昨今とは|意味・使い方と注意点・最近や近年との違い・英語表現を解説

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この記事では「昨今」の読み方や意味について解説いたします。

日常的によく使われる言葉ではありますが、その詳しい意味や使い方については理解していないという人も多いかもしれません。

そこで今回は「昨今」の語源や類義語、「最近」や「近年」との違い等も含めて取り上げました。

この記事の中で一つでも参考になるような情報があれば幸いです。

昨今の読み方・意味・使い方

「昨今」は「さっこん」と読み、「この頃」や「近頃」という意味です。

「さくこん」等と読み間違いをしないように注意しておいた方が良いかもしれません。

「昨」は「昔」や「以前」を、「今」は「現在」や「いま」を意味しています。

これらが合わさって「昨今」は上記のような意味として使われているというわけです。

また「昨今」が指す範囲は具体的ではなく、現在に近い過去から現在までを含めたもので漠然としています。

その為人によって「昨今」の認識にズレが生じる可能性がありますが、「おおよそ数ヶ月〜数年程度」を連想することが多いでしょう。

「昨今」が指す範囲を想像する場合、その前後の内容を参考にすることが必要です。

例えば「昨今のAI技術」なら「だいたい数年程度」、「昨今は物騒なニュースが多くなっている」であれば「おおよそ数ヶ月程度」を指していると考えられます。

もしどの程度の範囲を指すかを明確にしたいのであれば、具体的な日にちを告げる等した方が良いかもしれません。

昨今の語源

「昨今」は先述の通り、「昔」や「以前」を表す「昨」と、「現在」や「いま」を意味する「今」が合わさってできた言葉です。

「昨」は音読みで「サク」、「今」は音読みだと「コン」や「キン」と読むことができます。

一言で「昔」や「以前」といっても人によってどれくらいの範囲を指すのか解釈が異なる為、「昨今」もその範囲が明確ではありません。

また少々かっちりとした表現でもあるので、類義語と比べると使う場面がある程度限られるという特徴があります。

「昨今」が使われる具体的な場面としては、スピーチや文章等が挙げられるでしょう。

「昨今」と「最近」の違い

「昨今」と似た言葉として、「最近」があります。

「最近」の読み方は「さいきん」で、「基準とする時日や位置に最も近いこと」や「近頃」といった意味です。

「最」は「最も」や「いちばん」、「近」は「現在に近い」や「近頃」ということを表しています。

例えば「最近は嬉しいことが立て続けに起こっている」という場合は「近頃は嬉しいことが連続している」という意味です。

「昨今」と「最近」はどちらも「近い過去から現在」を表していることから、意味の上で大きな違いはありません。

ただし「昨今」の方が堅い表現だということもあり、一般的には「最近」が使われることが多いです。

例えば「最近の調子はいかがですか」と言うことはあっても、「昨今の調子はいかがですか」だと違和感を覚えることでしょう。

「昨今」と「近年」の違い

「近年」も「昨今」と似ている言葉として挙げられます。

「近年」は「きんねん」と読み、「最近の数年」や「近頃」といった意味です。

「近」は「現在に近い」や「近頃」、「年」は「12ヶ月を単位とする時間」を表しており、「近年」は近い過去である「数年間」を指しています。

例えば、「彼女は近年英語の勉強を欠かしたことがない」は「彼女はここ数年間英語の勉強を欠かしたことがない」という意味です。

「昨今」は数ヶ月程度でも使うことがあるのに対し、「近年」は数年単位でしか用いられません。

また「近年」もどちらかというと固めな表現に分類される為、「最近」と比べると使う場面が限られてきます。

昨今のビジネス上での使い方

「昨今」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

例えば次のような使い方が挙げられるでしょう。

・昨今の転職市場は、一部の業界を除いて売り手市場になっている。

就職活動や転職活動において、「買い手市場」や「売り手市場」という言葉を見聞きすることがあるかもしれません。

「買い手市場」は「採用したい企業側が優位な市場」、「売り手市場」はその逆で「就職したい人が優位な市場」という意味です。

市場は需要と供給で成り立っている側面があり、需要が供給を上回れば希少価値が出て価格は上がり、供給の方が需要よりも多ければ供給過多で価格が下がります。

「売り手市場」とは就職や転職したい人が少なく、人手が欲しいと考えている会社が多い状態です。

・昨今の国際情勢は、かつてない程緊迫した状況が続いている。

国際情勢は日々刻々と変わっていくもので、例えばこれまで親密な付き合いをしていた国同士が突如敵対するということがあり得ます。

この例では、これまで以上に国際情勢が悪くなっているということが読み取れるでしょう。

昨今の類義語と例文

「昨今」の類義語としては、次のようなものが挙げられます。

・このところ

・この間

その他には「先頃」や「以前」といったものが考えられるでしょう。

また上記の類義語を使うと、以下のような例文を作ることができます。

・このところ、すっかり冬めいてきたように感じる。

「このところ」は「近頃」や「最近」という意味です。

この例では、最近すっかり冬らしくなってきたように感じられたということが読み取れるでしょう。

・この間とても面白い出来事が起こった。

「この間」の読み方は「このあいだ」で、意味は「この前」や「以前」です。

どちらかというと口語で使われることが多く、フランクな場面でも使うことができます。

この例だと、つい先日とても面白い出来事があったということです。

昨今の英語表現

「昨今」を英語で表現すると、下記のようなものが考えられます。

・recently(最近)

・these days(最近)

その他の英語表現では「lately」等が該当するといえるでしょう。

また上記の表現を使った例文は、次のようなものが挙げられます。

・My brother got married recently.(私の兄は最近結婚しました。)

「recently」は「最近」や「ついこの間」という意味があり、基本的には過去形の文で使われます。

また「近い過去から現在までの継続」を表す「現在完了」や「近い過去から近い過去までの継続」を表す「過去完了」でも使うことができるので、汎用性が高い表現だといえるでしょう。

・She studies hard these days.(彼女はこの頃熱心に勉強する。)

「these days」は「過去と対比した現在」を示し、基本的には「現在形」の文で使われます。

この例では、彼女は以前と比べるとこの頃はよく勉強するようになったというニュアンスを感じることができるでしょう。

まとめ この記事のおさらい

・「昨今」は「さっこん」と読み、「この頃」や「近頃」という意味がある

・「昨今」と「最近」は意味の上で大きな違いはないが、「昨今」は固い表現なので一般的には「最近」が使われることが多い

・「昨今」は数ヶ月程度でも使うことがあるのに対し、「近年」は数年単位でしか用いられないという違いがある

・「昨今」の類義語としては「このところ」や「この間」、「先頃」や「以前」といったものが挙げられる

・「昨今」の英語表現には「recently」や「these days」があり、基本的に「recently」は過去形の文で、「these days」は現在形の文で使われる