文語表現で役に立つ「一入」の意味と使い方を例文を交えてご紹介

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「一入」という漢字はビジネスシーンで使われることがあまりありません、しかし、知っていると文章作成の時に役立つ言葉でもあります。

ここでは、「一入」の読みや意味、類語や例文、英語表現などもご紹介します。語彙力を高め、他のビジネスパーソンと差をつけましょう。

「一入」(ひとしお)の意味

「一入」は、「ひとしお」と読みます。

意味は、「ほかの場合よりも程度が一段と増すこと」です。

「一入」の語源

「一入(ひとしお)」とは、染め物の作業からきている言葉です。染め物を一度染料に浸すことを「一入」といいます。ちなみに、染め物を二回浸すことを「再入(ふたしお)」、何度も染めることを「八入(やしお)」「千入(ちしお)」といいます。

「しお(しほ)」という言葉の語源には諸説ありますが、「濡れる」「湿らす」の「しおる」という言葉からきているという説もあります。万葉仮名の時代からあった古い言葉「しお」で、回数を意味する接尾語として使われてきました。

堅いビジネス文章に「ひとしお」は使いません、挨拶状などに使うと上品な雰囲気を文章に与えてくれる言葉です。

一入と間違えやすい言葉

同じ発音「ひとしお」には、他に漢字表記で「一塩」と「一潮」があります。
「一塩」は、魚などに薄く塩を振ることや、またそうしたもの。をさします。たとえば、「一塩物」とか「一塩した魚を干物にする。」などと使います。
「一潮」は、月が新月から満月、または満月から新月になる日数の約15日間のサイクルのことをさします。

一入の類語

「一入」の類語には下記表現があります。

格段・一段・ひときわ(一際)・特別・取分け
格別・特に・ことさら・一段・際立って

「一入」の例文

一入は、ネガティブな意味でも使えますが、一般的にはお祝いなどのポジティブな意味で使います。
また、「~も一入」のかたちで使うことが多いでしょう。

 

親友の結婚式は、やはり喜びも一入です。
幼稚園の卒業式での娘の姿は、感慨も一入です。
この熟成肉のステーキの旨さといったら、一入ですね。
彼の背の高さは、集団でも一入目を引くほどです。

 

「一入」を使った四字熟語

よく使われる一入が入った四字熟語に、「感慨一入(かんがいひとしお)」があります。

これは、しみじみと心に深く感じる様子やより一層という意味があります。一般的には、とても感動したときに使う表現です。「感慨一入」と、間に「」を入れて使うことも多いでしょう。

「この山の紅葉の美しさは、感慨一入としかいいようがない。」などと使います。

「一入」の英語表現

「一入」と同じ意味の、普通より程度や範囲が大きいさまを表現する英語は。

peculiarly
specially
especially
particularly

があります。

上記よりも際立っている意味の表現は下記表現があります。

prominently
conspicuously

その他に、他から区別する意味合いの時は下記になります。

in particular
particularly

最後に上記の単語を使った例文をご紹介します。

The view of Mt.Fuji is especially great at Yoshiwara.
「吉原からの富士山の眺めは一入すばらしい。」
The new car was prominently displayed at the show place.
「ショー会場では、新車が一入目立つように飾られていた。」
You look particularly attractive today.
「あなたは、今日は一入魅力的です。」

「一入」についてのまとめ

「一入」は、「ひとしお」と読み、ほかの場合より程度が一段と増すこと。という意味があります。語源は、染め物を一回染料に浸す作業からきています。

同じ発音「ひとしお」で「一塩」と「一潮」という言葉もありますが、意味が全く違うので誤解や誤用をしないように注意しましょう。

「一入」の類語には、格段・一段・ひときわ(一際)・特別・取分けなどがあります。

「一入」は、ネガティブな意味でも使えますが、一般的にはお祝いなどのポジティブな意味で使う方が多いです。

よく使う四字熟語に、「感慨一入(かんがいひとしお)」があります。

英語表現では、

peculiarly
specially
prominently
in particular
particularly

などがあります。