさすものと誤解している人も多いのでしょう。

また、「意味」の部分でも説明した通り、「妙齢」は結婚できる年ごろという意味も含みます。昔の女性は若いうちに結婚することが一般的だったため、若いイコール結婚適齢期でした。つまり、「妙齢」は結婚適齢期とほぼ同義語だったのです。

結婚適齢期の平均年齢をデータで見ると、昔と今とでは年齢の差がかなりあることが分かります。

明治〜大正2年:22.9歳
大正3〜昭和31年:23.0〜23.9歳
昭和32〜昭和63年:24.0〜25.8歳
平成元年〜平成15年:25.8〜27.6歳
参考:厚生労働省 人口動態調査

ご覧のように、初婚の平均年齢は現在と昔を比べるとおよそ5歳も上がり、もはや20歳そこそこで結婚する人が大きく減ってきています。

にもかかわらず、現在でも結婚適齢期と「妙齢」が同義語だという概念だけが取り残されているため、勘違いが生じるのでしょう。加えて、結婚適齢期を過ぎた女性とも混同されて、「妙齢」を熟年女性と誤解する人がいると考えられます。

妙齢は会社やビジネスシーンで使える言葉か

女性を褒める意味で「妙齢の女性」と使う人がいますが、ビジネスシーンでは女性の年齢を持ち出すこと自体が失礼に当たります。

なぜなら、仕事内容に関係のない場面で年齢について持ち出すことは、ビジネス以外の価値観で女性を見ていることになるからです。一歩間違えればセクハラ問題に発展しかねません。

一般的に、男女を問わず若いことを、経験が浅いたとえとして使う場合がありますが、これは概ね事実からくる周知のことです。しかし、女性の年齢を言うときに含まれる美しさは仕事には全く関係がないので、褒めたつもりでもかえって不快にさせてしまう場合があります。

ただ、そうはいっても女性は美しさや若さに敏感なので、褒められればやはり嬉しいものです。しかし、先述したように女性の中にも「妙齢」を“年齢のいった独身女性”という意味だと勘違いしている人も多く、面と向かって言うと不快にさせることもあるため注意が必要です。

妙齢の類義語

「妙齢」の類義語は、weblio類語辞典では以下となります。

  • 娘盛り
  • 年ごろの
  • 結婚適齢期の

また、goo辞書の類義語では以下となっています。

  • 娘盛り
  • 女盛り
  • 芳紀

「娘盛り」は娘として最も容色の美しい年ごろ、結婚前の女性という意味です。一方の「女盛り」は、精神的・肉体的に成熟している女性を指し、「娘盛り」よりは年齢的に上とされています。

つまり、「娘盛り」は10代後半くらいからの女性を言いますが、「女盛り」に感しては30代40代まで含まれるのです。

ちなみに「芳紀」の意味は、「女性の若くて美しい年ごろ」で、娘盛りを迎えようとするころの年齢をいうことが多いとされています。

妙齢の例文

では、実際に使う際の具体的な例文をご紹介します。

  • たしかあの家には妙齢の女性がいたはずだ。
  • 向こうから妙齢の美人がやってくる。
  • 隣の席に妙齢の女性が座っていてドキドキした。
  • ダンスの相手は妙齢の御婦人だった。
  • 妙齢の婦人からいただいた手紙。

「妙齢」を使うシーンは、プライベートや結婚話が絡むときなどで、ビジネスとは関係のない場面が多いでしょう。

類義語の例文

次に、類義語の例文もご紹介します。

  • 娘盛りの女性が集まると場が華やぐ。
  • 娘盛りには明るい色の服装がよく似合う。
  • 育児のために女盛りの時期を棒にふった。
  • 30代の女盛り。
  • 年ごろの女性特有の繊細さ。

「娘盛り」や「年ごろの女性」は、「妙齢」という言葉を使わずに若くて美しい女性を言いたいときに重宝します。また、ただ若い年齢の女性を指す場合にも使うので、余計な誤解が生じにくくなるでしょう。

ただし、同じ類義語の中でも「結婚適齢期」は、昨今では女性が結婚する時期の幅が広く、一概に何歳くらいと言えなくなっています。そのため、安易に使うと認識のズレが生じて意味があやふやになり、伝わりにくくなる場合があります。

また、「芳紀」は日常では耳慣れない言葉ですが、小説『三国志』の一節で、以下のように使われていました。

“貂蝉は、芳紀(とし)十八、その天性の麗わしさは、この後園の芙蓉の花でも、桃李の色香でも、彼女の美には競えなかった。”
(『三国志 吉川英治(著)』より)

まとめ この記事のおさらい

「妙齢」は若くて美しい女性を賛美する際に使われる言葉ですが、受け取る側が誤解しているケースや、使うシーンによっては不快を招くことがあるため、十分な注意が必要です。

  • 「妙齢」の意味は“年齢が若く美しい女性“だが、”結婚できるほど成熟した独身女性“という意味も含まれる。
  • 「妙齢」は、男女ともに中高年の女性のことを指すと誤解している人が多く、面と向かっての発言は不快にさせてしまう可能性がある。
  • そもそも仕事内容と女性の年齢は関係ないため、ビジネスシーンでは「妙齢」を使わないほうが無難である。
  • 「妙齢」の同義語は「娘盛り」や「女盛り」「芳紀」。
  • 「妙齢」は、昔は結婚適齢期と同義語だったが、現在は当てはまらない場合も多い。