狡兎三窟(こうとさんくつ)の

狡兎三窟は、前漢の劉向(りゅうきょう)の「戦国策」に記された、中国の戦国時代の戦国四君子の一人に数えられる斉国の宰相・孟嘗君(もうしょうくん)と、孟嘗君の客である馮驩(ふうかん)との故事を出典とする四字です。

戦国策には以下のように記されています。

君主・湣王(びんおう)に疎まれて宰相の職を解任された孟嘗君は、自分の領地である薛(せつ)に戻りました。孟嘗君のもとにいた馮驩という食客はいいます。狡兎は三つの窟を持つことで死を免れています。しかし、孟嘗君は窟(あなぐら)といえるものは領地である薛一つしかない為に非常に危険な状況にあります。私が後二つの窟を用意します。

この宣言通りに、馮驩は孟嘗君の命を保つ生命線となる、斉の宰相という立場という窟と、君主ですら絶対不可侵領域である先王の廟(びょう)という窟を薛に建てる事で、孟嘗君の三つの窟を揃えた。この結果、孟嘗君の地位は長い間安定する事となった。

上記の事から、狡兎三窟の「狡兎」は素早しっこい兎を、「三窟」は三つの窟(あなぐら)を意味する事が分かります。

狡兎三窟とは、身の安全の保全の為に、いくつかの避難場所や策を周到に用意する事を意味する四字熟語です。

類語には、狡兎三穴(こうとさんけつ)などがあります。

狡兎三窟のビジネスシーンでの使い方

狡兎三窟はビジネスではありません。

しかし、ビジネスの場では、交渉を成功させる為に様々な策を周到に準備しておく必要があります。

後悔する結果にならないためにも、用意周到に準備をすることを意味する狡兎三窟を、常に念頭に置いておく事が大切です。

狡兎三窟の例文

狡兎は三窟を有つも、僅かに其の死を免るるを得るのみ。
出典:「戦国策」
彼は交渉の場に挑む際には、狡兎三窟といわれる程にいつも様々な手札を用意して素晴らしい結果を出している。