結婚式やお祝いの席、卒業式などで、贈り物と一緒に「目録」を受け取った経験がある方は少なくないでしょう。しかし、自分自身が目録を作成する立場になったとき、書き方やマナーがわからず困ってしまう方も多いはずです。
目録には、結納品目録や記念品目録など複数の種類があり、それぞれに書き方や作法の違いがあります。この記事では、目録の基本的な意味から種類ごとの特徴、実際の書き方、渡し方のマナーまでを詳しく解説します。
・目録とはなにか
・目録の種類
・目録の書き方
そもそも目録とはなにか?
目録には、大きく2つの役割があります。1つは収蔵品のリストとしての目録、もう1つは贈り物の内容を記した書面としての目録です。それぞれの特徴を整理すると、以下のようになります。
| 目録の種類 | 主な用途 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 収蔵目録 | 所蔵品の一覧を記録する | 図書館、博物館など |
| 贈答目録 | 贈る品物の内容を書面で伝える | 結納、記念品贈呈、卒業式など |
一般的に「目録」と聞いてイメージするのは、後者の贈答目録でしょう。結納品目録や退職記念品目録、卒業記念品目録などがこれに該当し、実物の代わりに贈るものの内容を伝える役割を果たします。
日本では、正式な贈答の際には目録を添えるのが慣習となっています。目録には、贈る品名と個数、贈呈する日付、贈り主の名前、贈答の目的(何の記念であるか)などが記載されます。
目録の種類
目録は結婚式や卒業式、企業の会計処理など、さまざまな場面で使われています。代表的な種類を以下にまとめました。
卒業式では、卒業生代表が校長先生に「卒業記念品として母校に残す品」を手渡す場面があります。卒業制作物など実物が大きく持ち運びにくい場合が多いため、内容を記した目録を実物の代わりに使用します。
婚約が成立した証として結納を行う際、両家が取り交わす品物や金銭のリストが結納品目録です。関東と関西で様式や品目が異なるため、異なる地域の男女が結婚する場合は事前の確認が必要です。
ある時点で企業が保有する土地、建物、現金、設備、資材、商品などの全財産と負債を記載したリストです。企業の破産や清算の手続きの際に必要となります。
財産目録は企業だけのものではありません。個人が自己破産する場合や、遺産相続を受ける場合にも、財産目録の作成が求められます。
目録用紙は市販されている
目録は文房具店などで専用の用紙を購入して作成することもできますが、奉書紙があれば自分で簡単に作ることも可能です。作り方は、奉書紙を縦に2つ折りにし、輪になった側を下にして左右を三つ折りにするだけです。
関東より北の地域では、結納品に添える目録として縦長の「縦目録」を使う慣習がありますが、これは地域性によるものなので、相手の地域の作法を事前に確認しておくとよいでしょう。一般的には、2つ折りの「横目録」が広く利用されています。
退職記念品目録や受賞記念品目録、イベントの景品用の目録などでは、基本的に和紙が使われます。パソコンで作成する場合はOA用紙でも問題なく、紙のサイズに厳密な規定はありません(一般的には横53センチ×縦20センチ程度のものが用いられます)。
正式な場では、筆耕(ひっこう)と呼ばれる専門家に依頼し、毛筆で書いてもらうことが多いです。パソコンで作成する場合も、毛筆書体を選ぶことで格式のある雰囲気を出すことができます。
目録だけを手渡すときと品物に添えるときがある
正式な目録の渡し方は、風呂敷に包んで持参するというものです。しかし、必ずしもこの方法だけが用いられるわけではありません。目録には、品物に添えて渡すケースと、目録だけを先に手渡すケースの2種類があります。
記念品のサイズが大きすぎる場合、贈呈の場では目録だけを渡し、後日改めて宅配などで品物を届けるという方法がとられます。結婚式や結婚式の二次会、会社のイベントなど、正式な場であっても目録だけを渡すケースは少なくありません。
結婚式の二次会では、ビンゴの景品や新郎新婦へのギフトなど、さまざまな贈り物が登場します。目録を添えることで、正式かつ丁寧な印象を与えることができ、毛筆で書かれていればなおさら格式高く感じられるでしょう。
二次会の幹事を任された場合、すべての景品や贈り物を会場に持ち込むのは大変な作業になります。目録だけを手渡す形にすれば、当日の負担を大きく減らすことができるのが利点です。
また、オリジナルの記念品をオーダーしていて、贈呈のタイミングに完成が間に合わない場合も、目録だけを先に渡し、完成後に品物を届けるという方法が使われます。ただし、この場合は後から品物を郵送する必要があるため、郵送料が別途かかってしまう点には注意が必要です。
