婚約の際にとり行われる「結納」について説明します。結婚を控えている方にとって知りたいことのひとつなのはもちろんのこと、そうでない方も、将来的に仲人を頼まれることもあるかもしません。

日常生活では結納についてとりたてて考えることはないですが、大人の知識として覚えておきましょう。

結納とはそもそもなにか

結納とは、結婚(挙式)前に行う両家で婚約を約束する儀式のことです。

日本の伝統的な儀式で、成婚前に行われ、両家の間で結納品や結納などの金品を取り交わすのが一般的です。

両家の顔合わせで食事会を開くことが多いと思いますが、結納と違い食事会は両家が親睦を深める意味合いで開かれるものでとくに決まりごとはありません。

結納はいつ行うのがよいか

結納をする時期

結納をいつ行うべきかというと、結婚式の3か月~半年前までに済ませているカップルが多いしょう。

結納はご両親への挨拶を済ませてから結婚式までの間に行いますが、結婚式の半年前までにはほとんどのカップルが結納を済ませているようです。何か月前でないといけない等、明確な決まりはありませんで、両家で相談して結婚式の間までの「日取りのよい」日程を決めればよいでしょう。

結納の日程の選び方

結納の日程を決めるときには、大安・友引などの「縁起がよい」とされている日を選ぶとよいでしょう。

お祝い事の挨拶で「本日はお日柄もよく・・」と始めるように、日本では、六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)に照らし合わせ、よい日を選ぶという習慣があります。お祝い事に向いているのは、大安・友引(昼11時~1時は避ける)・先勝(午前中)となり、赤口・仏滅は避けたほうがよい日取りです。

当人同士が仏滅でも気にしないというような場合でも、結納や結婚は両家やその親戚まで多くの方が関わってきますから、できる限りお日柄のよい日に合わせたほうが無難です。

結納の種類

結納には「正式結納」と「略式結納」があります。

 

正式結納
正式結納とは、仲人が両家の家を行き来しそれぞれの結納品を引き渡す形式です。両家同士は顔を合わせないのが特徴です。

 

略式結納
略式結納とは、両家のどちらかの家、もしくは料亭などに集まって結納品を取り交わす形式で、仲人は必ずしも必要ではありません。

結納の地域による違い

結納の流れは地域によってさまざまですが、大きくは「関東式」と「関西式」に分かれます。

関東式の結納

結納品目は9品目が正式で、7品目、5品目の場合もあります。全て結納品をひとつの台に乗せたシンプルな形です。結納品は男女が互いにとり交わすことから「結納を交わす」といいます。

関東式に準ずるのは、北海道、東北地方、新潟・長野・静岡県です。

関東式の正式な9品目

1:目録(もくろく)
結納品の品名と数を列記したもの
2:長熨斗(ながのし)
あわびの肉を干して長く伸ばしたもの(「長寿」の象徴)
3:金宝包(きんぽうづつみ)
結納金を包んだもの
4:末広(すえひろ)
純白の扇子(「純粋無垢」「末広がり」の意)
5:友志良賀(ともしらが)
白い麻糸(「ともに白髪になるまで仲睦むつまじく」の意)
6:子生婦(こんぶ)
昆布昆布(「子宝に恵まれる」の意)
7:寿留米(するめ)
するめ(長期保存できることから「幾久しく」の願いを込めて)
8:勝男節(かつおぶし)
鰹節(男性のたくましさの象徴)
9:家内喜多留(やなぎだる)
柳の木でできた酒樽(「たくさんの福があるように」と願いを込めて)

 

※白木の台の上に飾る
(結納品の並べ方に決まりはありません)

関西式の結納

結納品目は9品目が正式ですが、7品目あるいは5品目でもよく、地域によっては11から21品目まで飾るところもあります。一品をひとつの台に載せ、飾りが豪華で、松・竹・梅・金屏風などで飾るのが一般的です。結納品は男性側だけが贈ることから「結納を納める」といいます。

関西式に準ずるのは富山・石川・福井県、東海・中国・四国地方です。

関西式の正式な9品目

1:子生婦(こんぶ)昆布
「子宝に恵まれる」の意
2:優美和または結美和(ゆびわ)
婚約指輪のこと
3:寿留女(するめ)
長期保存できることから「幾久しく」の願いを込めて
4:長熨斗(ながのし)
鶴飾り
5:高砂人形(たかさごにんぎょう)
翁(おきな)と姥(うば)の人形
6:寿恵広(すえひろ)
純白の扇子(「純粋無垢」「末広がり」の意)
7:松魚料(まつうおりょう)
または勝男節(かつおぶし)亀飾り
8:柳樽料(やなぎだるりょう)
竹飾り(結納品の1割程度)
9:小袖料または御帯料(結納金)
松飾り

※1品ずつ台に載せて飾る

九州式の結納

関西式に準じますが、男性側が女性宅に酒一升、鯛1尾を持参する風習が全域にあり、お茶も重要な結納品となります。

また、地域によっては、結納式が終わった後ご近所や親戚に結納品をお披露目する「お茶開き」という風習があります。

結納金の金額はどのくらいが適切か

結納金は次のような金額がよいとされており、実際には100万円を贈った方が一番多いようです。

  • 100万円や200万円など、キリのいい金額
  • 50万円や70万円など、割り切れない奇数の金額
  • 末広がりの“八”にちなんだ80万円

結納の席での服装は?

結納の席での服装は、セミフォーマル(準礼服)以上で、両家の格が揃うようにします。

 

結納する本人達の服装
男性はダークスーツ、女性は振袖、ドレッシーなワンピースやスーツなどが適しています。

男性はワイシャツは白色のもの、ネクタイも落ち着いた色合いのものを選びましょう。

女性は結婚すると振袖を着る機会がなくなるので、結納の場では振袖を選ぶ人も多いようです。

 

両親・仲人の服装

父親はブラックフォーマルかダークスーツ、母親は訪問着、留袖、スーツなどが適しています。

両家の服装の格を合わせることも大切で、片方が正礼装のモーニング、片方が準礼装のダークスーツなどというようにアンバランスになるのは好ましくありません。当日の服装については事前に両家で打ち合わせをしておくようにしましょう。

結納のまとめ

結納とは、結婚(挙式)前に行う両家で婚約を約束する儀式のことです。

  • 結納の時期は、挙式の3か月~半年前の吉日にする場合が多く、略式結納をとり行うことが一般的です。
  • 結納金の額は100万円が最も多いです。
  • 結納の席での服装はセミフォーマル以上で、両家の格を揃えます。

一生に何度かしか縁のない「結納」ですが、特別なものだからこそ、しっかり理解して厳かな気持ちで臨みたいものですね。