天網恢恢疎にして漏らさずとは|意味・使い方と例文、類語・対義語を解説

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

天網恢恢疎にして漏らさずの意味とは

天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)とは、「悪い事をすれば必ず罰が当たる」という意味です。

天網とは、天道(お天道様)が張り巡らせている網のことです。恢恢(かいかい)とは大きくゆったりしている様のこと。
疎(そ)はまばらである、転じて目が粗いという意味です。

一見、天網の網の目は荒く広く見えますが、決して悪人や悪事を逃すことはありません。
天道は厳粛であり、悪党や悪事は決して見逃すことなく罰を与えます。

中国の故事にちなんでおり、「老子73」の「天網恢恢、疏而不レ失」から来ています。

「天網恢恢疎にして失わず」とも書きます。
「天網恢恢」を「天網怪怪」と書くのは誤りなので、注意しましょう。

天網恢恢疎にして漏らさずのビジネスシーンでの意味と利用

天網恢恢疎にして漏らさずは、中国の故事に基づいたことわざです。

難しい意味でもあるので、日常的に使う言葉ではないでしょう。ビジネスシーンではあまり使う機会がないと思います。
ですが、ことわざを知ることは、社会人としての教養を深めることに繋がります。

明確な悪事でなくても、良心の呵責に苛まれそうな決断を迫られたとき、このことわざを思い出すと進むべき方向がわかるかもしれません。
悪い事をすれば必ず罰が当たりますから、悪い事はしないに限りますね。

天網恢恢疎にして漏らさずの例文

「天網恢恢疎にして漏らさずだ、悪い事はしない方がいい」
「逃げ続けていた大悪党、とうとう捕まったらしい。天網恢恢疎にして漏らさずだな」
「天網恢恢疎にして漏らさず、ずるいことはしないで堂々と挑もう」

天網恢恢疎にして漏らさずの類似表現・類義語

天網恢恢疎にして漏らさずと同じ意味のことわざには、「神は見通し」「天に眼」「天の網」「眼は天を走る」などがあります。
いずれも、悪い事をすると必ず天からの罰がくだるという意味です。

「天罰覿面(てんばつてきめん)」ということわざもあります。
覿面とは、すぐに結果が出る様のこと。悪い事をすればすぐに罰がくだると言う意味です。

天網恢恢疎にして漏らさずの類似表現として、「当たる罰は薦着ても当たる(あたるばちはこもきてもあたる)」ということわざもあります。
薦(こも)とは、荒く織ったむしろのことです。むしろなどをかぶってどんなに隠れても、悪い事をすると必ず罰が当たるという意味です。

似た表現として、「因果応報(いんがおうほう)」というものもあります(「善因善果」「悪因悪果」「三世因果」とも)。

これは、良いことも悪い事もすべては自分の言動、立ち振る舞いから返ってきたものである、という意味です。
特に悪いことをしたり、悪い事が起きたときによく使われます。

天網恢恢疎にして漏らさずの対義語・表現

天網恢恢疎にして漏らさずの対義語として、「網呑舟の魚を漏らす(あみどんしゅうのさかなをもらす)」ということわざがあります。
これは、法律が大まかであるために、悪人や悪事を逃してしまうことのたとえで、法をくぐり抜けるような悪い者を罰することができないことを嘆いた言葉です。

呑舟の魚(どんしゅうのさかな)とは、船を呑みこむほど大きな魚のこと。大きな才能を持つ人のことをさすこともありますが、ここでは大悪党や大きな悪事という意味を持ちます。網とは法律のことです。

同じ意味のことわざとして、「網にかかるは雑魚ばかり」「大魚は網を破る」というものもあります。

また、「天に目なし」というものもあります。
これは、天に目はないのだから悪い事をしても罰が当たることはない、心配はいらないという意味です。

対義語・類義語の例文

当たる罰は薦着ても当たるの例文

「彼はカンニングがばれて試験に落ちたらしい。当たる罰は薦着ても当たるとはよく言ったものだね」

因果応報の例文

「いつもポイ捨てをしていくあの人、いつもポイ捨てをする場所で転んで大けがをしたらしい。因果応報だね」

網呑舟の魚を漏らすの例文

「あんな大悪党が捕まらないなんておかしい。まさに網呑舟の魚を漏らすだ」

天に目なしの例文

「天に目なしというだろう、ポイ捨てくらいなら平気だよ」