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ビジネスでは相手に見てもらうことを促す表現がいくつかあります。「見てください」という言い回しは使えません。
ここでは、頻繁に使われる表現として「ご参照ください」「参考にしてください」「ご覧ください」のそれぞれの違いや使い方をご紹介します。
ご参照くださいの意味
参照とは、理解を深めるために、既にある知識や資料などと目で確認できる他の情報を照らし合わせて見る、読むことを意味します。
「ご参照ください」は、「ご」を付けて丁寧にし、さらに「ください」として相手に参照することを促す丁寧表現です。カジュアルにすると「照らし合わせて見てください」をさらに丁寧にした敬語が「ご参照ください」です。
「ご参照してください」は誤用?
「ご参照してください」は誤った使い方になります。「参照する」を相手に促す時、「ご参照」で既に相手の行為になっています。「する」を変形させた「して」はいらなくなるのです。
目上の人には使えるの?
「ご参照ください」は丁寧さを十分に備えた謙譲語です。上司や目上の人に対しても使うことができます。尊敬語で表現するなら「参照なさってください」の形で使うこともできます。
類語・同義語
参照、参考の違いと使い分け
参照と似ている言葉に「参考」があります。この2つは大きな違いがあります。
「参照する」を使う時は、目に見えるものが参照の対象物として存在します。照らし合わせるという意味で確認し、そのものの理解を深める意味で使われます。見れば(参照すれば)わかることがはっきりしている時に使われるという点で参考と大きく異なります。例えば「お支払いの詳細は明細書をご参照ください」として使われます。
参考にするとは、その考えや考え方を取り入れるということです。たとえそれが目に見える資料や書籍などだったとしても、そこに書かれている直接の文字や数字ではなく、その内容を自分に活かすことが参考にするということです。
参考という言葉は、情報の受け手次第でその有効性が決められるものです。こちらから参考となるものを提示しても、相手の役に立つかどうかは不確かだという意味も含んでいます。どの部分が相手にとって参考になるかも分かりません。役に立つかもしれないので見てください、もしくは聞いてみてくださいという気持ちを持って参考を使いましょう。
参照⇒「参照する」⇒「参照してください」⇒「ご参照ください」
参考⇒「参考にする」⇒「参考にしてください」⇒「参考になさってください」
参照は「参照する」で動詞表現になります。参考は「参考する」とは言わず「参考にする」ですよね。「ご参考にください」というのは文法的におかしいので、「参考になさってください」とするのが適切です。また、参考にするのか、しないのか、参考になるのか、ならないのかは相手判断によると考えるべきで強制はできません。したがって「ご参考ください」という表現は敬語としては不適切となります。
ご覧くださいの表現
同じように相手に何かを見ることを促す言葉として「ご覧ください」があります。くだけた言い方だと「見てください」になります。参照や参考などの細かな意味を含まず、様々な意味を総じてみてほしい時に、使うことができる敬語表現です。ご覧くださいは参照や参考と組み合わせて使われることもあります。
気をつけなければいけない点として相手がそれを見ることを喜ぶ時や、見ることでメリットになる時に使うように心がけましょう。役に立つ資料、重要ポイントの提示、詳細の把握などです。また、多忙な上司に対して、自分の報告書や資料などを見てもらうといった時にはご覧くださいは不適切です。
「お目通しのほど、宜しくお願いいたします」「ご一読いただけますと幸いです」など手間をねぎらう表現に変える方がいいでしょう。
「ご参照」・「ご参考」・「ご覧」例文・フレーズ集
ビジネスシーンで参照、参考、ご覧がどのように活用されるのか、例文でご紹介していきます。
ご参照くださいの例文
自分が参照する時の表現
参考にしてくださいの例文
自分が参考にする時の注意
「参考にさせていただきます」「大変参考になりました」は失礼になることがあります。参考には、考えの足しにするという補足の意味があります。相手から参考材料となる情報やアドバイスを貰った際には、「勉強になりました」「解決できました」とするのが適切です。
ご覧くださいの例文
「ご覧」と「拝見」
「ご覧」という言葉は自分が見る時には使えません。「拝見」という言葉に変化します。「拝見したいのですがよろしいでしょうか」「拝見いたしました」などで使われます。拝見は相手が見ることには使えません。しっかり使い分けましょう。
まとめ
参考などは謙譲語と尊敬語でのルールが入ると迷うことも多くなります。まずは、敬語表現をひとつの言葉に重複させないことを意識するところから始めてみましょう。