祝詞とは?|意味や読み方、代表的な種類などを解説

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年始は、神社に足を運ぶ機会が増えるでしょう。そこで気になるのが、神社で神主さんが唱えている、お経のような言葉です。「祝詞」といわれますが、神道でなければ、あまり身近なものではありません。

ここでは、「祝詞」の読み方や意味、一般人も祝詞を読めるのか、祝詞を読む効果やおすすめのアプリを解説します。神聖な気持ちで祝詞を読んで、有意義なご参拝ができます。

祝詞の意味とは

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神主さんが神事で神前に唱える=奏上する古い文体の言葉は、「祝詞」と書かれます。一般的には「のりと」と読みますが、「祝詞」は「しゅくし」と読むこともあります。
また、「のっと」と読まれることもあります。間違いではありませんが、「のっと」は能や歌舞伎下座音楽として認識されることが多いでしょう。

祝詞には、神様にとり行われる神事の意義や目的を奏上する意味があります。

目的によって決まった祝詞がありますが、神事のたびに合わせて全体、または部分的に作文をすることもあります。祝詞は無数にあるといえるでしょう。

ちなみに、祝詞を唱えることを「祝詞奏上(のりとそうじょう)」といいます。「奏上」とは、天皇や神様に申し上げることをさしています。

一般人が祝詞を読む際は注意

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一般人でも、自宅の神棚、神社参拝の際に祝詞を奏上することができます。

ただし神社では、神主さんのように神殿の中の祝詞座で奏上することはできません。神前で祝詞奏上するには、作法や服装などの細かな決まり事があり、神主さんはしっかりと訓練されているからこその神職であり、祝詞座で奏上できます。

一般人は、お賽銭箱近く、横のあたりで、他の参拝者の邪魔にならない場所と声の大きさで祝詞奏上をしましょう。

熱心だからこそ、参拝の際に祝詞奏上をしたいと考えますが、他の参拝者に迷惑をかけてしまっては、神様は喜んでくれないでしょう。

祝詞奏上はお力添えをお願いすること

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祝詞奏上することで、願いが叶ないやすくなると思っている人もいるでしょう。しかし、神様へのお願い事は、神様に叶えてもらうものではなく、お力添えをお願いするためのものです。

叶えるのはあくまでも自分自身であるため、祝詞奏上で願いが叶いやすくなるという考えは間違っています。

祝詞は、神様と自分自身をつないでくれる見えないパイプです。神様に敬意をはらい、存在をより身近に感じて、願い事をかなえるための力を出しやすくするためのツールです。

また、祝詞は、神様にとっては癒しのように響くとされています。祝詞奏上で、神様のご加護をより感じられるようになるでしょう。
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祝詞自体に、けがれを払ってくれる効果があるともいわれています。

祝詞の代表的な種類と短く唱える際の例

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祝詞には、神事によって決まったものもあります。

神社参拝の時には「神前拝詞」、自宅にある神棚に祈る時には「神棚拝詞」、毎年6月30日と12月31日に行われる大祓式のときの「大祓詞(おおはらえのことば)」、神事の前に奏上する「祓詞(はらえことば)」が、代表的な祝詞の4種類です。

これらの祝詞は、本やインターネット上で全文を読むことができるため、興味のある人が検索してみてください。

一般的な神社の参拝で少しでも神様を近くに感じるために祝詞奏上をしたいと思っても、周りの参拝者のことを考えると、なかなか実行できないときには、短い言葉を祝詞の代わりに精いっぱいの心を込めて唱えるのがよいでしょう。

【祓(はら)え給(たま)い 清め給え かむながら 守り給い さわえ給え
祓え給い 清め給え 守り給い 幸(さきわ)え給え】

さらに短いものもあります。
【祓え給い 清め給え 神(かむ)ながら守り給い 幸え給え】

「お祓い下さい、お清め下さい、神様のお力により、お守り下さい、幸せにして下さい」との意味があります。

 

「祝詞」と「祝辞」の違いとは

恣意的
結婚式の席などでお祝いの言葉を「祝詞」とする場合もありますが、ふたつの言葉にはどんな違いがあるのでしょうか。

「祝辞(しゅくじ)」はお祝いの席で伝えるものであり、結婚式や披露宴、入学式や卒業式、ビジネスでは総会などで読むことが多いでしょう。

祝詞は前述にあるように主に神社で神主が述べる言葉ですが、お祝いの席で読む言葉を表す際にも使われます。しかし神社以外でも上棟式(工事の完成を願う儀式)などで使われることがあるため、一般的にも「祝詞」という言葉が浸透しました。

