社畜自慢とはなにか 社畜の解説と社畜自慢する人の特徴

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過労死が大きな社会問題となっている現在、過重労働やサービス残業などの労働環境の見直しが企業に求められています。しかし、「社畜」と呼ばれる社員が存在しているのも日本の現状です。

では、この「社畜」とは、具体的にどのような社員なのでしょうかとふと疑問がわきます。この記事では社畜とは何かと社畜自慢をする人の特徴、接し方について解説いたします。

社畜とはそもそもなにか

社畜とは会社のいいなりになって、つらい仕事でも文句をいわずに働いている社員であるとされています。

会社に飼いならされた家畜という意味の造語です。小説家の安土敏氏が考案したもので、社会問題を辛口に批評する佐高信氏が広めたといわれています。

社員だけでなくパートやアルバイトでも長時間労働を文句ひとつ言わずに働いている人も、社畜と揶揄されるでしょう。

しかし、この社畜であることを皮肉ではなく肯定的に自慢している人がいます。このような人を「社畜自慢」の人といいます。

社畜自慢の人の特徴

社畜を自慢する人には、いくつかの特徴があります。

忙しく働いていることをアピールする

「ああ、忙しくて困っちゃうよ」とか「今日も残業なんだ」と忙しく働いていることを自慢する人は、社畜自慢といえます。まるで、仕事に命をささげるのが生きがいのような人です。ヘトヘトになるまで働くことで達成感を感じるのです。

滅私奉公に喜びを感じる社畜自慢

かつて日本人の美徳として使われていた言葉に「滅私奉公(めっしほうこう)」があります。

三省堂の新明解四字熟語辞典では滅私奉公を「私利私欲を捨てて、主人や公のために忠誠を尽くすこと」と解説しています。

社畜自慢の人は、まさに滅私奉公を現代社会でも実践している人といえます。会社に奉仕することを喜びとして感じています。社畜は、働き過ぎでも苦には感じません。会社や上司に服従していいなりに仕事をこなします。

自意識が強い社畜自慢

「やっぱ、私じゃなきゃダメだよね」とあたかも自分がいないと仕事が進まないようにいう人がいます。仕事をする自分に酔っている人で、自意識過剰ともいえます。責任感が強く仕事のためならサービス残業もいといません。

社畜自慢の人の心理

会社から期待されたいから社畜自慢をする

社畜自慢をする人の心の奥には、「会社から期待されたい」という意識が強くあります。本来仕事が出来る人であれば、自然と周囲にも認められ会社からも評価はされます。

しかし、社畜自慢の人は会社から期待されたいという意識が強いので、仕事をしていることをアピールするのです。逆にいえば、劣等感のあらわれともいえます。劣等感があるからこそ、周囲や会社に仕事をしている自分をアピールをするのです。

忙しさに安心感を求めるため社畜自慢をする

社畜自慢の人は、仕事以外に時間を使うのが下手な人ともいえます。趣味や友人との付き合いが少ないので、忙しく働いている時間が安心できるのです。仕事に没頭することで、寂しさを紛らわせているともいえるでしょう。

仕事するのがカッコ良いと思っているから社畜自慢をする

バブル時代の栄養ドリンクのコマーシャルで、「24時間働けますか」というキャッチコピーがありました。企業戦士がカッコよいと思われた時代です。しかし、バブル崩壊後、日本人の仕事に対する価値観も大きく変わってきました。

社畜自慢の人は、いまだに企業戦士がカッコ良いと思っている人です。「ホントに忙しくて困っちゃう」と周囲の人に自慢げに話します。仕事している自分がカッコ良いと思っているので、忙しく働く姿は、誰にでも魅力的に映ると勘違いしているのです。

