優しい人と聞くと、「人あたりの良さ」や「気配り」ができる人をイメージします。
付き合っても何もネガティブなことが無いと考えている方が多いと思いますが、実は気をつける点もあるのです。
ここでは、優しいの持つ様々な意味と語源やビジネスシーンにおける優しい人の特徴と接し方について解説します。
仕事で活躍するために優しい人とどう接すればいいか分かりますよ。

優しいの意味とは

優しいと聞いて一番最初にイメージするのは人の性格でしょう。
人を思いやる気持ちがある、配慮ができる、利他的である、そんな人が優しいと言われます。
好ましい性格をしている人を優しい人と表現することもあります。

優しくても気性が激しい子の場合は、あまり優しいと言われません。
ただし「心根は優しい」と表現されることはあります。

つまり、優しさという言葉は内面と外面がマッチする必要があるんです。
そうでないと使い方によっては皮肉に聞こえる場合があるので気をつけましょう。

優しいの語源は古く平安時代までさかのぼります。
当時は慎ましさが美徳とされていました。
そのため控え目な振る舞いをする人を美しいと評していたのです。
現在とは違い、優しい人は美しい人でした。
控え目な姿は他にも相手への配慮や心の温かさを感じさせ、「気配りができる」という意味を優しいに持たせました。
そして近世も終わりに近づく頃になると現在と同じ意味を持つようになったのです。

現在のビジネスシーンにおける「優しい」の意味は2つあります。
ひとつは複雑な人間関係が絡み合う仕事の現場で、各プレイヤーの立場を理解し丁寧に全体のバランスを取れる人を意味します。
もうひとつは人によって対応の仕方が変わらない人です。

自分の利益を脇に置いて、誰に対しても公平に接する慎ましさが現代の優しさなのです。

優しいの英語表現

英語で「優しい」を表現する方法はいくつかあります。
一般的なのは「kind」です。
「She is kind to old men」のように使い、「老人に親切だ(気配りができる)」という意味になります。
同様の意味で「sweet」も使われます。
文法もまったく同じ形です。

母親的な愛情あふれる「優しい」を意味する単語は「affectionate 」です。
「She’s affectionate with her niece.」のように前置詞を付けて使います。
「loving」にもこれと同じニュアンスがあります。

優しいの類語・似た性格

優しいという言葉の類語を探すと、優しいには色々なニュアンスがあることに気づきます。
優しい人といっても色々な形があるのです。それを類語を確認しながら見ていきましょう。

まずは最も一般的な人柄が優しいと言う時の類語です。
代表的なものには、温和な・柔和な・穏やかな・気のいい、などがあります。
いずれも人当たりの良さを印象づける言葉です 。
物腰柔らかな態度が逆のニュアンスを与える場合もあります。
気が弱い・おとなしい・羊のような・蚊も殺せない、など相手に攻撃的態度をとれない面が強調されてしまったケースです。

次は女性らしさや母親が持つ優しさです。
気立ての良い・しとやか・慈愛に満ちた、など女性だけが持つ柔和なニュアンスを秘めた言葉が類語に並びます。
ファンションの分野でよく使われる「フェミニンな」も、これに分類されます。
男性に使うと違和感が出るので気をつけましょう。

相手への配慮が強調された「優しい」には「世話好き」のニュアンスを持つ類語があげられます。
親切な・情が深い・親身な・鬼手仏心、など面倒見の良さを印象づける単語が多くありますね。
女性の優しさと一部被るような印象もありますが、こちらは昔気質の兄貴肌にも利用できたりと使えるシーンは多いです。
ただし「情にもろい」などはネガティブな意味でも使われることがあるので注意したいところです。

最後は見た目の優しさを意味する類語です。
「優しい」は内面だけでなく姿形が柔和な印象を与える場合でも利用するのです。
牧歌的な・優美な・なだらかな・女性的な・ゆるやかな・ふんわりした、など穏やかな風景や柔らかな材質を連想させるような単語たちが連なります。
「優しい」は性格の美しさを表す言葉として生まれましたが、現代ではその枠に収まらず様々な事物の穏やかで柔和な美しさを表現するのに用いられているのが分かりますね。

「優しい」とよく似ているがニュアンスが違う言葉に「優男」があります。
比べるには「優しい男」と「優男」が適切でしょうが、どちらにせよ同じような違いがあります。
一般的には「優しい男」が「心配りができる男」で、「優男」が「頼りにならない男」という意味だと認識されています。
実はどちらにも「心配りができる男」と「頼りにならない男」の意味があるんです。
時代の流れの中でこの2つは完全に引き裂かれ別の言葉になりました。

優しい人の特徴1:ポジティブである

周囲の雰囲気を良くしようと常に心がけている優しい人は、いつも笑顔を絶やしません。
笑顔が周囲の人たちの心理に大きく影響することを知っているのです。
決してビジネスマナーからではなく、心からの笑顔なので場を和ませる力があります。
不安や緊張感の続く仕事現場で上司の微笑みに力を貰った方は少なくないでしょう。
自分もストレスを抱えている状況で笑顔を絶やさないというのは簡単なことではありません。
優しい人が周囲の人から信頼感を得ているのは、この笑顔を作れる心の力強さなんです。

心の強さは一朝一夕には身につきません。
辛く苦しい経験を乗り越えたからこそ得られるものです。
優しい方は日頃からこの試練に真っ向から挑んで勝利を収めてきた経験があるから、常に前向きで周囲を引っ張っていけます。

