御礼状とは|書き方・構成の解説と例文、封筒・便箋の選び方も紹介

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ここでは、御礼状を書く時に必要なマナーと、模範的な書き方について解説します。

最近はPCやスマホのEメールでお礼の気持ちを伝える方が多く、わざわざ手書きの御礼状をしたためる機会は多くないかもしれません。
しかし、逆に言えば、そんな時代だからこそ、あえて手書きの御礼状を送ることで、相手に好印象を与えることもできます。

上司や恩師、取引先の上役など、目上の方にお世話になったら、すみやかに御礼状を送りましょう。
この記事を通して、年配の方にも一目置かれるような御礼状の書き方を学ぶことができます。

御礼状とはなにか

御礼状とは、金品やサービスを提供してくれた相手に、感謝の気持ちを伝える書状のことをいいます。

御礼状を送る理由とタイミング

御礼状を送る理由はさまざまです。

歳暮や中元をいただいた場合や、ゴルフやパーティに招かれた場合、顧客との商取引が成立した場合、就職活動で面接を受けた場合など、何らかの便宜や利益を供与された場合には、面倒でもきちんとした御礼状を返しましょう。

御礼状を送るタイミングは、できるだけ早いに超したことはありません。

その場で直接御礼が言えなかったり、すぐに御礼状を送れないときは、まず電話やEメールで感謝の気持ちを伝えましょう。
その後、遅くなったことの謝罪も添えて御礼状を送るのが良いでしょう。

御礼状の構成

御礼状を書く場合、内容がビジネスライクになりすぎると、感謝の気持ちが伝わりません

かといって、SNSのようなカジュアル感覚の言葉遣いでは、かえって礼節を欠く印象があります。
御礼状で最も大切なことは、感謝の気持ちをていねいに伝えることです。

マナーだルールだと堅苦しく考えることはありません。

ただ、御礼状に限らず、フォーマルな書状には「定型」ともいえる構成があります。
内容は自由でも、書状としての構成はマナーに従ったほうが無難でしょう。

一般的な御礼状の構成は以下のようになります。

頭語

頭語とは、手紙の冒頭に書く、「拝啓」「前略」などの言葉をいいます。

頭語にはいくつか種類がありますが、いずれも手紙の最後に書く結語との組み合わせが決まっています。
たとえば頭語が「拝啓」なら、結語は「敬具」。頭語が「前略」なら、結語は「草々」です。

くれぐれも「拝啓+草々」のようなミスマッチをしないように注意しましょう。

なお「前略」と「草々」のペアは、急ぎの連絡に限られます。御礼状のようにフォーマルな書状にはふさわしくありません。

また、差出人が女性の場合、頭語を「一筆申し上げます」、結語を「かしこ」と書くのが、古くからのマナーになります。

ビジネスシーンで「かしこ」はふさわしくない、という意見もありますが、一方で、女性が「拝啓」などと書くことを快く思わない人もいます。
女性が御礼状を書く場合、相手が年長者であれば、ビジネスでも「一筆申し上げます」と「かしこ」を使ったほうが良いでしょう。

時候の挨拶

頭語につづく言葉としては、時候にふさわしい挨拶を沿えるのが基本です。
たとえば真夏は「盛夏の候」。冬には「寒さ厳しき折柄」などと書き、それに続く形で「皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などと相手の健康を気遣う言葉を加えます。

御礼の言葉

次に本題として、御礼の持ちを伝えましょう。
歳暮や中元などの贈答品をいただいた場合は、「家族ともどもうれしく存じております」などと、具体的な喜びと感謝の気持ちを伝えましょう。

相手の今後の健康などを気遣う言葉

四季に恵まれた日本では、毎日が季節の変わり目です。
書状の末尾には、「末筆ながら」と断りを入れてから「くれぐれもご自愛ください」などと相手の健康を祈る言葉を沿えましょう。

「ご自愛ください」の意味・使い方・ビジネスで使えるメール例文4選

結語

文面の最後は、頭語にマッチする「敬具」などの結語で締めくくります。

日付・差出人名

最後に日付と差出人の氏名を書きましょう。

封筒や便箋、筆記用具の選び方

洋封筒と和封筒

封筒には和封筒と洋封筒があります。

和封筒は一枚の紙を筒状に貼り合わせた封筒のことです。
洋封筒は、一枚の紙の四隅を折って、中央で貼り合わせた封筒のことです。

形状としては、基本的に縦書き用を「和封筒」、横書き用を「洋封筒」と呼びます。
御礼状のようなフォーマルな書状を送る場合、縦書き用の和封筒が基本です。

洋封筒は縦長の和封筒とちがって開口部が広く、案内状や出欠ハガキなどを同封しやすいため、主に結婚式などの招待状や挨拶状、株主総会などの案内状を送る際に使用されます。

一重封筒と二重封筒

封筒には、一枚の紙で作られた一重封筒と、内部に色つきの内紙を貼った二重封筒があります。

二重封筒は中が透けて見えず、封も二枚重ねで丈夫になるので、フォーマルな用途に適しています。
一重封筒はビジネス用の事務封筒に代表されるように、一般的なビジネス文書の送付や保管に用いられます。

また弔事の書状も、不幸が重ならないように、という縁起かつぎから一重封筒を使うのが一般的なマナーです。

便箋の選び方

便箋にも多くの種類があります。

御礼状のように改まった書状には、罫線がない白無地か、モノトーンの縦罫線が印刷された便箋を用いるのがマナーです。
横罫線や色つき罫線の便箋は、相手が個人的に親しい間柄に限られます。

筆記用具の選び方

一般的に、御礼状のようなフォーマルな書状は万年筆か毛筆で書くがマナーとされています。

ボールペンは、便箋の書状ではビジネスライクな印象が強くなりますが、マナー違反というほどでもありません。
インクの色は万年筆の場合は黒か青、ボールペンでは黒が一般的です。

鉛筆や油性マジック、サインペンなどは、フォーマルな書状には使用しないのがマナーです。

御礼状のポイント

御礼状の目的は言うまでもなく、御礼の気持ちを伝えることにあります。他の用件は必要ありません。

御礼状に他のメッセージを併記したら、ついでに御礼を書いているような印象を相手に与えかねません。
御礼状には御礼と感謝の気持ちだけを書いて送る、という心がまえが大切です。

御礼状の留意点

御礼状を書く場合はマナーに従うことも大切ですが、形式にしばられすぎると、テンプレートをコピペしたような味気ない書状になりがちです。

文章は多少稚拙でも自分の言葉で心を込めて書きましょう。ただし、誤字脱字には気をつけてください。
また、御礼状がケガや病気の見舞い返しや、就職や縁談の便宜に対する謝礼であれば、その後の経過も合わせて伝えると、相手を安心させることができます。

御礼状の例文

ここでは、お中元をいただいた場合の御礼状の例文をご紹介します。

拝啓
盛夏の候 貴社ますますご清栄の事とお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびは大変結構なお品をご恵贈いただき、誠にありがとうございました。
日頃より至らぬことばかりの私どもに過分なご芳志を賜り、大変恐縮いたしております。
略儀ながら、まずは書中にて御礼申し上げます。
暑さ厳しき折柄、貴社益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
敬具 令和元年7月
株式会社サンクス
代表取締役 有賀太矢

まとめ

  • 御礼状とは、金品やサービスを提供してくれた相手に、感謝の気持ちを伝える書状をいいます。
  • 御礼状は便宜や利益を受けた場合に、なるべく早く送りましょう。
  • 御礼状を書く場合、構成も大切ですが、感謝の気持ちを自分の言葉で伝えることも大切です。