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最近、鷹を使いカラスなどの害鳥を追い払うビジネスがあり、テレビや新聞で勇ましい鷹の姿をみた人もいるでしょう。その鷹を扱う仕事をしている人は、一般的には「鷹匠(たかじょう)」と呼ばれる仕事です。ここでは、伝統的な職業である鷹匠とは何か、どうしたらなれるのか、年収か勤務体系などについてご紹介します。職業としての鷹匠を真剣に考えてみることができます。
鷹匠の仕事内容・役割・種類
「鷹匠(たかじょう)」は、江戸幕府にもあった職名です。江戸時代には、鷹狩りのための鷹を飼育していた役職で、明治以降には宮内庁の職員にもあった職名です。現在でも、鷹を飼いならし、訓練する専門家のことを指しますが、ビジネスとして注目を浴びつつある鷹匠の業務内容は変わりつつあります。鷹飼い、鷹師などとも呼ばれます。
本来は、鷹を使い狩りをして、その獲物を売るのが鷹匠でしたが、現在は狩猟制限などにより、狩りでは生計は立てられないでしょう。
鷹匠の技術は、江戸時代から将軍に遣えるほどの高度な技術であり、伝統的な文化とされています。今では、鷹匠の伝承された技術、放鷹は、エンターテイメントのひとつとなっています。各地で行われるイベントで、放鷹のショーをするのが鷹匠で、それも鷹匠の業務内容のひとつです。
また、今注目される鷹匠のビジネスは害鳥駆除で、鷹匠が所属するコンサル会社もあります。鷹は鳥類の食物連鎖の頂点に君臨しているので、他の鳥類を威嚇するのに使えるのです。
ハトやカラスなどの害鳥駆除は、工場や倉庫、マンションなどのふん害に悩む広い敷地での駆除や、飛行機のバードストライク防止のため空港での駆除もあります。また、太陽光パネルにカラスが投石する被害も多く、太陽光発電プラントでも駆除の仕事があります。
鷹匠は、相棒の鷹やハヤブサなどの猛禽類の日々の世話とトレーニングも、業務内容です。
オランダでは、飛行禁止区域を飛ぶドローンを捕獲するために、鷹が使われています。また、アメリカでは、鷹を扱うための資格は国家資格です。日本でも、鷹匠の技術が使えるシーンが増えることも考えられます。
鷹匠になるには
鷹匠は伝統的な技術を身につけた、非常に専門性の高い職業です。また、イベントで見かけることはあっても、実際に鷹匠として働いているところには、あまり遭遇しないでしょう。
駆除会社の会社員として入社して、鷹匠になるトレーニングも同時にしていく方法もあるようです。しかし、需要が伸びつつある鷹などの猛禽類を使った駆除ですが、まだまだ会社自体の件数は少なく、入社すること自体が難しいと考えられます。
鷹匠になるために必要な学歴・資格
かつてテレビ番組で話題になった鷹匠は、女子高生でした。鷹匠の資格は、民間団体認定の資格で学歴や年齢制限はありません。
現在、鷹匠の資格を取得できるのは、特定非営利活動法人日本鷹匠協会、NPO法人日本放鷹協会など数団体あります。
先に述べたように、会社員になるのも一つの方法ですが、いずれかの団体に加盟して、鷹匠になるためのトレーニングを受けるのが一般的です。実際に鷹匠の試験を受けられるまでには、3年ほどかかると言われています。
鷹匠になるには、パートナーである鷹を飼育するので、飼育する小屋やえさ、日々のトレーニングをする安全な場所の確保が必要になります。鷹はストレスに弱い生き物で、飼育が非常に難しいのは覚悟しておきましょう。
鷹匠の年収
鷹匠は特殊な職業であり、全体の人数も少ないので、年収についての公式な調査結果がありません。
現実的に考えると、伝統的な鷹匠として収入を得るなら、団体に所属してイベントなどで技術を披露し、そのギャラが収入になることになります。団体により、申し込み窓口が設置されています。
しかしこの場合は、その時だけ鷹匠として技術を披露するので、安定した収入にはつながりにくいことが想像できます。ほとんどフリーランスに近い立場で活動することになるでしょう。
生計を立てられるとすれば、害鳥駆除の会社に勤務するのがいいとかも知れません。ひとつひとつの会社も、そう多くの鷹匠を抱えているわけではないので、門戸は狭いことが予想されます。
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勤務体系と休日
鷹匠として、人前で働く分には昼間の限定された時間になります。しかしそれよりも、生き物であるパートナーの鷹を飼育している責任があります。ですから、休日はないと思っていいでしょう。本当にたかが好きでないと務まらない仕事といえます。
女性鷹匠が書いた『鷹の師匠、狩りのお時間です』という漫画があります。その中でも、鷹の飼育と信頼関係の構築の難しさが描かれいます。漫画とはいえ、実際の鷹匠の方が描いた漫画なので、なかなか垣間見ることのできない鷹匠の世界がわかり参考になるでしょう。
鷹匠のいる企業・団体
■株式会社 GreenField(グリーンフィールド)http://gfhawk.com/index.html
2011年に大阪で創業した、鷹匠による害鳥駆除をメインにする会社です。7名の鷹匠が在籍しています。駆除のほかに、 鷹の実演イベント、ホーキングスクール、 鷹販売、鷹レンタルなどの業務展開もしています。
■株式会社鷹匠 http://takajou.jp/
2001年から放鷹術を学んだプロが静岡に創業した鳥害駆除の会社です。オオタカ、ハリスホース、ハヤブサを使った駆除をします。
■特定非営利活動法人日本鷹匠協会 http://www.jfa.gr.jp/global/
「鷹狩」が『ユネスコ世界無形文化遺産』に認定されており、、「世界鷹匠協会(IAF)」の加盟団体であるのが、日本鷹匠協会です。資格認定も行っている協会なので、ぜひ参考にしてください。
鷹匠のまとめ
鷹匠(たかじょう)は、鷹を飼いならし、訓練する専門家のことを指しますが、ビジネスとして注目を浴びつつある鷹匠の業務内容は変わりつつあります。鷹飼い、鷹師などと呼ばれることもあります。
鷹匠の業務内容は、もともと狩りですが、今は制限でほとんど行われていません。現在は、各地で行われるイベントで放鷹のショーをしたり、鳥害駆除をしたりします。また、パートナーである鷹の飼育とトレーニングも、業務になります。
鷹匠になるのは、学歴や年齢制限はありませんが、長い修行が必要です。鷹匠の資格は、いくつかの民間団体が認定するものです。
鷹匠の年収は、放鷹ショー出演などでフリーランスのような立場なので、生計を立てるのは難しいようです。駆除の会社に入社すれば、比較的安定する可能性はありますが、門戸は狭いでしょう。鷹匠は、生き物である鷹の飼育があるので、ほとんど休日はないと考えられます。本当に鷹が好きでないと務まらない仕事といえます。
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