弊害とは|意味・読み方、類義語・対義語・英語表現と例文を解説

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「弊害(へいがい)」という語は皆さんもよくご存知だと思いますが、つい漢字をまちがえて「併害」と書いてしまったり、意味を「害を併せ持つ」だと思っていたりすることはないでしょうか。

そもそも「併害」という熟語は存在しませんし、弊害の「弊」は「併」と読みは同じでも、意味は異なります。
「弊害」の正しい意味を理解せずに使っていると、ほんとうに「弊害」が生じるかもしれません。

そこで今回は、「弊害」の意味や使い方を、類語や対義語、英語表現などを交えて解説します。
「弊害」を「併害」と混同しがちな方は、本項を参考にして、知識の修正に役立ててください。

弊害の読み方・意味・語源

弊害の読み方

「弊害」は「へいがい」と読みます。「弊」は音読みでは「へい」、訓読みでは「弊れる(やぶれる)」「弊える(ついえる)」などと読みます。

一方、「害」は音読みでは「がい」。訓読みでは「害なう( そこなう)」「害い(わざわい)」などと読みます。
現代の日本語では、「弊」も「害」も訓読みすることはほとんどありません。

弊害の意味

弊害は「他に害を及ぼすような悪いこと」「害になること」をあらわす名詞です。もう少し掘り下げると、「何かをすることで、他に与える不都合や悪影響のこと」といったニュアンスがあります。

たとえば福沢諭吉は「学問のすゝめ」で、次のように論述しています。

事物の弊害はややもすればその本色に反対するもの多し。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、すなわち弊害と本色と相反対するを評したる語なり。

つまり福沢諭吉がここで説いている「弊害」とは、「多くの場合、事物の本質とは正反対の結果になる」ということと、「『過ぎたるは及ばざるがごとし』とは、事物の弊害と本質とが相反することを意味する格言である」ということです。

この説明から、弊害は「良いと思ってやったことが裏目に出る場合が多い」というニュアンスが感じられます。

弊害の語源

弊害の「弊」には、

1.害になる
2.破れる。ボロボロになる。
3.疲れる。倒れる。
4.「弊社」のように謙譲を示す。

などの意味があります。

「弊」の字源は「敝」の下に「犬」をつけたもので、犬が疲れて倒れることを意味しています。

次に「害」は、何かを傷つけることを意味する漢字です。

そこから転じて、損なう、壊す、妨げる、といった意味で使われるようになりました。
従って「弊害」は、「弊」と「害」という似た意味の漢字を組み合わせた熟語になります。

弊害の例文

例文1
リストラは人件費削減には有効だが、社員の勤務意欲を低下させる弊害を伴う。
例文2
コーヒーにはさまざまな薬効がある一方で、飲み過ぎると健康に弊害があるとも言われている。
例文3
業務の行き過ぎたマニュアル化は、従業員の自由な発想を阻害するという弊害を生じる。

弊害の類義語

「弊害」の類義語としては、害悪、不都合、厄難、禍害、障害、支障、差し支え、毀損、ダメージ、阻害要因などがあります。

厳密には、「支障」や「差し支え」は「何かをするのに都合が悪い事情がある」という意味が強く、「弊害」のように「害」があると言い切るほどネガティブなニュアンスはありません。

同様に「障害」は「進行を妨げるもの、じゃまになるもの」という意味ですが、「弊害」は何かの行動や作用が及ぼす悪影響を意味する、といった違いがあります。

弊害の対義語

弊害と逆の意味を持つ対義語としては、「恩恵」「賜物(たまもの)」などをあげることができます。

類義語と対義語の例文

類義語の例文

不都合

「不都合」は都合が悪い、道理に合わない、常軌を逸している、などを意味する単語です。

例文:現代社会では、クレジットカードがないと、日常生活でさまざまな不都合がある。

支障

「支障」の意味は「不都合」「差しつかえ」などと同じです

例文:気象警報の発令等で通学に支障が生じた場合は、休校とする。

差し支える

「差し支える」は、何かをするときにさまたげになる、都合の悪いことになる、といった意味の言葉です。

例文:午後からの仕事に差し支えるので、昼食で香辛料の強い料理をいただくのは避けるようにしている。

対義語の例文

恩恵

「恩恵」は恵み、人のいつくしみ、神の恩寵 (おんちょう)などを意味する言葉です。

例文:ライバル関係にあった企業が撤退したことで、弊社の受注が急増するという思わぬ恩恵にあずかった。

賜物

「賜物」は、恩恵や神の祝福などで与えられたありがたいもの、あることをして得た良い結果、または事柄、という意味の言葉です。

例文:今回の新記録達成はひとえにチーム一人一人の努力の賜物にほかならない。

弊害の英語表現

「弊害」に限らず、日本語特有の微妙なニュアンスを、外国語で正確に伝えることは簡単ではありません。英語で「弊害」に近い意味の表現としては、以下のような言葉をあげることができます。

abuses

「abuse」は悪用する、酷使する、裏切る、罵倒する、虐待するなどを意味する単語です。
「弊害」の意味で用いる場合は、名詞の複数形で「abuses」とする場合もあります。

例文:We lash out at the social abuses, such as environmental pollution, the global food crisis, and political corruption.
(私たちは環境汚染、世界的な食糧危機、政治腐敗などの社会的弊害に憤慨しています。)

adverse effect

「adverse effect」は、おもに薬物の副作用や、何かの悪影響を意味する言葉です。

例文:Father’s arrogant behavior had an adverse effect on the son.
(父親の傲慢な行動は息子に悪影響を及ぼした。)

bad effect

「bad effect」は悪影響や弊害を意味する言葉です。

例文:The doctor told us what is the bad effects of smoking cigarettes.
(医師は私たちに喫煙の弊害について話した。)

harmful effect

「harmful effect」も悪影響、弊害、有害になること、などを意味する言葉です。

例文:Having more than five standard drinks at a time can seriously increase the harmful effects of drinking.
(標準飲酒量の五倍以上の酒を一度に飲むとアルコールによる弊害を危険なレベルに増大させる。)

malady

「malady」は病気、弊害を意味する単語です。

例文:A rapid decline in the child population is a social malady in Japan.
(子供世代の急激な人口減少は、日本の社会的な病弊です。)

negative effect

「negative effect」は悪影響、弊害、負の効果などを意味する熟語です。

例文:In many cases social media can actually have a negative effect on teens.
(多くの場合、ソーシャルメディアは10代の若者に悪い影響を及ぼす可能性がある。)

まとめ

・「弊害」は「他に害を及ぼすような悪いこと」「害になること」をあらわす言葉です。
・「弊害」の類義語には、害悪、不都合、障害、支障などがあります。
・「弊害」の対義語には、恩恵、賜物などがあります。
・「弊害」の英語表現には、adverse effect、bad effect、malady、negative effectなどがあります。