資質(ししつ)の意味と使い方 能力の違い 類語と英語表現を解説

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転職やスキルアップに関する記事などに、「〇〇に求められる資質」などというようないい方を目にすることがあるでしょう。

ここでは「資質」という言葉について、意味と使い方、類義語と対義語、英語表現などを解説します。

資質の意味は生まれつきの才能

「資質」の「資(し)」には、「もとで」や「うまれつき」などの意味があり、「資」を使った資質以外の熟語には「資源」「資格」「資産」などがあります。

「質(しつ)」は「たち」とも読み、「もって生まれた中身そのもの」などという意味です。

上記の「資」と「質」が合わさった「資質」は、生まれつき持っている性質や才能という意味の言葉です。

資質の使い方と例文

資質は職業や立場での活躍をあらわすとき使う

「資質」は生まれつき持っている才能をあらわす言葉であるため、現在の職業や立場、将来の活躍をあらわす場面でよく使われます。

「資質」を使った例文は以下の通りです。

彼女はスタイルをとっても性格をとっても、モデルとしての資質に恵まれている。
彼は営業マンとしての資質を存分に生かしてトップセールスを記録した。

資質を否定形で使う際の注意点

「資質」は悪いことを表現するために使われることはほとんどありません。

「彼には犯罪者としての資質がある」というような使われ方が全くない訳ではありませんが、よい意味や、前向きな意味で使われる場合がほとんどです。

悪い意味で使う場合は、前述の「資質がある」という肯定表現ではなく、「資質がない」という否定表現で使う事が一般的です。

資質を否定形で使う際の例文

資質を否定形で使う際の例文は以下の通りです。
残念ながら彼女は歌手としての資質を持ち合わせていないようだ。
あの人は感情をあらわにし過ぎるところがあり、リーダーとしての資質がないように思う。

資質はチームや集団を対象には使わない

「資質」は生まれつき持っている性質や才能のことであるため、チームや集団を対象には使わない言葉であるため注意が必要です。

例として、「このチームは強くなる資質がある」などといういい方は適切ではありません。

「このチームのメンバーは皆、強くなるための資質を持っている。」などと、個人を対象にした表現にする事が必要です。

資質向上とはどういう意味か

スキルアップや部下指導関係の文献などでは、「資質向上」という表現を見かけることがあります。

そもそも持っている性質をさらに強めるための行動や手段をさして「資質向上」とあらわします。

資質と能力の違いは先天的なものかどうか

「資質」と同じように、「能力」も個人の力をあらわすときによく使われる言葉で、資質と同じように仕事での活躍をあらわす文面で使われます。

「資質」はその人が生まれもっている才能や性質をあらわし、「能力」は物事を成し遂げることができる力をあらわす言葉です。

資質と能力の違いは、必ずしも先天的なものではないということがあげられます。能力は資質とは違い、経験やトレーニングによっても会得できるものという違いがあります。

資質の類義語

「資質」の類義語は以下の通りです。どれも「生まれつき備わってる」という意味を含んでいます。

資質の類義語①:素質(そしつ)

「素質(そしつ)」は、将来あるものになるのに必要な能力や性質を意味する言葉です。

例文
彼は音楽家としての素質がある。

資質の類義語②:気質(きしつ)

「気質(きしつ)」は、先天的な体質に関係の有る感情・性質を意味する言葉です。

例文
うちの父は職人気質だ。

資質の類義語③:天性(てんせい)

「天性(てんせい)」は、天から受けた性質や、うまれつきそなわっている性質を意味する言葉です。

例文
彼の素晴らしい歌声は天性のものだ。

資質の類義語④:先天的(せんてんてき)

「先天的(せんてんてき)」は、生まれつきのさまや、持って生まれたさまという意味の言葉です。

例文
彼のくせ毛は先天的なものだ。

また「資質」と似た意味を持つ言葉として、「素養」が挙げられます。「素養」の意味や「資質」との違いは下記記事を読むと理解することができます。

資質の対義語は後天的

「資質」と反対の意味を持つ言葉には、「後から身につけたもの」という意味で「後天的(こうてんてき)」があげられます。

しかし、「彼のリーダーシップ能力は後天的なものだ。」などと表現することはほとんどありません。

話の最中に資質がないことをあらわす場合は、「資質がない」という表現のみで充分です。

資質の英語表現

「資質」を英語で表現する場合は「attributes」「quality」などを使うとよいでしょう。

He have quality appropriate to a teacher.
彼は教師としてふさわしい資質を持っています。
She had all the attributes of a leader.
彼女は指導者の資質を全て持っていた。

資質についてのまとめ

  • 「資質(ししつ)」とは、生まれつき持っている才能や、物事を巧みにこなすことができる性質をさします。
  • 「資」質は、「彼にはリーダーの資質がある」のように、職業や立場においての活躍をあらわすときによく使われる表現です。
  • 「資質」は、「このチームは強くなる資質がある」などというように、チームや集団に対しては使いません。
  • そもそも持っている性質をさらに強めるための行動や手段をさして「資質向上」ということがあります。
  • 「資質」は人が生まれもっている才能や性質のことで、「能力」は「物事を成し遂げることができる力」です。「能力」は「資質」と違って、必ずしも先天的なものではありません。
  • 「資質」の類義語には「素質」「気質」「天性」などがあります。
  • 「資質」を英語で表現するには「attributes」「quality」などを使うとよいでしょう。