ただし部下として優しい人に付く場合は、頼りすぎないようにしてください。
優しい人は基本的に面倒見が良いので、あなたの成長機会を奪う結果になるかもしれません。

優しい人の特徴2:気持ちに余裕がある

優しい人は冷静に周囲を見る目を持っていますから、同僚が慌てている場合でも混乱を収めるために自分が何をすべきか考えることができます。
また気質が穏やかなので滅多に慌てないというのもあります。

これは周囲と自分の双方にメリットがあります。
ドシッと不動の様子でいる優しい人を見ることで周囲の方たちは落ち着きを取り戻すことができます。
そして周囲が落ち着いていく様子を見ることで優しい人も安心します。
そのため、もし何かトラブルが起きたら優しい人を中心に物事の解決を図るといいでしょう。
落ち着きを取り戻すには慌ててない人を見るのが一番ですから。

ただ優しい人は迅速な対応が必要な事物への対処が下手な場合があります。
慎ましさが災いするケースですが、これは周囲の人間がカバーしてあげる必要があります。
無論、優しい人にも欠点はあるのです。
チームを組むと縁の下の力持ちになれる優しいひとですから積極的にメンバーに取り入れてチーム力向上を目指すことをおすすめします。

優しい人の特徴3:おおらか

優しい人は小さなことで、いちいち目くじらを立てません。
心無いちょっとした一言が人の関係を壊してしまいますが、優しい人ならそのまま受け流してしまうことがほとんどです。
怒ったところで意味がないと諦める感じではなく、場の雰囲気を優先するために、そういった行動をとります。
つまり利他的なんです。
ですから優しい人の周りには人が集まります。

人が集まればごたごたが起きるのが普通ですが、そこは優しい人が周囲への気配りで上手く取りまとめるので大きなトラブルにはなりません。
職場で良好な人間関係が築けているケースでは、その中心に優しい人がいます。
逆にギスギスした職場では陰湿な人間が場を支配しているケースが目立ちます。

良好な職場をつくるためには優しい人に場を管理してもらいたいところですが、優しい人は慎ましいためそういったことを自ら率先して行うタイプではないのが問題です。
場合によっては上司など権限を持つ者が優しい人が中心になるよう気を配る必要があります。

優しい人の特徴4:別け隔てなく接する

優しい人は誰に対しても配慮を持って接する気質を持っています。
また人間関係において衝突している人たちの仲介して問題を解消することが本質的に好きです。
そのため特定の人間を贔屓に扱うことはしません。
誰かを特別扱いすれば間違いなく軋轢を生むことを知っているからです。

多くの人が属する大きな組織には人間関係によって必ず不公平感が生まれます。
出世や昇給はもちろんのこと、上司の部下に対する接し方でも公平にするのは難しいのが実際です。
特に人付き合いの部分で公平感は失われやすいでしょう。
誰しも好き嫌いは当然あります。
この不公平感が蓄積されていくとチームに不和をもたらし仕事の効率が著しく落ちることがあります。

優しい人なら周囲の人間が抱いている不公平感を敏感に感じ取り対処しようとします。
組織を蝕む不和という病原菌をいち早く見つけて無害なものにしてくれるんです。
組織運営をする人間にとって、これほど心強い人材はいないでしょう。

優しい人の特徴5:周囲への気配りを忘れない

周囲の人の様子が気になる優しい人は、その場で起きようとしている問題に対して誰よりも早く察知します。
同僚の健康状態や、上手く行っていない人間関係など仕事をする上で問題を起こしかねないトラブルの火種をまだ小さいうちから見つけることができるのです。
鉄は熱いうちに打てで、問題は早いうちに対処しないと修復には時間がかかるようになります。
優しい人なら双方の立場に立って問題に対応することが可能ですから、トラブルを解決する人材として最適です。
優しい人に任せれば迅速にベストな対処が期待できます。

優しい人の視界の広さは仕事の進行でも力を発揮します。
全体を見通すことができますから、仕事の進行において必要な対応を常に把握する力に長けているのです。
視野の狭い人間が進行管理しようとすると必ず歪が生まれます。
仕事の進行だけじゃなく関わる人間の立場まで配慮できる優しい人はまさに進行管理にうってつけです。

ただし注意することがあります。
優しい人は自分のことが二の次になるんです。
大切な進行役が体を壊してしまっては元も子もありません。
利他的な優しい人を気遣う人が必要になることを忘れないでください。

優しい人との付き合い方

優しい人と付き合うのに何か警戒する必要はありません。
あなたの話もよく聞いてくれますし、理解もしてくれるでしょう。
仕事に不慣れな時は適切なアドバイスで力強くバックアップしてくれるのは間違いないです。

ただし頼りすぎてはいけません。
優しい人が上司の場合はあなたに先んじて仕事の段取りを整えてしまうでしょう。
あなたはただ指示に従って動けばいいので大船に乗った気分で安心して仕事に取り組めます。
新人時代はそれでいいかもしれませんが、それではいつまでたっても重要な仕事を覚えられません。
時期が来たら、優しい人に頼らず自分で率先して仕事をこなす心構えでいましょう。
そのためにも優しい人の仕事ぶりをよく観察してください。

また、優しい人は周囲に強く出たりしないので、頼りないと感じるケースがあります。
そんな優しい人と一緒にいることで立ち位置がハッキリしない人と周囲に思われるリスクも皆無ではないでしょう。
時と場合によっては優しい人に引っ張られずに白黒つける必要があることを忘れないでください 。