「ご存知」の意味と正しい使い方 敬語として使えるか 英語表現

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ビジネスでメールや文書を送る時に、「ご存知」「ご存じ」のどれを使えば良いのか明確に理解している人は多くありません。「ご存知」は「ご存じ」とは意味が異なるのでしょうか。ご存知の他の言い方や英語表現など、「ご存知」について、解説します。

ご存知の意味と使う場面

「ご存知」は「知っている」という意味で使います。「ご存知の通り」や「ご存知のこととは存じますが」などと使うのが一般的です。

「ご存じ」と書く場合と「ご存知」と書く場合があります。意味に違いはありませんが、言葉の成り立ちとしての解釈が異なります。

「ご存じ」は「存じる」の連用形、「ご存知」は「存知(ぞんち)」の発音が「ぞんじ」になったものだとされています。

使う場面での注意点は、その主語に当たるのは、話している(または書いている)相手や話題に出てきた人など、自分以外の立場が上の誰かという点です。自分が「知っている」という場合は、「存じます」や「存じております」などを使います。

相手が知っていることを前提として話す場合


「ご存知の通り来年から消費税が増税されますので、弊社も価格を変更せざるを得ない状況です。」

ご存知は敬語として使えるか

相手や自分以外の目上の誰かが主語となる「ご存知」は「(相手が)知っている」の敬語として使用します。反対に自分を主語として使う場合は、謙譲語の「存じている」や「存じる」を使います。

実は「知っている」という言葉は、謙譲語は決まっているものの明確な尊敬語がない特殊な言葉にあたります。一方で、一般的な使い方からの視点で「ご存知」を「知っている」の敬語、特に尊敬語(のようなもの)として認めているという事実もあります。

上司に対して、人事異動の内容をもう知っているか尋ねる場合


「週末に発表された人事異動の件はもうご存知でしょうか?」

再度報告することに対して失礼がないように言いたい時場合


「この件についてはすでにご存知かもしれませんが、再度報告させていただきます。」

ご存知に代わる言葉

ご存知を他の言葉で言い換える時に「~をお知りになる」を使う人がいますが、この表現には賛否両論があるので気を付けましょう。「お知り」の部分の語呂が「お尻」と同じであるため、相手に対して使うべきではないという意見です。

そういった問題を避けるためにも、ご存知に変わる言葉としては、「お聞き及び」を使うと良いでしょう。

上司に対して、人事異動の内容をもう知っているか尋ねる場合


「週末に発表された人事異動の件はもうお聞き及びでしょうか?」

ご存知の英語表現

ビジネスシーンではよく使われる「すでにご存知かもしれませんが…」という表現。英語では何と表現すると自然に聞こえるのでしょうか。

教科書通りに訳すのであれば「As you know」が使われます。しかし、As you knowは、「(周知のことなので)あなたなら知っているだろうけど」というニュアンスで使われるので、もし相手が知らなかった場合は、皮肉に聞こえてしまうことがあります。

英語で「すでにご存知かもしれませんが…」と言いたい時は、ストレートに「You might already be aware of this but~やYou probably already know,」を使用する方が嫌味なく聞こえるでしょう。

退職したことを告げる場合


You might already know, but I left Kobayashi Shoji last year.
(訳)すでにご存知かもしれませんが、昨年小林商事を退職いたしました。

計画を変更したことを告げる場合


You probably already know, we have made some changes to this plan last week.
(訳)すでにご存知かもしれませんが、先週プランを少し変更しました。

まとめ

・ご存知とご存じは言葉の成り立ちが異なるだけで同じ意味
・ご存知は相手や自分以外の目上の人が「知っている」時の尊敬語として使う
・「ご存知」は「お聞き及び」と言い替えることができる
・As you knowよりもYou might already be aware of this but~やYou probably already know,の方が自然に受け入れられる

ビジネスでは頻繁に使う「ご存知」という言葉。頻繁に使うからこそ今更誰かに使い方を聞くこともしづらい言葉です。きちんと整理して正しく使いましょう。