幹事の負担を減らす方法として、最近では「目録型ギフト」も人気を集めています。これはカタログギフトの目録版で、目録の袋の中にギフトカタログと申し込み用紙が入っており、受け取ったゲストは自宅で欲しい商品と必要事項を記入し、郵送で商品を受け取ることができる仕組みです。
景品に添える目録の書き方
景品に添える目録は記念品目録の一種で、用紙は縦に3等分される構成になっています。書く際は通常、縦書きを用います。
右の欄には、表題となる「目録」「贈」などの文字を中央に記載します。中央欄には品名と数量を書きますが、数量の部分には漢数字の「壱」「弐」「参」などを使用するのが正式な作法です。
例えば、「一、タオルセット 壱点」(実際の商品名と数量)と書き、その隣に「右、二次会景品として贈呈いたします」(目的・用途等)と続けます。
目的別の文言の書き方
「右、卒業記念品として寄贈いたします。」
「右、喜寿のお祝い品としてお贈りします。」
「右、退職記念品として謹呈いたします。」
「右、ご結婚のお祝いとしてお贈り申し上げます。」
左側の欄には、贈呈する日付と贈り主の名前を書きます。日付は西暦ではなく「平成〇〇年」のように和暦の元号を用いるのが正式な作法です。宛名は左側の欄の中央、紙の一番高い位置から書き始めます。
右端には、書き終わりが紙の一番下になるように、贈り主の肩書きと氏名を記します。
目録を書いたらのし袋に入れる
目録の中身を書き終えたら、のし袋に入れます。のし袋の表書きには、目録本文の右側に書いた表題と同じ文言(「目録」「贈」など)を書きます。
のし袋には水引をつけるのもマナーの一つです。結納品目録には「結び切り」の水引を使うのが正式とされています。結び切りは一度結ぶと解けない形状で、「一度きりであってほしい」という願いが込められた結び方であり、婚礼など二度あってほしくない祝い事にふさわしい水引です。
結納品の目録の書き方
結納の目録は関東と関西で内容が異なります。結納品の数は7品を中心に、5品や9品とする場合もあり、縁起物の大きさや飾り方も地域や家によってさまざまです。関東と関西の代表的な結納品を比較すると、以下のようになります。
| 関東(7品) | 関西(9品) |
|---|---|
| 目録(もくろく) | 子生婦(こんぶ) |
| 長熨斗(ながのし) | 優美和・結美和(ゆびわ) |
| 金宝包(おたからつつみ) | 寿留女(するめ) |
| 寿留女(するめ) | 長熨斗(ながのし) |
| 子生婦(こんぶ) | 高砂人形(たかさごにんぎょう) |
| 友志良賀・友白髪(ともしらが) | 寿恵広(すえひろ) |
| 末広(すえひろ) | 松魚料(まつうおりょう) |
| 勝男節(かつおぶし)※9品の場合追加 | 柳樽料(やなぎだるりょう) |
| 家内喜多留(やなぎだる)※9品の場合追加 | 小袖料・御帯料(結納金) |
最近は、正式な結納品を用意する代わりに、次のような簡略化した形で済ませる家庭も増えています。
- 結納金のみ
- 結納金と指輪のみ
- 指輪やネクタイピンなどの記念品交換のみ
結納品の一覧を見てわかるように、いずれも縁起のよい漢字が当てられているのが特徴です。これは、結納が婚約の証として縁起を重んじる儀式であることに由来しています。
結納品目録の用紙には、右側にタイトルとして「目録」と書き、中央に品名と数量を記載します。品名や数量は地域によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。品名の左隣には「右之品幾久敷芽出度御受納下さい(みぎのしな いくひさしくめでたく ごじゅのうください)」という文言を書きます。
左の欄には日付、贈り主の氏名、宛名を記します。日付は和暦を使用し、宛名は「家から家へ」「男性本人から女性本人へ」「男性の親から女性の親へ」のいずれかの形式で書くのが一般的です。
目録の書き方についてのまとめ
- 目録は賞品や記念品を渡す場合に添えて出すのが基本。
- 目録は大きく3つのパートに分かれており、タイトル、品名・個数、贈り主と宛名、日付などが書かれている。
- 結納品目録では関西と関東で異なるので注意が必要。
- 最近は荷物が重いのを考慮して、目録のみ送り、のちに品物を郵送する方法もある。
目録は、単なる形式的な書面ではなく、贈る側の気持ちや礼儀を伝える大切な役割を持っています。用途や地域の慣習に応じた正しい書き方を知っておくことで、結婚式や記念品贈呈といった大切な場面で失礼のない対応ができるでしょう。

