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この記事では直近について、言葉の意味と使い方、英語での表記について解説いたします。
「直近」という言葉は日常的に使われることが非常に多いですが、あらためて考えると非常に曖昧な表現だということがわかります。身近な言葉だからこそ、意味や使い方について確認する必要があります。
この記事を通して「直近」という言葉への理解を深めることができるでしょう。
直近の読み方と意味
「直近」は「ちょっきん」と読みます。
漢字をそのまま読むと「ちょくきん」ですが、その促音便(今回の場合、発音の便宜上「く」の読みが「っ」に変化すること)として「ちょっきん」と読みます。
直近には「すぐ近く、すぐ側、最も近く」という意味があります。
直近の期間はいつからいつまで?
ここでは「直近」の期間はいつからいつまでなのかを解説いたします。
例えば「直近1年間の統計データを提出してください」と言われた場合、現時点から1年前までの統計データを伝えるのが一般的です。
もしこれが2019年4月1日の会話であれば、2018年4月〜2019年3月までの統計データをさすことが多いでしょう。
また「直近であった出来事」というと、「現時点から最も新しい出来事」という意味です。
このように、直近の期間はいつからいつまでという具体的な定義がありません。したがって、2人の会話の中でも以下のような解釈のずれが起こります。
(2018年4月〜2019年3月をさして)「直近1年間の売上を確認して報告してください。」
(2018年1月〜2018年12月をさして)「直近1年間の売上は約2000億円です。」
(2018年4月〜2019年3月の売上は約2200億円だった為)「2000億円と2200億円とでは全然数字が違うじゃないか。あの人はこんな簡単なことを調べることもできないんだな。」
同じ「直近」という言葉を使っているのに、双方で異なる使い方をしている為に生じた誤解です。
このようなことがないように、「直近」という言葉を使う際にはお互いに同じ認識を持っているかどうかを確認するように気をつけましょう。
直近の使い方
直近は、例えば次のように「時間」を意味して使います。
一方で、直近は「時間」ではなく、以下のように「距離」をあらわす場合にも使われます。
また「直近の上司」(最も身近な上司・あるいは直属の上司)というように、(人間関係としての)距離を意味する場合に使われることもあります。
直近は過去にも未来にも使える
直近は過去だけでなく、未来をさして使われることもあります。
この場合、「最も近い将来の予定では、来週の月曜日が空いている」という意味です。
直近のビジネス上での使い方
「直近」は、ビジネスシーンでもしばしば登場する言葉ですから、誤解のないように正しく使うことが大切です。特に売り上げやデータに関する場合は、間違いやすいので注意が必要です。
例えば、「直近のデータ」は、その日からもっとも新しいデータのことです。また、株価で「直近高値」「直近安値」なら、その日から以前のもっとも高いもしくは安い株価のことになります。
- 直近3か月の売上げを商品別にグラフ化してください。
- 夕方のミーティングまでに、競合3社の直近高値を調べておいてください。
また、距離や人間関係にも使われることがあるので、ビジネスパーソンとしてしっかり意味を理解しておきましょう。
- 彼の直近の上司はどなたでしょうか?
- 直近の銀行で両替してきてください。
直近の類義語
直近には「時間」をさす場合と「距離」をあらわす場合の2通りの意味があることは解説しました。
ですので直近の類義語も、「時間」と「距離」それぞれの場合が考えられます。
最近、さっき、近々、一番近い
すぐ先、ごく近く、最寄り、最短
類義語の例文
直近の例文としては、次のようなものが挙げられます。
「時間」に関連した直近の類義語をつかった例文
- 「最近の旅行先で良かったのはオーストラリアです。」
- 「さっき仕事が終わったところでした。」
- 「近々お客様を訪問予定です。」
- 「一番近いのはそのコンビニです。」
「距離」に関連した直近の類義語をつかった例文
- 「すぐ先のコンビニまでは徒歩10分で着きます。」
- 「ご指定のお店まではごく近くですので、迷わずにお伺いできます。」
- 「私が今いる場所からの最寄りの駅は東京駅です。」
- 「御社から弊社までの最短の経路は、先程のメールに添付しました地図に記載した通りです。」
直近の対義語
類義語と同様に、直近の対義語にも「時間」をさす場合と「距離」をあらわず場合があります。
そのうち、いつか、未来
上記のように、まだ時間に余裕がある言葉があげられます。
あちら、遠方、向こう
距離が離れているさまをあらわしています。だからこそ、直近がいかに近くの距離を意味しているかがよく分かります。
直近の英語表現
直近は英語で次のように表現します。
- most recent(最近の)
- latest(最新の。lateの最上級)
- nearest(最寄りの。nearの最上級)
また、例文としては以下のようなものがあげられます。
私は最近の中国訪問の際にその傘を買いました。
彼女の最新の小説は大ヒットだ。
最寄りの警察署は向こうです。
直近1年間などの英語表現
去年は英語で「last year」ですが、「the last year」になると意味がまるっきり変わってきます。
例えば、以下のように例文で見比べるとよく分かります。
そのスマートフォンは去年人気が伸びた。
そのスマートフォンは直近の1年間で人気が伸びた。
「last year」は単に去年をさしているのに対して、「the last year」は「直近の1年間」をあらわしています。なお「last year」は副詞句、「the last year」は名詞句という違いがある為、後者のみ前置詞の「in」がつきます。
日本語の例では「直近」が去年と現在までの1年間との2つの意味で解釈できましたが、英語はこのように使い分けされています。
英語のニュースや新聞等を見聞きする際には、この違いを知っているとより理解が深まることでしょう。
他には、次のような例文があげられます。
最も遠い道が、家への最寄りの道だ。急がば回れ。
今年のドル高はアメリカにとって泣きっ面に蜂みたいなものだ。
まとめ この記事のおさらい
- 直近には「すぐ近く、すぐ側、最も近く」という意味がある。
- 大きく分けて「時間」と「距離」の2つの意味を持つ言葉として使われる。
- 時間をさす場合でも、過去だけでなく未来をあらわす場合もある。
- 人によって解釈が分かれ得る為、お互いの認識ずれが起こらないように留意する必要がある。
身近な言葉ほど、案外意味や使い方を誤って理解しているということがあるかもしれません。今一度、自分の認識が合っているか確認してみましょう。