営業トークで使えるバーナム効果の意味と使用例をまじえ解説

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バーナム効果は、血液型判断や占いの結果をありのまま信じ込んでしまう心理的効果をいう言葉ですが、それを活用して営業トークや恋愛のアプローチ方法にもよく使われる言葉です。そもそもバーナム効果とは何か、またバーナム効果との上手な付き合い方や活用の仕方について解説します。

バーナム効果 意味と概要

バーナム効果(Barnum effect)とは、占いや性格診断など、だれにでも該当するような曖昧で一般的な性格に関する説明を、まさに自分のことだと思いこんでしまうこと。『私は血液型がO型だからおおざっぱ』のことです。

本来、人の性格は状況によって変わり、「そう言えばそんな点もあるかもしれない」「それは他の人にもある特徴で、私だけとは限らない」といったように非常に曖昧で、一概に言い切れないにもかかわらず、「そうである違いない」と決めつけることがあります。そうさせているのが何か特別な診断(占いや心理テスト)なのですが、この効果のことをバーナム効果といっています。

バーナム効果の典型例

血液型判断のバーナム効果

バーナム効果の典型は、冒頭の説明にもあった血液型による性格診断です。「几帳面」という非常に曖昧で決めつけられない性格パターンは、A型の人だけでなく、B型にもO型にもあるにもかかわらず、自分だけに示された特別な診断結果によって、「きっとそうであるに違いない」と決めつけ、『私は血液型がA型だから几帳面』といっているのです。

占いのバーナム効果

占いの結果も同様です。たとえば、何かの占いで「このタイプの人は、普段一人でいる時はゆったりと自分のペースで過ごすタイプですが、人が多くなると状況を見ながらうまく振る舞うことができます。」という結果を示されたとします。

「普段一人でいる時はゆったりと自分のペース」とか、「人が多くなるとうまく振る舞う」は、冒頭の定義にもあったように、「だれにでも該当するような曖昧で一般的な性格に関する説明」にもかかわらず、特別な占い師や診断などを通じて自分だけ(自分だけの星座や生年月日など)に語られると、特別なメッセージとして素直に受け入れてしまいます。

バーナム効果が最大限発揮される条件

 自分にだけに適合すると信じている

バーナム効果が最大限発揮される条件はいくつかありますが、ひとつは提示された内容(性格やタイプ、行動特性)が自分だけに適合すると信じていることです。

「几帳面」の例でいけば、几帳面な時がある人、几帳面と信じ込んでいる人、几帳面な点があると思っている人…を数え上げていくと、ほとんどの人が「几帳面」なのに、A型である自分にだけ適合していると信じているのです。

 相手やそのものに大きな権威を感じている

ふたつ目の条件は、これこそバーナム効果の源ですが、診断(占いや心理テスト)そのものに何か「特別なもの」を感じていることがあります。

特別のものとは、診断してくれる占い師や心理テストといった発信元のことで、信じるに足る大きな権威を感じていることが、バーナム効果の効果性を高めています。

 前向きな結果や内容ばかりである

三つ目は、診断の結果がほとんど前向きなものであることです。A型は几帳面だと言われるとそれなりに満足感があったり、「多くの人の中で明るく振舞える」と言われると、なんとかく自信が持てます。

このように、バーナム効果が顕著に出るためには、提示された結果は常に前向きである必要があります。逆に、自身が否定されるようなことはあまり認めたくないのが普通です。

営業で活用するバーナム効果

ここまでは、血液判断や占いなどの観点から結果を信じ込むことのマイナス面を見てきましたが、ここからバーナム効果の活用について説明します。以下は、バーナム効果を活用した「本音を聞き出す営業トーク」例です。

バーナム効果をつかった営業トークの例

バーナム効果を営業トークとして活用する基本は、顧客から「買物の悩み相談」を受けた占い師の心境になることです。

「〇〇様はおしゃれに気を遣う方なので、ご自分の洋服を選ぶときは色柄やデザインなど、いろいろ悩まれるタイプですよね?」
「せっかく時間をかけて洋服を選ばれる方だから、きっと周囲から何か褒めてほしい人ですよね?」
「〇〇様は上手にご予算を使われる方だから、お値段はやはり気にされるほうですよね?」

この3つの質問は、私(営業マン・販売員)は、あなた(お客様)のことを「おしゃれに気を遣う方」、「色柄やデザイン選びに悩むタイプ」で、また買ったものについて「何か褒めてほしいタイプ」であると決めつけています。

しかし、考えれば自分に合う洋服を探す人なら誰にでも当てはまることしかいっていません。

顧客は営業マンから「〇〇タイプ」と言われ、すっかり自分のことを言い当てられたと思ってもらうのが、営業で狙うバーナム効果です。その後顧客が心を開いてくれて、自分の洋服選びの基準や、誰に褒めてほしいと思っているか、そして予算など本音を語ってくれれば成功です。

バーナム効果を恋愛でも活用

恋愛も相手の気持ちに入って、意中の人から「あなたが、私のことを一番よくわかってくれている理解者」と思ってもらえる関係作りをするために、バーナム効果を活用したアプローチをします。

 バーナム効果をつかった恋愛の具体例

「あなたは、本当はとても優しい人だから、相手のことに気配りしておつきあいができるタイプだと思う。」

「あなたは少し人見知りするけど、持ち前の明るい性格ですぐ打ち解けたお付き合いができる人だと思う。」

ここでは相手に対して、「本当はとても優しい人」「少し人見知りする」という曖昧な言い方で性格の指摘をしています。「言われてみればそうかもしれない」「この人は自分のことをよくわかってくれる人かもしれない」と少しでも思ってもらえれば、二人の間を近づけることになります。

「あなたは普段はどちらかと言えばためらうタイプだけど、大切と思ったことには積極的に行動できる人でしょ?」

これも、「言われてみればそうかも」と納得して、「持ち前の明るい性格」で「積極的に行動」することを暗にすすめているのです。

バーナム効果のまとめ

・バーナム効果の意味は、「誰にでも該当するような曖昧な性格を、自分のことだと思い込むこと」をいいます。

・血液型判断や占いの結果を、ありのまま信じ込んでしまうのが典型的な例です。

・信じ込む理由は、「自分にだけ適合すると信じている」、「相手やそのものに大きな権威を感じている」、「前向きな結果や内容ばかり」などの理由からです。

・バーナム効果を利用して、営業トークや恋愛でのアプローチに活用する方法があります。いずれも、「相手が、一番自分のことをよく知ってくれている理解者」と思ってもらえるようにすることがポイントです。