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日常生活ではあまり目にしない「拙速」という言葉は、ビジネスシーンでは使われることが多い言葉です。なんとなく知っていても、正確な意味を知らない人は少なくありません。
ここでは、「拙速」の読み方と意味、使い方・例文、類語・対義語、英語表現や四字熟語「巧遅拙速」についても解説します。
「拙速」の意味はできが悪いが仕上がりは速いこと
「拙速」の「拙」の漢字は、まずいこと、へたなこと、などという意味しています。「速」は、はやい、はやめる、すみやかなどという意味があります。
上記の事から「拙速」の意味は、できが悪いが仕上がりは速いことという意味です。
できが悪いことも意味している「拙速」という言葉には、よいイメージを持たない人も多いでしょう。しかし、「拙速」は使うシーンによって、よい意味にもなる言葉です。
「拙速」の使い方と例文
書類などを早めに仕上げて上司に目を通しもらう際に、以下のように「拙速」という表現を使うことができます。
「拙速」の使い方と意味は以下の通りです。
タイミングがまだはやい、時期に達していない。
作戦に多少の不備があっても、すばやく戦いを起こすことが大切だ。
完璧は求めずに、ある程度のレベルで早めに仕上げることを第一にする。
拙速主義は、日本では手抜きや見切り発車などの悪いイメージがあるでしょう。しかし、完璧を求めて時間をかけすぎると、仕事全体を見たときには進まないことも多くあります。
Facebook社では「Done is better than perfect.(完璧よりもまずは終わらせること。)」というスローガンを掲げていたことがあります。
「拙速」を使った例文
「拙速」の類語は「性急」や「早計」など
「拙速」と同じ意味の類語はありません。
しかし、ビジネスでも使えるはやさを意味する類語であれば、「性急(ものごとの進み方が急であること)」や、「短兵急(だしぬけでひどく急なさま)」「早計(十分に考えない早まった考え)」などがあります。
しかし、使い方によって悪いイメージが際立つこともあるため、注意していい換える事が大切です。
へたであること、まずいことであれば、「拙劣」という類語もあります。
「拙速」の類語を使った例文
「拙速」の対義語「巧遅(こうち)」
「拙速」の対義語は、「巧遅(こうち)」があります。
「巧遅」はたくみではあっても、完成が遅いことを意味しています。
「巧遅」を使った慣用句
巧遅は拙速に如(し)かず”という慣用句があります。
出来上がりがいくら立派でも遅い場合、出来がまずくてもはやいものには及ばないという意味で、拙速主義に近い意味を持つ、中国の散文選集「文章軌範」に集録されていた言葉です。
「拙速」を使った四字熟語「巧遅拙速」
前述した「拙速は巧遅に勝る」や「巧遅は拙速に如かず」を四字熟語にしたものが「巧遅拙速」です。
出来上がりがいくら立派でも遅い場合、出来がまずくてもはやいものには及ばないという意味の四字熟語です。
巧遅拙速を使った例文
「拙速」の英語表現は「hasty」
「拙速」を英語で表現するなら、はやさに注目して表現する「hasty(急いでなされた、あわただしい)」がよいでしょう。
私は彼女をみきわめるのに拙速だった。
拙速な決断でビジネスを急成長させられないでしょう。
「hasty」にはあまりよい意味がないため、拙速の意味合いとの違いに注意しながら使う事が大切です。
「拙速」についてのまとめ
- 「拙速」は(せっそく)と読み、できが悪いが仕上がりは速いことという意味があります。
- 「拙速」は、“拙速に過ぎる”慣用句で“兵は拙速を尊(たっと)ぶ”“拙速主義”などとの使い方をされるでしょう。
- 「拙速」の類語ははやさを意味するなら、「性急」、「早計」などがあります。
- 「拙速」の対義語は、「巧遅」(こうち)があるでしょう。
- 四字熟語「巧遅拙速」も、出来上がりがいくら立派でも遅いなら、出来がまずくてもはやいものには及ばないという意味です。
- 「拙速」を英語ではやさに注目して表現するなら、「hasty」(急いでなされた、あわただしい)がいいでしょう。