さらに「祝辞」と混同されることが多く、現在では「お祝いの席で、門出を祝う言葉」という意味で使われることが多くなりました。時代とともに使い方が変化してきたと言えます。

お祝いの席で読む場合、「祝詞」と「祝辞」とには大きな違いはありません。しかし、「祝詞」とされる場合には、「新たなスタートをきる人を祝う」という意味が強いです。

例えば結婚式であれば、ただ面白いエピソードを話すというよりも、新たな生活に向けたはなむけの言葉や、ご両親や周りの方への労いの言葉を述べることができるでしょう。

「祝詞」と「祓詞」の違いとは


「祝詞」と似た言葉として「祓詞」が挙げられます。「祓詞」は「はらえことば」と読み、「祝詞」の一種です。

「祓詞」は「祝詞」の中でも特に有名なものの一つで、基本的に祭儀に先立って読まれます。日々の生活の中で生まれる罪や穢れを払い、祭儀やお参りを清らかな状態で行うことが目的です。

罪や汚れがある不浄な状態で神様にお参りするのは良くないため「祓詞」があると考えられています。「祓詞」の原文は以下の通りです。

「掛介麻久母畏伎伊邪那岐大神筑紫乃日向乃橘小戸乃阿波岐原爾御禊祓閉給比志時爾生里坐世留祓戸乃大神等諸乃禍事罪穢有良牟乎婆祓閉給比清米給閉登白須事乎聞食世登恐美恐美母白須」

古事記や日本書紀によると、日本や様々な国をお産みになった「イザナギノミコト」という神様が黄泉の国から帰ってきた時に体の穢れを水で清めました。

その時に「アマテラスオオカミ」や「ツクヨミノミコト」など多くの神様がお生まれになります。その中の「ハラエドノオオカミ」という罪や穢れを消し去ってくださる神様もお生まれになりました。

その神様に「私たちの罪や穢れを祓ってください」という意味を持つのが祓詞です。

年賀状での「ご祝詞」

「祝詞」という言葉が日常生活で用いられるもうひとつの例は、年賀状です。目上の人や会社の方などに年賀状を出す場合には、

「謹んで年頭のご祝詞を申し上げます」

と一言書くことができます。

年賀状を頂いた方にお返しの寒中見舞いを出す時にも、

「新年のご祝詞を有難く拝受致しました」

と書くと良いでしょう。

「祝詞」と日本人の言霊信仰

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祝詞とは、願いを声に出して神様にお伝えすることを意味し、それにより願いが叶うと信じて行うものです。この考えには、日本人が古来から抱いている「言霊」という考えが込められています。

「言霊」とは、言葉には魂がありそれを口にすることで願いを叶える力を持つ、という考えです。そのためお願いごとや感謝を祝詞として読む風習が根付き、さらに不吉なことは口にしないべきだという考えが広まったと考えられています。

日本人が言葉を大切にし、他人や自分を傷つけない考えを持つ由来ともなっているのです。

「言霊」には、私達が普段使う言葉には意識を変える力、そして行動を変える力があるという考えがあります。ポジティブな言葉をよく使えば、意識もポジティブ思考になり、その通りに行動できるようになるというわけです。

反対に、誰かに対する悪感情を常に口にしていると、思考はよりネガティブなものになるでしょう。
自分も周りも幸せになる思考、言葉を口にして生活したいですね。

祝詞についてのまとめ

  • 神主さんが神事で神前に唱える=奏上する古い文体の言葉は「祝詞」と書き、一般的には「のりと」と読みます。「しゅくし」、「のっと」と読むこともあるでしょう。
  • 一般人でも、自宅の神棚、神社参拝の際に祝詞を読む、祝詞奏上(のりとそうじょう)はできます。神職ではないので殿内の祝詞座での奏上はできませんが、他の参拝者の邪魔にならない、お賽銭箱近くでの祝詞奏上になります。
  • 祝詞奏上の効果には、神様とのつながりを感じられる、神様をいやすことができる、けがれを払ってくれて、よりご加護を感じることができるなどの効果があります。
  • 祝詞には、代表的なものとして「神前拝詞」、「神棚拝詞」「大祓詞(おおはらえのことば)」、「祓詞(はらえことば)」があります。一般の人が祝詞奏上をするには、【祓え給い 清め給え 神(かむ)ながら守り給い 幸え(さきわ)給え】という短い言葉で、「お祓い下さい、お清め下さい、神様のお力により、お守り下さい、幸せにして下さい」との意味で読むのもいいでしょう。
  • 「祓詞」は「祝詞」の一種で、日々の生活の中で生まれる罪や穢れを払い祭儀やお参りを清らかな状態で行うことが目的です。