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既成事実の意味や読み方とは
「既成事実」は「きせいじじつ」と読み、「既に成り立っていて、認めざるを得ない事柄」という意味があります。「既成」は文字通り「既に成り立っていること」です。
この四字熟語のポイントは「認めざるを得ない」というニュアンスがあることです。「本当は受け入れがたいが、それでも認めざるを得ない」ことに対して使います。
ただ単に「既に起こっていること」であれば「事実」と表現されることが多いです。単なる事実ではなく、そこに「認めざるを得ない」という意味合いが伴って「既成事実」と表現します。
ビジネスでも使える!既成事実の使い方と例文
「既成事実」はビジネスシーンでも使われることがある言葉です。「既成事実」のビジネスシーンでの使い方としては、次のようなものが挙げられます。
書類にサインするということは、サインをした人がその書類の内容について承諾したということです。この例ではその書類にサインをしてあるということが認めざるを得ない事実となっていて、その後の取引先との商談がスムーズに進むようになったということでしょう。
このようにビジネスシーンにおいて、サインをしたり印鑑を押したりすることが持っている効果は非常に大きいといえます。内容をよく理解しないままサインをしたり印鑑を押したりするのは、とてもリスクが大きいことだといえるでしょう。
というのも後になって「その内容には納得していない」と主張しても、そのサインなどが「既成事実」となっている限りその主張は認められないことが多々あるからです。
「既成事実を作る」とは「誰もが認めざるを得ない事実を作る」ということです。今回の例だと、彼女がそのチームを率いることによって、彼女がチームリーダーだという誰もが認めざるを得ない事実を作ったということを表しています。
もしかすると社内では別の人をチームリーダーにしようという意向があったのかもしれませんが、チームでは彼女がリーダーとして適任だと判断したので「既成事実を作った」ということでしょう。
既成事実の恋愛での意味や使い方
「既成事実」は恋愛においても使われることがある言葉です。恋愛においては「交際していること」や「結婚していること」などに対して「既成事実」が使われます。
具体的には次のような使い方が挙げられるでしょう。
婚姻届を提出するということは、その二人の婚姻関係が社会的に認められるということです。この例では、お互いの両親が結婚を納得せざるを得なくするために婚姻届を提出したということが読み取れます。
世の中には婚姻届こそ提出していないものの、実質的に夫婦関係にある「事実婚」という関係にある男女もいます。今回の例でも、10年以上も同棲しているためその二人は実質的に夫婦関係であることを誰もが認めざるを得ないということです。
既成事実の言い換え表現
「既成事実」の言い換え表現は、「事後承諾」や「恒常化」といったものが挙げられます。
「事後承諾」は「じごしょうだく」と読み、「前もって承諾を得ておくべきことについて、何らかの事情で承諾を得られず、後になってから承諾を求めること」です。
「事実が先にあり、後から認めざるを得ない」という点において、「事後承諾」は「既成事実」の言い換え表現だといえるでしょう。また「恒常化」の読み方は「こうじょうか」で、その意味は「常にそうである、そうあって当然であると認識される状態にすること」です。
「既成事実化」という言葉は上述のような意味合いを持っているので、「恒常化」も「既成事実」の言い換え表現として該当するといえます。
既成事実の反対語
「既成事実」の反対語としてぴったり当てはまるような言葉はありません。強いていうなら「事実を認めざるを得ない」という点をクローズアップして「認められない事柄」や「納得できない事実」といった言葉が考えられます。
ただし上記のような言葉には「既に成り立っていて」というニュアンスがないので、完全に反対語として適しているとはいえないかもしれません。このように適切な対義語や反対語、または類語や言い換え表現が見つからないケースは度々あります。
そのような言葉を無理に別の言葉で置き換えようとしても意味が変わってきてしまうので、そのままその言葉を使った方が無難だといえるでしょう。
既成事実の英語表現
「既成事実」の英語表現は「an established fact」や「an existing fact」といったものが適切でしょう。「an established fact」は「既に確立された(既成化された)事実」、「an existing fact」は「既に存在している事実」という意味です。
どちらもその事実がはっきりと存在しているというニュアンスがあるので、「既成事実」の英語表現として適しているといえます。なおフランス語で「既成事実」を意味する「fait accompli」をそのまま英語でも使われることもあるようです。
「fait accompli」は複数形でも使用できますが、フランス語由来のためその場合は「faits accomplis」とどちらにも複数形の「s」をつけます。国や地域によっては通じないこともあるそうなので、「an established fact」や「an existing fact」の方が無難な表現だといえるかもしれません。
まとめ この記事のおさらい
- 「既成事実」は「きせいじじつ」と読み、「既に成り立っていて、認めざるを得ない事柄」という意味がある
- 恋愛においては「交際していること」や「結婚していること」などに対して「既成事実」が使われる
- 「既成事実」の言い換え表現は、「事後承諾」や「恒常化」といったものが挙げられる
- 「既成事実」の反対語としてぴったり当てはまる言葉はないが、強いていうなら「認められない事柄」や「納得できない事実」といった言葉が考えられる
- 「既成事実」の英語表現は「an established fact」や「an existing fact」といったものが適切