社畜自慢の人との付き合い方

社畜自慢の人は、はっきり言って「面倒臭い人」です。いわゆる「うざい」人ですから、付き合い方に注意が必要です。

大げさにほめると社畜は喜ぶ

社畜自慢の人には、自尊心を傷つけるような発言はしてはいけません。相手の価値観を否定すると逆上して、より面倒臭くなります。

「忙しくて困っちゃうよ」といわれたら、「大変だね。でもやりがいがありそうで、羨ましいよ」と相手の自尊心をくすぐるように、大げさにほめることが大切です。ただし、ほめ過ぎると毎回付き合わされる危険性もあるので、注意しましょう。

受け流すと社畜は遠ざかる

おおげさにほめるのが苦手な人は、逆に「受け流す」ようにしましょう。社畜自慢をした時には、「へえ」「そうなんだ」など軽く受け答えします。

社畜自慢の人は、ほめられることを期待しているので、受け流されると肩透かしされた気分になります。いわゆる「暖簾に腕押し」のような感覚を与え、「この人に自慢は通じない」と感じるでしょう。

先輩や上司など人間関係で支障がない相手であれば、冷たい対応も効果的です。

張り合わないことで社畜の対応は面倒でなくなる

社畜自慢の人に「そんなのまだまだ働いたうちに入らないよ」など、自分の残業や休日出勤などを自慢してはいけません。相手の自尊心を傷つけるだけでなく、関係を悪化させてしまう危険性もあります。

また、仕事をしていることのアピール合戦は、はた目から社畜同士の争いのように映ってしまいます。あなたの印象も悪くするので、社畜自慢の人とは争うわないことが賢明です。

日本は社畜自慢の国なのか

社畜は、「corporateslave(会社の奴隷)」や「wage slave(賃金奴隷)」と英訳されますが、海外では社畜自慢のように、奴隷であることを自慢する人は皆無といえます。

社畜を自慢する人がいるのは、日本特有といえます。日本は昔から「滅私奉公」の精神で支えられてきました。会社のために身を粉にして働くのが美徳として考えられていのです。

過労死やブラック企業の問題が表面化してきた現在は、労働に対する考え方は変化してきましたが、根底にはまだまだ滅私奉公が美徳として残っています。

旅行会社のエクスペディアジャパンの調査では、日本人の有給休暇消化率は50%で、世界30ヶ国中最下位となっています。

つまり、有給を取りづらい環境にあるといえます。いまだに、滅私奉公を社員に期待する風土が残っているのです。

このような環境の中で、社畜自慢の人が現存するのは仕方ないのかもしれません。

参考: エクスペディア 世界30ヶ国 有給休暇・国際比較調査2017

社畜自慢と社畜仮面

最近、「社畜仮面」という言葉が話題になっています。社畜を期待する日本会社の中で、いかに社畜を装って自分らしく生きるかのポイントを紹介した書籍がきっかけです。

社畜仮面の人は、一見会社に奉仕しているような見えますが、上手に自分の時間も大切にしています。社畜自慢をすることはありません。

周囲とは上手に付き合える人です。悪くいえば、「小利口」な社員といえるでしょう。いまだに滅私奉公の精神が美徳と思われる傾向が強い日本では、社畜仮面というあり方は必要なのかもしれませんね。

社畜自慢の人のような「うざい」部分はないので、普通に付き合えます。

社畜自慢のまとめ

「仕事が忙しくて困っちゃうよ」と嬉しそうに言っている人は、少なくありません。
その人が、社畜であるかの判断は難しいですが、社畜自慢と思われる人の特徴には、

  • 忙しく働いていることをアピールする
  • 滅私奉公に喜びを感じる
  • 自意識が強い

などがあげられます。

社畜自慢の人は、「会社から期待されたい」「忙しさに安心感を求める」「仕事するのがカッコ良いと思っている」などの心理面がみられます。

社畜自慢の人とは、「大げさにほめる」か「受け流す」ようにして付き合うことが大切です。さらに「張り合わない」このことも人間関係を壊さないためには必要なことです。

まだまだ、滅私奉公が美徳と思われている日本では、社畜は会社にとっては有難い存在かもしれません。しかし、上司や同僚に社畜自慢がいると面倒臭い存在なので、上手に付き合うことが大切ですね。